マカフィー砲は方向転換すれども注目度は健在?
- ビットコイン
- 2020.06.04.
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- マカフィー砲は方向転換すれども注目度は健在?
画像引用:John McAfee Twitter
セキュリティソフト開発会社の元創業者であるJohn McAfee氏は、これまでさまざまなコインに言及することで仮想通貨業界を盛り上げてきました。
ビットコインの価格については、「2020年末に100万ドル(約1.1億円)になる」と2017年にツイートしています。
しかし2020年5月30日、100万ドルの予想は「ばかげたジョークだった」と態度を翻すツイートをしています。
マカフィー砲とも揶揄された氏の発言は価格に対する影響力が大きいとされていましたが、この手のひら返しともとれる発言は、もはや信頼できるものと受け取ることはできません。
本記事では、このコメントについての詳細に加え、これまでのビットコイン価格に対する発言の推移や過去に仮想通貨の宣伝するツイートをする場合、1件につき10万5000ドル(約1,160万円)を要求していたことなどについてもご説明します。
100万ドル予想をジョークと手のひら返し
2020年5月30日、John McAfee氏はTwitterで次のようにコメントしました。
私は、最も不自由な暗号技術であるビットコインが100万ドルに達すると予測した人です。
あなたはその中に馬鹿げたユーモアを見なかった人の一人ですか?
ホエールファッキングがサーフィンに取って代わり、ナンバーワンのウォータースポーツになると予測したのと同じ日に投稿しました。
目を覚まして!
引用:John McAfee Twitter Google翻訳
「ビットコインを“最も不自由な”暗号技術である」と否定し、さらに「馬鹿げたユーモアだったのに気づかなかったの?」と100万人のフォロワーに対してこけにするような発言をしています。
またツイート内の「ホエールファッキングがサーフィンに取って代わる」というのは「明らかなジョーク」ということを示しており、「明らかなジョークをツイートした日と同じ日にツイートしているのだから、わかるでしょ」といったニュアンスを込めています。
そして上記のツイートに返信する形で下のコメントを出しています。
ビットコインが100万ドルに達した場合、その時価総額は北米大陸全体のGDPより大きくなります。
そのようなナンセンスを信じるのはどんなバカなの?
引用:John McAfee Twitter Google翻訳
ビットコインが100万ドル(約1.1億円)になったとき、ビットコインの総時価総額は21兆ドル(約2,310兆円)になります。
アメリカの2018年のGDPは20.6兆ドルなので、ほぼ同じくらいになるといえるでしょう。
このことを引き合いに出し、「ビットコインが100万ドルになるという主張はナンセンス」で「信じていた人はバカ」と切り捨てています。
フォロワーの反応
このツイートに対するフォロワーの反応には、次のようなものがありました。
もうあなたの言うことは信用できません!
引用:Dreesen Twitter Google翻訳
フォロワーは「信じた人が愚か」とバカにしたコメントがあったせいか、「もう信用しない」と怒りのコメントをしています。
その一方で、味方しているツイートも見受けられます。
いいえ、ジョン。 冗談じゃなかった 間違ったと認めても大丈夫です。
引用:AlSheepton Twitter Google翻訳
このコメントをした人は、2017年当時のJohn McAfee氏は本気で「ビットコインが100万ドルになる」と信じていたと確信している様子であり、「自分の予想は間違っていた」ことを認めることができないと推察しているようです。
2017年の「ビットコインが100万ドルになる」発言とは
態度を翻す発端となった「ビットコインが100万ドルになる」と主張したツイートとは、どういうものだったでしょうか?
