Bitmainに続いてCanaan Creativeでも内紛勃発か
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- 2020.07.15.
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- Bitmainに続いてCanaan Creativeでも内紛勃発か
画像引用:Canaan.io
2020年6月13日のニュース記事「ビットコイン100万割れの原因となったマイナス材料とは」では、マイニングマシンメーカーの最大手であるBitmainの社内抗争がハッシュレートに影響を与えていたことをご説明しました。
Bitmainに続いて、今度はマイニングマシン業界2位のCanaan Creativeの社内でも内紛が起きているのではないかとの噂が流れています。
Canaan Creative社の内紛とはどのようなものなのでしょうか。
またこのような事態になってしまった背景にはどのようなことがあるのでしょう。
またこのことが、ビットコイン価格に与える影響などはあるのでしょうか。
このニュースについて、詳しくご説明しましょう。
Canaan Creativeの登記簿から取締役3人が削除
マイニングマシンメーカーとして世界第2位の規模を誇るCanaan Creativeの登記簿から、3人の取締役の名前が削除されていることが分かりました。
また削除されていたのは上記の3人だけでなく、長年同社の広報を務めていた人物の名前も削除されているとのことです。
登記簿から名前が消えた4人
Canaan Creativeの登記簿が更新されていたのは2020年7月6日で、名前が削除されていた取締役は以下の3人です。
共同会長であるJianping Kong氏
創業者でありCFOでもあるJiaxuan Li氏
非常勤取締役であるQifeng Sun氏
さらに上記の3人の取締役に加え、広報責任者であったSonghua Tu氏の名前も登記簿から削除されているとのことです。
登記簿から消えても名前が残っている2人
登記簿から名前が削除された取締役3人のうちの2人、共同会長であったJianping Kong氏、そして創業者でありCFOでもあったJiaxuan Li氏の両氏は取締役ではなくなったものの、Canaan Creativeの中核チームの一員として名前が残っていることが確認されています。
唯一残っている取締役
Canaan Creativeの登記簿から3人の取締役が削除されたため、現在Canaan Creativeの取締役として登記簿に名前が残っているのは、会長兼ゼネラルマネージャーであったNangeng Zhang氏だけとなりました。
しかしNangeng Zhang氏の肩書も、以前の会長兼ゼネラルマネージャーから専務取締役兼ゼネラルマネージャーへと変更されています。
計4人の名前が登記簿から消えた理由は社内抗争
3人の取締役と広報責任者の名前が登記簿から消えた理由について、中国メディアである财联社が報道しています。
画像引用:财联社
「2番目のビットメイン? Canaan Creativeの何人かの上級幹部が辞任し、インサイダーでは経営陣が権力を奪取するため、戦いました(Google翻訳)」と題された報道によると、登記簿に名前が残ったNangeng Zhang氏サイドと、Canaan Creativeの本社取締役との間で、意見の相違から社内抗争が起きていたとされています。
また意見の相違とは、Canaan Creativeの今後の長期戦略についてのことではないかとも述べています。
Canaan Creativeで内紛が起きた背景
マイニングマシンメーカーとして世界第2位の地位にありながら、今後の長期戦略が原因で内紛が起きてしまった背景にはどのようなことがあるのでしょうか。
Canaan Creativeは2019年11月21日に、米ナスダックに上場を果たしています。
上場時の株の公開価格は9ドルで日本円にするとおよそ980円でしたが、上場初日に付いた初値が12.6ドル、日本円にして1,370円でした。
まさに華々しく米ナスダックにデビューしたといえます。
米ナスダックに上場して迎えた最初の決算は2020年4月9日に発表されましたが、2019年度の売上高は2億430万ドルで、純損失が1億4860万ドルにも上ることが明らかになりました。
その結果、Canaan Creativeの株価は下落し続けていました。
また2020年5月12日にビットコイン半減期を迎えて以降、株価はさらに下落しており2020年7月12日時点で2ドルを下回るほど落ち込んでいます。
これはおそらく、ビットコインの半減期によってマイニング報酬が半分になってしまったマイナーが、最新型のマイニングマシンを購入しづらくなってしまったことが影響していると考えられます。
つまり華々しく米ナスダックにデビューしたものの、業績が低迷しており、今後企業としてどう戦略を立て直していくかが問われる事態に陥っていたということになります。
Bitmainの内紛のような影響はあるか
2020年6月13日のニュース記事「ビットコイン100万割れの原因となったマイナス材料とは」でお伝えしたように、Bitmainでは2人の共同創業者の間で内紛が起きています。
画像引用:Bitmain
世界最大のマイニングマシンメーカーBitmainの内紛は激しく、共同創業者の1人が受注を受け、なおかつ支払いも済んでいるマイニングマシンの配送をもう1人の共同経営者がストップしたばかりか、自分の顧客であるマイナーに販売できるよう働きかけていることが分かっています。
Bitmainの内紛では、マイニングマシンの支払いを済ませたマイナーが最新型マイニングマシンが届かないという被害を受けており、ハッシュレートにも少なからず影響があったはずです。
Canaan Creativeの内紛も、このような影響はあるのでしょうか。
中国メディアの報道によると今回の騒動はBitmainのような内紛ではなく、業績の悪化に伴う長期戦略の見直しによる意見の食い違いが、登記簿から取締役の名前が削除された原因のようです。
現状ではBitmainのような泥沼の内紛に発展する可能性は低いでしょうが、もしこの内紛が大きくなってしまうと、マイニング業界やハッシュレートに何らかの影響が及ぶことも考えられます。
その場合は、ビットコイン価格にも影響が出てくるのではないでしょうか。
今後マイニング業界で内紛が増える可能性も
今回のCanaan Creativeの内紛騒動は、それまでくすぶっていた業績悪化がビットコインの半減期を契機として噴出してきたものであるといえます。
ビットコインの半減期はサトシナカモトによってあらかじめ計画されていたことではありますが、マイナーにとってマイニング報酬が半分になってしまうという、非常に厳しいものです。
半減期を迎えたことで多くのマイナーが淘汰される可能性もあり、マイニングマシンメーカーにとっても厳しい環境になったということでしょう。
すなわち今後マイナーやマイニング関連業界で、似たような騒動が起きる可能性はあるということです。
まとめ
Canaan Creativeの登記簿から取締役3人の名前が削除されていたこと、そしてそのことに関連して、マイニングマシン業界トップのBitmainの内紛についても改めてご説明しました。
マイニングマシン業界のトップと第2位の企業がこのような事態を迎えるとは、誰が予想したでしょう。
ビットコインが半減期を迎えた今後は、このような揉め事がマイニング業界全体で増えてくるのかもしれません。
せめてその揉め事が、ビットコイン価格に悪影響を及ぼさないことを祈るばかりです。