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日本の仮想通貨FX取引環境は今後も改善せず

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  • 2020.06.05.

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2020年5月1日から改正資金決済法が施行され、日本の仮想通貨における証拠金取引レバレッジは最大2倍が適用されるようになりました。

また以前から問題視されている、仮想通貨取引で得た利益に対する税制も改善されることなく継続されています。

 

これら日本の仮想通貨に関連した法令の現状に対して疑問を抱き、取引環境を正常化しようとしている日本維新の会の音喜多駿議員が、2020年6月2日の参議院財政金融委員会で上記の2点について質問をしました。

音喜多駿議員の仮想通貨税制に対する取り組みについては、2019年12月11日のニュース記事「音喜多駿議員が仮想通貨税制改革プロジェクトを立ち上げ」内でもご説明しています。

 

その回答からは、日本での仮想通貨FXを含めた仮想通貨取引環境は今後も改善していかないであろうことが読み取れてしまいます。

 

喜多駿議員の質問とそれに対する回答とはどのようなものだったのでしょうか。

このニュースについて、実情も交えながらご説明しましょう。

 

 

国内の証拠金取引レバレッジは全て2倍へ

2020年5月1日から施行された改正資金決済法によって、日本における仮想通貨の証拠金取引ではレバレッジの上限が最大2倍と決められました。

この改正案に際してはパブリックコメントも募集されており、反対意見も多かったはずですが、改正案のまま施行という運びになっています。

 

以下の画像は改正資金決済法に基づき、仮想通貨取引の自主規制団体JVCEAが会員企業向けに掲載している文書です。

JVCEA 暗号資産関連デリバディブ取引に関する規則

画像引用:JVCEA 暗号資産関連デリバディブ取引に関する規則

 

この文書の中に以下の附則が記述されています。

 

第1条 業府令の施行の日から起算して1年を経過する日までの間、第4条第1項第1号の場合の約定時必要預託額は、当該顧客が行おうとし、又は行う暗号資産関連デリバティブ取引の額に100分の25を乗じて得た額とする。

引用:JVCEA 暗号資産関連デリバディブ取引に関する規則

 

これは2021年4月30日まではレバレッジ4倍でも大丈夫ですが、それ以降は2倍に変更しなければなりませんということです。

つまりレバレッジ4倍で証拠金取引ができるのは、もう1年も残されていないということです。

 

音喜多駿議員の金融庁に対する質問

音喜多駿議員はまず金融庁に対して、今回の改正資金決済法に関する質問を2つ投げかけており、この質問に対して回答したのは金融庁企画市場局長の中島淳一氏でした。

 

実務者がいない中での議論について

音喜多駿議員の質問のひとつが、金融庁が仮想通貨の証拠金取引におけるレバレッジを2倍に引き下げることに至る議論をした「仮想通貨交換業等に関する研究会」には、仮想通貨取引や証拠金取引の実務者がほとんど出席していない点、さらにこの参加者だけでは十分に議論ができていない可能性があることを指摘しました。

 

中島局長は、「仮想通貨交換業等に関する研究会」には仮想通貨や金融における学士や研究者だけでなく、仮想通貨交換業や外国為替交換業などの業界団体を含めた人々に参加してもらっていたこと。

またレバレッジに関しても、決定する前段階でパブリックコメントを求めるなどの段階を経ていることを説明しています。

 

反対意見や資金の海外流出について

上記の中島局長の説明に対し音喜多駿議員は、レバレッジ2倍規制にはパブリックコメントで多くの反対意見があっただけでなく、仮想通貨業界団体や仮想通貨メディアでも反対する意見が非常に多かったことを述べています。

 

さらに証拠金取引のレバレッジを2倍に規制することは、海外の仮想通貨事業者に利用者が流れてしまうことになり、結果的に国内企業の資本力だけでなく仮想通貨関連サービスを低下させることにもつながっていくと指摘し、規制が過剰なものであると追求しました。

 

この意見に対して中島局長は、仮想通貨のボラティリティの大きさが法定通貨よりも遥かに大きいことを挙げ、実態に即した形で上限を設けることが適当であること、さらにEUにおいては、レバレッジが2倍に規制されていることも参考にしていると説明しました。

