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研究はされども5年以内の発行には至らないCBDC

  • 仮想通貨関連
  • 2020.05.18.

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2019年に開発が発表された後、世界中から注目を浴び、他国も追随を始めたのが中国のデジタル人民元(CBDC)です。

 

デジタル人民元は既にリリース直前にまで開発が進んでいるとされ、現時点では本格的なテストが始まっているとされています。

このことは2020年4月23日のニュース記事「中国が5月からデジタル人民元の本格テストを開始」内でご説明した通りです。

 

この中国のデジタル人民元開発に触発されるように、世界中の各国がCBDCの研究や開発に力を注ぎ始めていることが報道されていますが、実際にはどれほど進んでいるのでしょうか。

数年以内に発行にまでこぎつける国はあるのでしょうか。

 

各国の中央銀行関連情報のメディアが、デジタル法定通貨の研究は各国の中央銀行で盛んにおこなわれているものの、5年以内に発行できそうな国はほとんどないと報道しています。

 

CBDCの実情とはどのようなものなのでしょうか。

詳しくご説明しましょう。

 

中央銀行関連情報メディアによるCBDC調査結果

開発や研究が進んでいるといわれている中央銀行発行のデジタル法定通貨について、計46ヵ国に対して調査した結果を中央銀行関連情報のメディアであるCENTRAL BANKINGが、2020年5月7日に発表しました。

CENTRAL BANKING

画像引用:CENTRAL BANKING

 

「中央銀行デジタル通貨調査2020 –いくつかの神話を暴く(Google翻訳)」と題された記事は、アジア・オセアニアエリアの7ヵ国と中東エリアの3ヵ国、欧州エリア19ヵ国、アメリカ・カリブ海エリアで10ヵ国、アフリカエリア7ヵ国の計46ヵ国の中央銀行を対象に実施した調査結果をベースにして書かれています。

 

CBDCに対する研究は多くの国が実施

調査の結果、全46ヵ国のうち65%の中央銀行がCBDCに対する研究をおこなっていることが分かりました。

そしてこれらの中央銀行は、金融の安定化やインフラ、マクロ経済などにどのように影響するのか、また課題はどこにあるのかなどについて研究成果を発表しています。

 

さらにひとつの中央銀行だけでなく、複数の中央銀行がワーキンググループを作り、研究を共同で進めているケースもあります。

日本でもスウェーデンやカナダ、英国などの中央銀行だけでなく、欧州中央銀行やBIS(国際決済銀行)とともに研究を進めていることが知られています。

 

その背景には、テクノロジーの発達が決済のあり方を大きく変えてしまったため、これらの技術を有する企業が銀行の立場をも揺るがす存在になっていることがあります。

またフェイスブックが提案している仮想通貨リブラなど、中央銀行の立場に影響を及ぼす可能性があるプロジェクトが出現していることなども背景にあります。

つまり中央銀行の立場を守り続けるためにも、CBDCを研究しなければならなくなったということなのでしょう。

 

ほとんどの中銀が初期段階の調査

CBDCについて既に研究をおこなっている中央銀行では、どの程度研究が進捗しているのかもCENTRAL BANKINGは調べています。

研究を実施している中央銀行の57%は未だ調査の初期段階であり、23%ではCBDCの概念を実証する段階まで進んでいます。

また13%は既にパイロット試験段階にまで進捗していることを明らかにしています。

 

パイロット試験段階まで進んでいる例としては、バハマ中央銀行の実例を紹介しており、

ブロックチェーンを活用したCBDCはすでに開発されていること、さらに2020年1月からは一部地域でテスト的に運用を初めており、今後別の地域でもテスト運用をおこなうことが決まっているとのことです。

 

発行には多くの障害が存在

では実際にCBDC発行について直近にということではないにしても、5年後などの中期的にでも実現できるのかという疑問に対しては、多くの中央銀行が否定的でした。

 

否定的な回答の理由として多かったのが、16%が挙げていた法的問題に関することです。

現行の法律において中央銀行は銀行券と硬貨だけしか発行できず、例えCBDCであっても発行するためには法改正が必要になってくるからです。

 

これ以外の理由としては、規制に関する問題や新しい技術に対する信頼度だけでなく、CBDC利用者のプライバシー保護に対する問題、セキュリティ面なども挙げられています。

 

ブロックチェーンは利用しない可能性

CENTRAL BANKINGの調査ではCBDC構築にあたり、71%の中央銀行がDLT(分散台帳技術)を利用するとし、残りの29%はDLTを利用しないと答えています。

DLTを利用しない理由としては、複数でCBDCの取引データを管理する場合にはプライバシー面とセキュリティ面で不安が生じることから、CBDCは中央集権的にデータを管理する方が良いと考えているようです。

 

また中央集権的にデータ管理をおこなうことを目指すのであれば、ブロックチェーン技術を導入する意味はなく、そのことからブロックチェーンを利用すると答えているのは1つの中央銀行だけにとどまっています。

 

さらにCBDC構築にあたっては、従来の中央集権型技術を利用することもできると指摘している中央銀行も存在するなど、どの技術を使うべきなのか、またどんな技術がCBDCに適しているのかは意見が分かれており、総意をみていない現実も明らかになりました。

 

これらのことから、CBDCに対する研究は各国の中央銀行が取り組んではいるものの、現状ではリリースに至るまでにまだ相当時間がかかることが明らかになっています。

 

DLTとブロックチェーン

DLTとはDistributed Ledger Technologyの略で、ブロックチェーンの特徴である取引における透明性やデータの共有しやすさ、監査のやりやすさなどだけに特化した概念である分散型台帳技術のことを指します。

つまりDLTはブロックチェーンの特徴をクローズアップしたものではありますが、DLT=ブロックチェーンではないということです。

 

まとめ

中央銀行関連情報のメディアであるCENTRAL BANKINGが報じた、46ヵ国の中央銀行におけるデジタル法定通貨CBDCへの取り組みと現状、そして今後の展望などについてご説明しました。

 

この報道をみた限りでは、早い段階でCBDCのリリースに至る中央銀行はほとんどないといえるでしょう。

ただしCENTRAL BANKINGの調査には中国は含まれていません。

中国では5月からデジタル人民元の本格的なテストが開始されているはずであり、世界で最も早くデジタル法定通貨をリリースするのは中国ということになる可能性が高いといえます。

 

中国のデジタル人民元は、その狙いとして国民の行動を把握するだけでなく、世界の基軸通貨である米ドルに対抗するために開発が進められてきました。

それが真っ先にリリースされるとなると、米にとっても大きな懸念事項になるはずです。

 

新型コロナウイルスの被害は、米中関係に再び大きな亀裂を生じさせましたが、中国のデジタル人民元がまたその対立を激しいものにしてしまうのでしょうか。

 

CBDCの今後だけでなく、米中関係の今後についても十分注意しておく必要がありそうです。

 

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