コロナ禍でもGOLDとビットコインはまだ高騰する?
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- 2020.03.26.
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- コロナ禍でもGOLDとビットコインはまだ高騰する?
新型コロナウイルスによる経済低迷によって、その不安感などから金融資産は大きく下落しました。
経済対策として各国政府や中央銀行は量的緩和策や財政支援策を打ち出し、それによる期待感も相まって、株式市場は乱高下が起こっています。
このような中、注目されているのがGOLDとビットコインです。
どちらも以前は安全資産であるといわれていましたが、新型コロナウイルスの感染拡大によって一時期は大きく値下がりした後、2020年3月26日現在は価格が上昇しつつあります。
このGOLDとビットコインがまだまだ上昇するという説が、現在注目されているのです。
この説の内容や根拠とはどのようなものなのか、詳しくご説明しましょう。
大幅な経済対策が投資家の恐怖心を和らげる
新型コロナウイルスの感染拡大によって引き起こされる経済の低迷が、金融市場を恐怖に陥れてしまい、資産を現金化する動きが加速しましたが、各国が積極的な経済対策を打ち出したことで投資家の恐怖心も和らぎ始めました。
経済対策のなかでも、特に米の経済対策は世界でも類を見ないほど大規模なものです。
労働者が休まざるを得ない場合の所得補償や税控除、中小企業への融資、給与税減税などに加え、2020年3月25日に実施が決定された対策は2兆ドル(日本円でおよそ220兆円)にも上るものです。
またFRB(米連邦準備理事会)も2020年3月23日、米国債やMBS(住宅ローン担保証券)を当面の間、無制限に買い入れることを表明しています。
これらを受け、金融市場に投資していた投資家の経済低迷に対する恐怖心が薄れたとされ、株式市場も価格上昇の兆しが見えているものの乱高下しており、投資家が経済対策発表の度に一喜一憂している様子が見て取れます。
ビットコインとGOLDは株と別の動き説
金融市場がこのような動きを示している中、ビットコインとGOLDは株式市場と連動しないデカップリング状態、すなわち切り離し状態になるとの説が注目されています。
この説を唱えているのはオンチェーンアナリストであるWilly Woo氏です。
Willy Woo氏はTwitterで、ビットコインが株式市場からのデカップリングすることについて、以下のようにツイートしています。
次の重要なイベントは、従来の市場からのBTC分離の確認です。
引用:Willy Woo Twitter Google翻訳
画像引用:Willy Woo Twitter
デカップリングの背景と理由について
金融市場から離れた投資家が再び金融市場に戻ってくるにもかかわらず、どうしてビットコイン市場が株式市場と連動しなくなるのか、その背景と理由についてご説明しましょう。
新型コロナウイルスの場合、感染の拡大によって経済状態の悪化は世界中に起こりました。
それゆえ、投資家が金融商品を現金化する動きが加速し、全ての金融商品の大幅な下落につながったわけです。
この状態は、投資家が「恐怖」を感じていた状態です。
投資家は強い「恐怖」を感じると、リスクの高い資産から手放していくのが一般的です。
そのためビットコインや株式が売られることになります。
しかし「恐怖」を感じる状態は、各国が実施する経済対策によって緩和され、価格が上昇しやすい資産から金融市場に再び参加してくるのが常です。
つまり「恐怖」から投資に対する「欲望」が盛り上がってくるわけです。
投資家の「欲望」は、その度合いが高いほど、リスクが高い資産に惹かれるとされています。
多くの金融商品を手放して現金化した投資家は、「欲望」の度合いが高いと考えられ、ボラティリティの大きなビットコイン市場に参入する条件が整っています。
Willy Woo氏はTwitterの中で、2008年に起きた金融危機と今回の新型コロナウイルスによる経済危機を比較しています。
画像引用:Willy Woo Twitter
上段のグラフは2008年の金融危機時のS&P500とGOLDの値動きをあわらしたもので、下段のグラフは新型コロナウイルスの経済危機におけるS&P500とGOLD、そしてビットコインの値動きをあらわしています。
どちらのグラフもS&P500は下落しているのに、GOLDは上昇しています。
つまり株式市場とGOLDはデカップリングされたということです。
また下段のグラフでは、ビットコインはGOLDと同じ動きをしています。
この様子から、GOLDとビットコインが株式市場からデカップリングしつつあるということが分かるでしょう。
GOLDに更なる高騰の可能性
GOLDとビットコインが、株式市場からデカップリングしつつあることは理解いただけたでしょう。
そしてもうひとつ、ビットコインが上昇する要素があります。
それはGOLDが今以上に高騰する可能性があるということです。
しかもGOLD価格とビットコイン価格は直近の12ケ月間、相関関係があることが分かっています。
つまりGOLD価格が上昇すれば、ビットコイン価格も上昇する可能性が高いというわけです。
ではGOLDが高騰する理由についてご説明しましょう。
GOLDが供給不足に陥っている
新型コロナウイルスの感染拡大によって、GOLDの現物価格は一度落ち込んだものの、現在では盛り返しつつあります。
これはそれだけ需要が高まっているということです。
以下のチャートは、2020年3月26日18時過ぎのGOLD現物価格USD3ケ月チャートです。
大きく落ち込んでから、再び価格が上昇に転じていることが分かります。
画像引用:Bullionvault 金地金USD 3ケ月チャート
投資家は経済対策によって恐怖心が和らぎ、GOLDを買い始めましたが、実はGOLDの精製所自体が平常時のように稼働していません。
新型コロナウイルスの感染拡大を防ぐため、大規模な精製所が一時的に閉鎖されているからです。
これはGOLDを買いたい人が多いのに、供給が追い付いていないということです。
こうなると、必然的にGOLD価格は今以上に高騰することが予想されます。
GOLDとビットコインの相関関係
GOLD価格とビットコイン価格の相関関係については、仮想通貨関連メディアであるThe Blockが「投資家がコロナウイルスの混乱から安全を追い求めているため、現物金は不足しています(Google翻訳)」と題したニュース記事内で言及しています。
以下のグラフは、GOLD価格とビットコイン価格の相関関係をあらわしたものです。
直近の12ケ月は両者の間に強い相関関係があることが見て取れます。
画像引用:The Block
GOLDに影響を受ける可能性がある仮想通貨
上記のことから、今後GOLD価格が上昇する可能性があり、さらに相関関係の強いビットコイン価格も上昇していくことが予想されます。
またGOLD価格が高騰して影響を受ける仮想通貨はビットコインだけではありません。
GOLDにペッグした仮想通貨であるステーブルコインも影響を受けるはずです。
現在GOLDにペッグされているステーブルコインは、2019年9月に認可されたばかりのPax Gold(PAXG)や、今後ローンチ予定の特定のゴールドバー現物にペッグするテザーゴールドが挙げられます。
今後、これらの仮想通貨に何らかの影響があることが予想されます。
まとめ
新型コロナウイルスの影響があっても、GOLDとビットコインは価格が上昇する可能性が高いことについてご説明しました。
もちろんこれらは理論上予想されるということであり、間違いなく上昇すると断言することはできません。
ただしGOLDとビットコインを取り巻く状況を見ていくと、かなりの確率で上昇することが予想されます。
ビットコインが誕生したのは2009年1月3日であり、誕生以降、初めて金融危機を迎えるわけです。
どのような動きになるのか、誰も確信が持てない状況だといえます。
今の時期に仮想通貨FXに取り組むのであれば、ビットコインチャートだけでなく、GOLD現物価格の推移や各国の経済対策の進み具合、新型コロナウイルスの感染拡大状況にも注意を払う必要があるでしょう。