2020年7月の取引所へのアクセスは1割以上増加
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- 2020.08.14.
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- 2020年7月の取引所へのアクセスは1割以上増加
仮想通貨の中でもビットコインの値動きは、2020年6月中旬からおよそ1ヶ月の間非常に鈍い状態が続いており、7月の下旬近くになってからやっと大きく上昇し始めました。
つまり、6月中旬から7月中旬ごろまではボラティリティの小さな状態が続いていたということです。
一般的に考えると、ボラティリティの小さな状態が長く続くと、仮想通貨取引所へのアクセスも低下してしまうはずです。
しかし実際には世界中の仮想通貨取引所の公式サイトへのアクセスが高まっていることが、仮想通貨情報の分析企業によって発表されました。
いったいどれほどアクセスが高まっていたのでしょうか。
また、その背景とはどのようなものなのでしょうか。
このニュースについて詳しくご説明しましょう。
2020年7月の取引所公式サイトへのアクセス状況発表
2020年7月における世界中の仮想通貨取引所の公式サイトに対するアクセス状況を、仮想通貨に関するニュースや情報を分析して発表しているICO Analytics(ICOアナリティクス)が2020年8月10日にツイートしました。
Twitterで公開されたICO Analyticsのデータによると、2020年7月の世界の仮想通貨取引所公式サイトに対するアクセスは、同年6月と比較すると13%増えているとしています。
さらに各仮想通貨取引所別に調べると、アクセス上位20位までの仮想通貨取引所のうち、17の取引所で6月よりもアクセスが増えていることが分かります。
上位5位のアクセス順位と前月比較
2020年7月単月のアクセス順位をみると、1位はBINACEで2,490万人、2位はcoinbaseで2,250万人、3位はBitMEXで690万人、4位はOKExの670万人、5位がIndodaxの540万人となっていました。
ただし、上位5位までの仮想通貨取引所の全てのアクセスが増加していたわけではありません。
3位のBitMEX、4位のOKExは6月と比較するとアクセスは減少しています。
さらに2位のcoinbaseと5位のIndodaxは6月との比較では、両社とも2桁台の増加率となっており、7月のアクセス1位であったBINACEの2倍近い増加率となっています。
前月比較のみでみた場合の順位
2020年7月を、同年6月からの増加率だけでみた場合、アクセス順位は大きく異なってきます。
1位はYoBitの64%増、2位はKuCoinの60%増、3位はHuobiの37%増、4位はKrakenの28%増で、5位はPoloniexの27%増でした。
そして6月からアクセスが最も減少していた1位はZB.comの-9.0%で、2位はOKExの-6.2%、3位はBitMEXの-1.6%でした。
2020年7月の分散型取引所へのアクセス状況も発表
ICO Analyticsは、同様の分析を仮想通貨分散型取引所に対しても実施しており、その内容も同日にツイートしています。
発表された分析データは2020年7月のアクセス数上位10取引所のもので、そのうち9取引所で同年6月よりもアクセス数が増えるという結果になっています。
上位5位のアクセス順位と前月比較
仮想通貨分散型取引所の2020年7月単月のアクセス順位は、1位がUniswapで143万人、2位はIDEXの70.5万人、3位がCompoundの38.3万人、4位はBalancerで27.5万人、5位はCurveの24.8万人という結果でした。
上位の5取引所では、2020年6月と比較してアクセスが減少しているところはなく、最も大きく増えていたのはBalancerで、最も少ない増加率だったのはCompoundとなっています。
前月比較のみでみた場合の順位
2020年7月を、同年6月からの増加率だけでみた場合には、1位はBalancerの193%増、2位がCurveの152%増、3位には1inchの98%増、4位Aaveの63%増、5位にOasisの62%増となっています。
また、前月比較で減少していたのは7月のアクセス順位10位のLoopringだけで、-25%という結果になっています。
取引所へのアクセスが増えた理由とは
上記のように仮想通貨分散型取引所を含め、世界中の仮想通貨取引所に対するアクセスが1割以上増加した理由とはどのようなものなのでしょうか。
もちろん、個々の仮想通貨取引所におけるアクセスの増減理由までは判断できないものの、仮想通貨取引所全体でみた時にアクセスが増えている理由は推察することができます。
以下の画像は、2020年8月14日午前1時過ぎのtradingviewBTCJPYのチャートです。
画像引用:tradingviewBTCJPY
このチャートを見ると本記事の冒頭で記述したように、6月中旬から1ヶ月の間、ビットコイン価格は100万円付近で上がりもせず、かといって下がるわけでもない状態が続いていました。
それが上昇に転じたのは7月26日からです。
一気に上昇して110万円台を超え、現在は122万円台を推移しています。
このことを言い換えると、6月中旬以降はボラティリティの小さい時期が長く続き、7月の下旬ごろになって一気にボラティリティが大きくなったということです。
トレーダーにすると6月は仮想通貨取引をしたいと思える要素が見つからず、7月に入ってからもうそろそろ動きだすのではないかと気になり始め、7月下旬近くになってから仮想通貨を取引したいと思える要素が出てきたということではないかと考えられます。
そのために7月に入ってからアクセスが増えたということが推察されます。
これはつまり仮想通貨はボラティリティの大きさが金融資産としての資質を問われているものの、実際にはボラティリティが大きくなければ取引しない人が多い傾向にあるといえるのではないでしょうか。
まとめ
2020年7月は、前月の6月よりも仮想通貨取引所にアクセスした人が1割以上多かったというニュースについてご説明しました。
アクセスが増えた理由については推論でしかありませんが、仮想通貨FXを取引している方にとっての6月はあまりにもボラティリティが小さく、うんざりした人も多かったのではないでしょうか。
またビットコイン価格が以前よりも高値で推移している8月は、仮想通貨取引所へのアクセス数はどうなるのか、非常に興味あるところでしょう。
今後ビットコイン価格がどのような動きを見せてくれるかは分かりませんが、過去のビットコインのように、ボラティリティが大きくなることを期待したいところです。