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仮想通貨税率を20%に引き下げる要望書が発表

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  • 2020.08.05.

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日本の仮想通貨取引に対する規制は世界的にみてもかなり進んだものになっており、その厳格な姿勢や高度な規制は各国から評価され、目標にするべしとの声が挙がっているほどです。

 

しかし厳しいのは規制だけではありません。

仮想通貨に対する税制も非常に厳しく、世界でも類をみないほどのものになっています。

特に仮想通貨の取引において出た利益は雑所得に分類されるため、累進課税の対象となってしまい、最大で55%もの税率になってしまいます。

この日本の仮想通貨に対する異常に厳しいともいえる税制は、日本経済の高度化や新たな産業発展の障害になってしまうのではないでしょうか。

 

日本における仮想通貨の将来を危惧した日本暗号資産ビジネス協会と日本暗号資産取引業協会が、税制改正についての要望書を共同でまとめ、発表しています。

 

その内容とはどのようなものなのか、またこのような要望書を共同でまとめた背景などについても詳しくご説明しましょう。

 

JCBAとJVCEAが共同で要望書を取りまとめ

JCBA(日本暗号資産ビジネス協会)とJVCEA(日本暗号資産取引業協会)が、仮想通貨税制についての要望書を共同でまとめ、2020年7月31日に発表しました。

なおこのタイミングで発表されたのは、2021年の税制改正を視野に入れて作成されたためだと思われます。

JVCEA 2021年度税制改正に関する要望書

画像引用:JVCEA

 

JCBAとJVCEAの危機感

JCBAとJVCEAは、どちらも日本のほとんどの仮想通貨取引業者が加盟している団体であり、特にJVCEAは国内取引所においてレバレッジなどの自主規制を徹底実施させてきた実績のある団体です。

またJCBAは自民党が定期開催している「予算・税制等に関する政策懇談会」に参加し、仮想通貨業界の要望を提出し続けてきました。

 

この両団体が税制改正に対する要望書を共同でまとめ、発表した理由には、日本の仮想通貨業界がこのままでは世界から取り残されることに対する危惧があります。

 

要望書の冒頭には、現行の税制回避のために拠点移動する事業者が見受けられること、決済分野やブロックチェーン技術など、次世代技術取り込みの遅れから、日本の優位性がなくなることや今後の発展を阻害することになるのではないかとの危惧が記述されています。

 

要望書のポイント

JCBAのwebsite上に、要望書に書かれているポイントが記載されています。

JCBA 2021年度税制改正に関する要望書について

画像引用:JCBA

 

これによると、要望書には幾つかのポイントがまとめられています。

 

まず税率については、仮想通貨デリバディブ取引と仮想通貨取引における利益の税率を、どちらも20%の申告分離課税にすることが記載されています。

またこれらの取引に際して損失が出た場合には、翌年以降3年にわたって繰越控除ができるようにすることを要望しています。

 

さらにこれらの取引で利益が20万円以内であった場合には、少額非課税制度にして欲しい旨も記述されています。

 

現在の仮想通貨に関する税制

現在の日本の仮想通貨に関する課税制度については、本サイトでも何度か説明していますが、改めて簡単にご説明しましょう。

 

仮想通貨取引で利益が20万円を超えた場合には、確定申告が必要になってくる可能性があり、仮想通貨取引によって得た利益に対しては雑所得扱いとなります。

雑所得は総合課税であり、しかも累進課税となるため、全ての所得と合算した金額に対して課税されるだけでなく、所得額が増えるほど税率は上がっていき最大55%もの税率となってしまいます。

 

さらに仮想通貨取引で損失を出した場合、利益と相殺はできますが、他に分類される所得と相殺することはできず、翌年以降の利益とも相殺することができません。

 

デリバディブ取引20%申告分離課税要望の背景

JCBAとJVCEAが要望書内で「デリバディブ取引の20%申告分離課税」を挙げている背景として、2020年5月に施行された金融商品取引改正法の内容を指摘しています。

 

この改正法では、仮想通貨は金融商品であると位置づけていることから、仮想通貨は金融資産性がある支払い手段であることが認められたと考えられます。

もしそうならば、仮想通貨デリバディブ取引を金融先物取引などと同じように20%の分離課税にするべきであるというのが要望書の根拠になっています。

 

加えて、20%の申告分離課税にすることのメリットも要望書では取り上げています。

それは仮想通貨取引をする人が増加することで、仮想通貨そのものの価格変動が抑えられ、さらには税収増や国内取引所の活性化、AML対策にもつながっていくというものです。

 

20万円以内の少額非課税制度要望の背景

JCBAとJVCEAが「20万円以内の少額非課税制度」を要望している背景として、確定申告の負担度の大きさを挙げています。

 

つまりわずかの利益であっても確定申告をしなければならないことは、作業的にも面倒なだけでなく、心理的にも面倒だと感じるため、結果的に仮想通貨取引から離れていく要因にもなりかねないことを指摘しているわけです。

 

そのため少額非課税制度が導入されれば、仮想通貨取引の利用の促進にもつながっていくだろうと説明しています。

 

まとめ

仮想通貨業界の2大団体であるJCBAとJVCEAが、共同で提出した仮想通貨税率に対する要望書の内容やその背景についてご説明しました。

 

JCBAとJVCEAのwebsiteをみると要望書をまとめたことは明記されていますが、要望書をいつ、どこに提出するのか、またもう既に提出されているのかなどは記載されていません。

また仮想通貨メディアでも提出に関しては触れられていませんので、詳しいことは分かりませんが、要望書の内容が実現されれば日本の仮想通貨を取り巻く環境はかなり改善されるでしょう。

 

現在の日本の仮想通貨環境はただ厳しいだけであり、まるで「これまでにない面倒そうなものはともかく締め付けておく」という考えがあるようにしか映りません。

これでは国としての発展は難しくなってしまいます。

不正や犯罪を防ぐための厳しい規制は必要ですが、規制に従った正しい取引にはそれなりの税制で応えるべきではないでしょうか。

 

今回の要望書がどう扱われ、国はどのような判断をするのか、成り行きを見守りましょう。

 

海外の仮想通貨デリバディブ取引は、高水準のリスクを伴う投資であり、全ての投資家に適した投資ではありません。海外の高倍率のレバレッジは少額の資金で証拠金を上回る取引を行うことができますが、仮想通貨は急激な価格変動も多く、短期間に利益を出せる一方で、証拠金の大部分や全てを失ったり、取引額が証拠金を上回っていれば、証拠金額等を超える損失が発生するケースもございます。損失に耐えられない資金投資はするべきではなく、海外業者で仮想通貨FX取引を始めるにあたっては、投資目的やご自身の経験、リスクの許容範囲などを含めて慎重にご検討し、取引内容を十分にご理解いただいた上で、ご自身の責任と判断において取引を行ってください。

リスク警告

海外の仮想通貨デリバディブ取引は、高水準のリスクを伴う投資であり、全ての投資家に適した投資ではありません。海外の高倍率のレバレッジは少額の資金で証拠金を上回る取引を行うことができますが、仮想通貨は急激な価格変動も多く、短期間に利益を出せる一方で、証拠金の大部分や全てを失ったり、取引額が証拠金を上回っていれば、証拠金額等を超える損失が発生するケースもございます。損失に耐えられない資金投資はするべきではなく、海外業者で仮想通貨FX取引を始めるにあたっては、投資目的やご自身の経験、リスクの許容範囲などを含めて慎重にご検討し、取引内容を十分にご理解いただいた上で、ご自身の責任と判断において取引を行ってください。

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