仮想通貨分析企業がビットコインに強気の理由説明
- ビットコイン
- 2020.05.19.
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- 仮想通貨分析企業がビットコインに強気の理由説明
2020年5月12日に半減期を迎えたビットコインは、2020年5月19日の夕方現在103万円台を推移(tradingviewBTCJPYデータ)しています。
今回の半減期はビットコインにとって3回目のものでしたが、今後ビットコイン価格はどう推移していくのでしょうか。
今後大幅に高騰していくという説がある一方で、値下がりを警戒する報道がされているなど、諸説あるのが現状です。
そんな中、米の仮想通貨分析企業が今後のビットコインについて非常に強気の発言を示すとともに、その理由についても発表しています。
この発表について詳しくご説明しましょう。
分析企業のビットコイン強気の根拠レポート
ビットコインに対して常に強気の発言を繰り返していることで知られる「ポンプ」ことAnthony Pompliano(アンソニー・ポンプリアーノ)氏が取締役として参画している仮想通貨分析企業Delphi Digital社が、2020年5月付けで「State of Bitcoin 2020(ビットコイン2020の状態:Google翻訳)」と題したレポートを発表しました。
このレポートは、ビットコインが2020年5月12日に3回目となる半減期を迎えた記念に調査分析されたものをベースに作成されています。
Delphi Digital社の分析によると、ビットコイン市場はこれまでにないほど強気であることが読み取れ、同社の共同設立者でありながら国際的投資プロフェッショナル資格を持ち、認定オルタナティブ投資アナリストでもあるYan Liberman(ヤン・リバーマン)氏も、そのレポートの重要ポイントについて16もの連続したツイートを投稿しています。
画像引用:Yan Liberman Twitter
ビットコイン保有量からみた市場トレンド
Delphi Digital社はまずビットコイン保有量の変化として過去の保有割合だけでなく、新規保有者のデータなども含め、市場トレンドを把握する方法をとっています。
小口ウォレットについて
そしてトレンド分析の結果、10BTC未満を保有している小口ウォレットについて2015年には6.12%であったものが、2020年現在は14.3%に増えていることを挙げています。
つまり、小口ウォレットで保有するビットコインのボリュームだけでなく、ウォレット数も増えているということです。
大口ウォレットについて
小口ウォレットだけでなく、1,000~10,000BTCを保管している大口ウォレットについてもその保有量やウォレット数が増えていることを指摘しています。
またこれらの大口ウォレットにおける保有量の増加要因としては幾つかのものが考えられ、仮想通貨取引所に移動したケースや、利用者が所有するビットコインを近年増えてきているカストディアン企業に移したケース、そしてクジラと呼ばれる仮想通貨大口保有者がビットコインを今まで以上に蓄えている可能性を挙げています。
大口の保有量増加はクジラが要因か
上記の「大口ウォレットについて」の項で記述した大口ウォレット保有量の増加要因のうち、Delphi Digital社はクジラによる仮想通貨保有量が増えていることが原因ではないかとの見方をしています。
その理由として挙げているのが、仮想通貨取引所におけるビットコイン保有量はそれほど変わっていない点、さらに大口ウォレット全体のBTC保有量は50万BTC増えていることに加え、大口ウォレット口座数も250以上増えていることです。
また、カストディアン企業ではマルチシグアドレスを利用していることから、そこに移動されているBTC量は16万BTCにしかならないことが判断でき、消去法で考えるとクジラが今まで以上にビットコインを蓄えているのではないかとしています。
さらに注目すべき点として、2020年に入り仮想通貨取引所が保有しているビットコインはおよそ25万ドル相当が減少しているにもかかわらず、1,000~10,000BTCを保有しているクジラのウォレット口座数は2019年に大幅に増え、2020年にはほぼ横ばいの状態が続いていることを挙げています。
これはすなわちクジラによるビットコイン保有量が増えていることをあらわしているのだと主張しています。
Delphi Digitalが強気の理由とは
さらにYan Liberman氏は、今現在のビットコインの保有構成と2016年の2回目の半減期前とを比較し、非常に似ていることを指摘しています。
画像引用:Yan Liberman Twitter
現在のホルダーベースの構成は、2番目の半減期とほぼ同じに見えます。
BTC供給の59%は少なくとも1年以内に移動しておらず、これは2016年には58%でした。
BTC供給の27.8%は少なくとも3年間移動せず、2016年には27.1%
引用:Yan Liberman Twitter Google翻訳
これらに加えて直近の3ヶ月で移動されたビットコイン量はわずかに20%しかなく、この数値は2016年の2回目の半減期時より低いことから、ビットコインに対して強気である長期保有者がまだ保有を継続し続けていると分析しています。
そしてこの状況が、ビットコインのデリバディブ取引などに対して大きな影響を与えていると述べています。
またDelphi Digital社のレポート内では、新型コロナウイルスにおけるFRBなどの量的緩和政策によって米では負債対GDP比率が120%を超えてしまうこと、さらにこの比率は第2次世界大戦時の比率を超えてしまうことなどから、法定通貨に対するリスクが高まることを指摘しています。
そして法定通貨のリスクが高まると、投資家は資産を安全な逃避先に非難させようとするため、GOLDやビットコインに人気が集中するだろうと述べています。
ヘッジファンド重鎮の言動
これらの状況に拍車をかけているのが、ヘッジファンドマネージャーとして非常に著名なPaul Tudor Jones(ポール・チューダー・ジョーンズ)氏に関連した報道だとYan Liberman氏は説明しています。
Paul Tudor Jones氏が個人的にビットコインに投資することを発表しただけでなく、同氏設立のヘッジファンドであるTudor BVI Global Fundがビットコイン先物を「1桁台前半のパーセンテージ」で保有する可能性について2020年5月7日、Bloombergが報じています。
画像引用:Bloomberg
Paul Tudor Jones氏はヘッジファンド界での重鎮的存在であり、同氏が運営する慈善活動団体には著名人だけでなく金融業界の大物が多数参加しており、彼の言葉には非常に重みがあります。
また同氏が設立したTudor BVI Global Fundが投資家に対して送った文書の中では、ビットコイン先物を保有する可能性を言及していました。
つまりDelphi Digital社やYan Liberman氏は、ビットコインの現況だけでなく、取り巻く環境、さらに投資家として著名な人物がビットコインを重視し始めたことなどを踏まえ強気の発言をしているわけです。
そしてYan Liberman氏のTwitterには、以下の文章がツイートされています。
マクロの背景とPTJ(※Paul Tudor Jones氏のこと)のようなものからの投資/推奨を組み合わせれば、BTCに強気にならないことは困難になります。
引用:Yan Liberman Twitter Google翻訳
まとめ
仮想通貨分析企業であるDelphi Digital社のビットコイン半減期を契機とした今後についてのレポート内容に加え、同社Yan Liberman氏のTwitter内容から、ビットコインに強気になれる理由をご説明しました。
同社のポンプことAnthony Pompliano氏の発言はこれまで何度かご紹介してきましたが、彼の発言は多分に感情的で、思い入れが強いのだと感じさせる表現が多くありました。
しかしYan Liberman氏の発言は非常に論理的で、分かりやすく、多くの人を納得させるだけの説得力があるものです。
そしてYan Liberman氏のツイートにもあったPaul Tudor Jones氏の言動も、仮想通貨FXに取り組む人にとっても興味深いはずです。
今後ビットコイン価格はどのように推移するのか分かりませんが、長い目で見た時には上昇していく可能性が高いのかもしれません。
そして今よりも大きく上昇した際には、多くの人に資産として認められる時なのでしょう。
その時を楽しみに待ちましょう。