最初に「100万ドルになる」とツイートしたのは2017年11月でした。
画像引用:John McAfee Twitter
2020年末までにビットコインを500,000ドルと予測したとき、2017年末に5,000ドルと予測したモデルを使用しました。BTCは私のモデルの想定よりもはるかに速く加速しています。
私は今、2020年の終わりまでにビットコインが100万ドルになると予測しています。
引用:John McAfee Twitter Google翻訳
このツイートをした2017年11月30日は、ちょうど仮想通貨バブルの頂点に向かう直前でした。
ビットコインは11月の1ヶ月で約50%値上がりし、10,223ドル(約113万円)を突破。
どんどん値段が上がるビットコインに、注目が集まっていた時期でした。
そして2019年2月には、2度目となる「ビットコインが100万ドルになる」を主張しており、前回のツイートで言及していなかった日付に関して「2020年12月31日までにビットコンが100万ドルになる」と述べています。
人々はビットコインが100万ドルになるという事実に目覚めています。
しかし、いつですか?
「いつか」。 「たぶん5年」。 「10年以内」。
難しい日付をお知らせするのは私だけです。2020年12月31日です。
引用:John McAfee Twitter Google翻訳
2020年に入ってからビットコインに批判的に
ビットコイン推しだったJohn McAfee氏の発言は、2020年に入ってから一転しています。
たとえば2020年1月のツイートでは、ビットコインについて「プライバシー機能やスマートコントラクト、dApp作成機能がない、クソコインである」という旨のコメントをしています。
「クソコイン」という言葉を考えたのが、ビットコイン至上主義者でも他のコインの崇拝者でもどちらでもかまいません。
素晴らしいものではあった。
しかし、暗号通貨の未来はアルトコインにかかっていることは誰もが知っています。
ビットコイン-
古い、ださい、セキュリティなし、スマートコントラクトなし、DAPPなし…
真のクソコインです。
引用:John McAfee Twitter Google翻訳
ツイート内容がビットコインに対して批判的に変化してきたのは、100万ドルになるとした期日である2020年12月が近づいてきたため、批判的な態度を示すことでフォロワーからの追求をかわそうとしたのかもしれません。
お金をもらって宣伝していたことも
2018年3月に入ると、John McAfee氏は自ら、仮想通貨のプロモーションを行うとツイートしました。
最後に、プロモーションのツイートの仕組みを書き留めました。
それは私たちにとって自己拡大し、自我を撫でることですが、ICOを計画している、コインを後押ししようとしている、または最新のプロジェクトに光を当てたい場合は、私たちの腫れた自我を見落として、以下を参照してください。
https://mcafeecryptoteam.com/effect.html
引用:John McAfee Twitter Google翻訳
このツイート内のリンク先のサイトは現在閉じられていますが、アーカイブを見ると、「マカフィー氏のツイートが仮想通貨の購買層にリーチしているため、仮想通貨プロジェクトのプロモーションに使える」とし、「プロモーションの詳細についてはお問い合わせください」とありました。
さらに、1ツイートあたり105,000ドル(約1,160万円)かかることも明記されています。
個別のツイートは、マカフィー氏の声で作成されたものでも、当社の製品を宣伝している会社によって作成されたものでも、1ツイートあたり105,000ドルかかります。
引用:McAfee cryptoteamアーカイブGoogle翻訳
過去にJohn McAfee氏が特定の仮想通貨についてコメントすると、その仮想通貨が買われ、値段が高騰することがたびたびありました。
たとえば2017年12月、「SAFEXというコインがポートフォリオの大半を占めている」とツイートすると、SAFEXの価格は92%もの高騰を見せています。
この「お金をもらって宣伝」することに対して、「お金のためにツイートしていたのですね」や「本当に成功するプロジェクトを紹介していると信じていた」などの残念がるコメントが
ついていました。
まとめ
John McAfee氏がビットコインに対して批判的になった理由が、本当にビットコインに失望しているからなのか、それとも何らかの思惑があるのかは不明です。
しかし費用をもらってツイートをする、すなわちビジネスにしているとなると、氏の言葉に説得力は無くなり、うのみにするのは危険なものになっていきます。
John McAfee氏の発言は2018年頃と比べると、影響力はなくなってきています。
しかしこのように発言がニュースになり、多くの人にビットコインを印象付け、再確認させる効果は期待できるのかもしれません。
その意味では、John McAfee氏の賑やかしともいえるTwitterは有効であり、楽しむものとして捉えておくべきなのでしょう。