参考にしたい機関投資家へのビットコイン投資レポート
- ビットコイン
- 2020.02.07.
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- 参考にしたい機関投資家へのビットコイン投資レポート
ビットコインに投資する人の数は、ビットコイン価格が高騰するほど注目が高まるため、価格高騰に伴って増えていくとされています。
2020年2月6日時点のビットコイン価格は105万台を推移しています。
2020年1月初めの70万円台の頃と比較すると、ビットコインに注目している人は確実に増えており、取引をする人も増えているはずでしょう。
では価格が上昇しつつあるビットコインに機関投資家は投資しているのかというと、現時点では注目しているものの、それほどビットコインに投資はしていないことが指摘されています。
ただし、2020年2月4日のニュース記事「整いつつあるトレーダーの仮想通貨市場への参入環境」でご説明したように、いつでも参入できる環境は整っているようです。
機関投資家がビットコイン市場になだれ込んでくると一気に価格は上昇することが予想されますが、仮想通貨FXを取引する人にとって気になるのは、いったいどんなタイミングで参入してくるのかということでしょう。
米投資管理会社が2020年1月に機関投資家に向けたビットコイン投資レポートを発表しています。
このレポートの中には、機関投資家がビットコイン市場に参入するにあたり、障害になっていることも紹介されています。
これはすなわち、この障害がなくなればビットコイン市場に参入しようと考えるということであり、仮想通貨FX取引の参考にできる内容といえます。
このレポートの詳細についてご説明しましょう。
米投資会社がビットコイン投資レポートを公開
米の投資会社であるVanEck社がビットコインの投資に関する戦略の一環として、ビットコインを投資対象としてどうとらえるべきか、また現状の分析や投資としての可能性などについてまとめた「The Investment Case for Bitcoin」(Google翻訳:ビットコインの投資事例)と題したレポートを自社のブログ内で発表しました。
画像引用:VanEck
内容は多岐に渡っていますが、その中でも注目すべきポイントに焦点を絞ってご説明しましょう。
ビットコインの位置付けとは
このレポートではビットコインの本質的な価値について言及しています。
つまり価格が今後上がるか下がるかなどではなく、資産としてどういう価値があるのかを明確にすることで、投資対象としての位置付けを考えようというものです。
そのためにまず2種類の価値の視点から見た時、ビットコインはどう分類されるのかを定義しています。
価値の視点はIntrinsic Value(本質的価値)とMonetary Value(金銭価値)に分類されています。
Intrinsic Value(本質的価値)はキャッシュフローを生み出すことができ、公に効用があるために存在しているものと定義されています。
具体的には株式や債券、不動産などに加え、トウモロコシや石油などの消費財などが含まれます。
一方Monetary Value(金銭価値)は本質的な価値がないものの存在している価値、もしくは本質的価値を超えた価値があるものを指します。
具体例としては、金や銀、ダイアモンド、米ドル、芸術作品などを指します。
そしてビットコインはMonetary Value(金銭価値)であると分類しています。
その根拠として挙げているのが希少性と耐久性、さらにプライバシー特製があることや無記名資産という点です。
また取引が成立する可能性の高さや容易に取引ができる点、偽造ができない点、希少性が高いものの市場に供給される量が充分予測できる点などを考慮すると、Monetary Valueの代表的な存在である金よりも優れた点が多々あると説明しています。
参入するのに躊躇してしまう理由とは
そして機関投資家がビットコイン市場に参入しようとしたときに躊躇してしまう点、すなわち機関投資家の参入の障害になっている点として、以下の5つを挙げています。
画像引用:VanEck
VanEckが挙げているのはビットコインの保管や管理をしてくれるカストディサービスが充実していない点。
そしてビットコインを運用してくれるプライムブローカーが十分ではないこと。
また株式や債券などの金融商品であれば売買成立後の清算や決済はクリアリング機構がおこなってくれるが、ビットコインに関しては決済まで自分でおこなわなければならないこと。
さらに取引に関する代行業務をおこなってくれる存在がないことなどを挙げています。
これらの障害になっているとしている点は、既に幾つかの企業が事業として運営を始めているものの、既存の株式や債券などの取引と比較してビットコイン取引に関しては未だ充実していないことを挙げています。
つまり、仮想通貨FXに取り組む人が機関投資家の市場参入タイミングを見計らうためには、今後これらがどのタイミングで充実していくかを参考にしておけば、ある程度の目安にできるということになります。
ビットコインの半減期とリターン
VanEck社のレポートは、ビットコインの半減期にも言及した内容になっています。
歴史的に、半分によって引き起こされる希少性の増加を考えると、ビットコインの価格はビットコインのライフサイクルの過程で半分になった後に上昇しました。
引用:VanEck Google翻訳
これは2020年5月に実施される次回のビットコイン半減期に価格が上昇すると説明しているわけではなく、過去の事例として上記のように紹介しているだけです。
つまり株や債券などにない、ビットコインの半減期の存在を機関投資家に紹介しているとみるべきかもしれません。
さらにビットコインの成長率は株や債券、金などと比較すると、短期的には以下のグラフのようにマイナス要素が顕在化することがあるものの、長期的な視点で見た場合には大きな利益を得ることができるとしています。
画像引用:VanEck
ビットコインの特性から見た今後の可能性
さらにレポートでは、ビットコインの特性から考えられる可能性についても記述しています。
それは株や債券、金などの一般的な金融資産とビットコインの価格に相関性があまり見られないという点です。
相関性があるとビットコインの投資対象としての位置付けが希薄になってしまいますが、相関性が低いということは、ビットコインは新たな位置付けの資産であり、投資のポートフォリオとして分散させる意味が出てくるということになります。
そのためレポートでは、投資ポートフォリオとして選択肢のひとつになり得ると結論づけています。
まとめ
機関投資家を対象にしたビットコインについてのレポート内容をご説明しました。
これまで、いつかは機関投資家がビットコイン市場に参入してくるといわれていましたが、参入する環境は整いつつあります。
投資会社が機関投資家を対象にしたこのようなレポートを発表すること自体、十分新たな投資対象になり得ると考えているからでしょう。
そして現在仮想通貨FXに取り組んでいる方にとって、機関投資家の参入は大きなチャンスともいえます。
そのチャンスを活かせるのは、いつ参入してくるかのタイミングを知ることに尽きます。
常にニュースを確認し、本文内でご説明した5つのポイントに関連したニュースには特に注意しておくことが、チャンスを掴めるかどうかを左右するのではないでしょうか。