 

そして、1日あたりのボラティリティをカバーできる水準を導き出した結果、レバレッジは2倍という結論に至ったことを説明しています。

 

音喜多駿議員の麻生大臣に対する質問

次に音喜多駿議員は、金融担当大臣である麻生太郎氏に仮想通貨の税制に対する質問をおこなっています。

 

現在の日本の仮想通貨税制では雑所得となっていることから、最大税率が55%となってしまうのは国際水準から大きくかけ離れており、分離課税や損益通算、繰越控除など、金融庁が税制改正を要望すべきであると述べました。

麻生太郎オフィシャルサイト

画像引用:麻生太郎オフィシャルサイト

 

この質問に対し、麻生大臣はいきなり暗号資産の「暗号」という名前が怪しいため、音喜多駿議員が推進したいのであれば、ステーブルコインのような日本語を使ったらどうかという主旨の発言をしました。

 

そして、その後に税制ついての回答をおこない、現在の日本の全金融資産1,900兆円のうち900兆円が現金による預金であり、暗号資産の税制改正をおこなうということは一般家庭に暗号資産を勧めることになってしまうと説明し、現在の状況では税制改正は難しい旨を回答しました。

 

仮想通貨関連の取引環境は今後も改善しない

仮想通貨証拠金取引のレバレッジ2倍規制と税制改正について、音喜多駿議員が質問した内容、そしてそれに対する回答をご説明しました。

 

レバレッジ規制については、日本の法の下では海外の仮想通貨FX会社のように追証なしの仕組みを作ることはできません。

すなわち証拠金を上回る損失が出た場合には、必ず追証が必要になるということです。

 

そのため、利用者保護の観点を重視すると、レバレッジは低く抑えてある方が安全ということには一理あるといえます。

ただしその低さについて、2倍が適当かどうかは別問題です。

 

音喜多駿議員が指摘したように、日本における仮想通貨証拠金取引は全く魅力のないものになってしまうため、今後は海外の仮想通貨FX会社に顧客が流れてしまうことは、止めようがないでしょう。

 

また仮想通貨の税制改正に関しても、税制を改正することと、仮想通貨への投資を薦めることは全く次元の異なる話です。

しかもレバレッジ2倍規制ではEUを例に挙げているにもかかわらず、税制については課税に消極的な国もあるEUのことを無視した回答をしています。

 

これはすなわち、税制改正をするつもりは今後も一切ないということであり、日本における仮想通貨FXの取引環境は今後も改善する見込みはないといえるでしょう。

 

まとめ

日本の仮想通貨FX取引環境は、今後悪くなることはあっても、良くなることはないことがお分かりいただけたでしょう。

つまり日本国内の仮想通貨FX会社を使って取引していても、何のメリットもないわけです。

 

それでもなお日本の仮想通貨FX会社を利用する意味があるとすれば、それはおそらく安全性や信頼性を重視しているということでしょう。

しかし海外の仮想通貨FX会社にも、安全性や信頼性の高いBybitのような取引所が存在しています。

 

今後の仮想通貨FX取引では、海外の仮想通貨FX会社の中からより信頼でき、少しでも効率的に利益を出すことができる会社を見つけることが重要だということです。

 

もちろん音喜多駿議員には、現在の日本の仮想通貨税制を少しでも改善できるよう、引き続き努力していただくことに期待しましょう。

 

海外の仮想通貨デリバディブ取引は、高水準のリスクを伴う投資であり、全ての投資家に適した投資ではありません。海外の高倍率のレバレッジは少額の資金で証拠金を上回る取引を行うことができますが、仮想通貨は急激な価格変動も多く、短期間に利益を出せる一方で、証拠金の大部分や全てを失ったり、取引額が証拠金を上回っていれば、証拠金額等を超える損失が発生するケースもございます。損失に耐えられない資金投資はするべきではなく、海外業者で仮想通貨FX取引を始めるにあたっては、投資目的やご自身の経験、リスクの許容範囲などを含めて慎重にご検討し、取引内容を十分にご理解いただいた上で、ご自身の責任と判断において取引を行ってください。

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