音喜多駿議員が仮想通貨税制改革プロジェクトを立ち上げ
- 仮想通貨関連
- 2019.12.11.
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- 音喜多駿議員が仮想通貨税制改革プロジェクトを立ち上げ
画像引用:polipoli-web.com
日本の仮想通貨に対する税制が不条理であるとは、以前から指摘されていることです。
特に仮想通貨取引による利益が雑所得として総合課税対象となるのは、多くの仮想通貨取引をしている人にとって納得できない措置でしょう。
世界的に仮想通貨は大きな潮流になっているにもかかわらず、日本では仮想通貨に対する税制が厳しいためにこの潮流に乗れないと考え、税制改革を訴え始めたのが日本維新の会に属する音喜多駿議員です。
音喜多議員の主張とはどういうもので、どんな思いがあるのでしょうか。
またこのような税制改革を訴えた議員は初めてなのでしょうか。
音喜多議員の仮想通貨税制改革プロジェクトについての詳細をご説明しましょう。
音喜多駿議員が仮想通貨税制改革プロジェクト発足
日本維新の会の音喜多駿議員が日本を仮想通貨先進国にするため、政治コミュニティアプリPoliPoliで仮想通貨税制改革プロジェクトを発足しました。
スローガンは「規制改革を行い、日本を仮想通貨先進国へ!」となっており、日本の仮想通貨利益に対する税制の厳しさを改善することで日本を仮想通貨先進国にし、ブロックチェーン技術を発展させ、未来につないでいくことを目的としています。
画像引用:otokitashun.com
音喜多駿議員のプロフィール
1983年9月21日生まれ
東京都北区王子本町出身
早稲田大学政治経済学部卒
大学卒業後は化粧品ブランドで営業とマーケティングを担当
2013年6月の東京都議会議員選挙に立候補し初当選
2017年7月に都議会議員に二期目当選し、「都民ファーストの会東京都議団」初代幹事長に就任
2018年10月に「あたらしい党」を発足し、代表に就任
2019年7月に日本維新の会の公認とあたらしい党の推薦で参議院議員選に当選
政治コミュニティアプリPoliPoliとは
PoliPoliは2018年7月にベータ版としてリリースされ、2019年1月にリニューアルされた政治をテーマとするコミュニティアプリです。
身のまわりにある課題をプロジェクトとして投稿し、アプリ利用者からの共感を得られると、アプリに登録した政治家を招いて他のアプリ利用者とともに話し合いの場を設けることができます。
これまで政治に関心のなかった人たちや政治と距離のあった人たちの意見を吸い上げるだけでなく、実際に解決に向けた話し合いができるため、ベータ版リリースからわずか4ヶ月半ほどの期間で利用者は9,000人を超え、120人以上の政治家も参加しているアプリです。
音喜多議員の具体的改革案について
音喜多議員が仮想通貨の税制改革のポイントとして挙げているのは大きく4つになります。
それぞれについてご説明しましょう。
累進税率から分離課税へ
現在の日本の税制では、仮想通貨取引によって得た利益は雑所得となり、10%の住民税に加え、累進課税が課税されます。
そのため他の収入と合計した金額で税額が決定されますが、その税率は所得額によって15%から最大で55%(住民税の10%を加算した税率)に変動することになります。
もちろん所得額が大きいほど税率も高くなるように設定されています。
画像引用:国税庁
租税に求められるものは公平性と簡素性、そして中立性であり、それが税制の原則でもあるはずです。
しかし現在の仮想通貨FXを含めた仮想通貨取引の利益に対する税制は、株取引や通貨FXに対するものと比較すると、この原則が守られているとは言い難い状況です。
そのため音喜多議員は仮想通貨取引による利益を累進課税でなく、分離課税にするべきであると主張しています。
取引損失を繰り越せるようにする
現在の税制では、1年間の仮想通貨取引において損失が発生した場合でも、雑所得に分類されているために翌年に繰り越すことはできません。
しかし株取引で、同じように年間を通じて損失が出た場合には損失の繰越控除ができ、最大で翌年以降の3年間節税ができる仕組みになっています。
仮想通貨取引でも、年間を通じて損失が発生した場合にはその損失を繰り越せるようにするべきであると主張しています。
仮想通貨売買を非課税にする
現在は仮想通貨を売買する度に税金がかかる仕組みになっています。
例を挙げると、ビットコインを日本の法定通貨である円で購入し、そのビットコインでリップルなどに買い替えると、その度に税金がかかってしまいます。
しかも買い替えた毎に損益を計算せねばならず、買い替えること自体が面倒になってしまいます。
これでは仮想通貨取引そのものが減少しかねず、まして機関投資家のように売り買いを繰り返す場合には大きな障害となってしまいます。
結果的に現在の税制は仮想通貨だけでなく、ブロックチェーン技術の発展を妨げることにもなっています。
これらのことから、仮想通貨の売買の度に発生する税金を非課税にするべきであると主張しています。
仮想通貨での少額決済を非課税に
仮想通貨は実店舗での買物や飲食などに使えるケースも増えてきています。
しかし仮想通貨は購入した時の価格と使用した時の価格は異なることが多く、タイミングによっては価格が値上がりしていることも多いです。
もし実店舗で仮想通貨を使って決済した時、購入時よりも値上がりしていたら、利益確定と見なされ課税されてしまいます。
2020年の東京オリンピックを控え、キャッシュレス化は他国に比べて遅れている日本にとって急務のはずにもかかわらず、これでは仮想通貨を実店舗で使おうとは思えなくなってしまいます。
仮想通貨を使った少額の決済は非課税にするべきであると主張しています。
音喜多議員の仮想通貨に対する考え
音喜多議員は、日本は仮想通貨に対して過剰な規制を強いていると考えています。
これを正すには行政が仮想通貨や仮想通貨取引などに対して理解する必要があり、そのためも国会で関連した質疑をおこなっていきたい考えのようです。
また、これによって仮想通貨のさらなる普及と躍進につないでいきたい考えを持っているようです。
同じ主張は過去に請願書で国会に提出済
上記の音喜多議員の仮想通貨税制改革に対する主張は、2013年7月から2019年7月まで参議院議員であった藤巻健史氏が同様の内容で、請願書として国会に提出していました。
債券や株式、為替のトレーダーであり、経済評論家でもあった藤巻健史氏は、参議院議員として在職中から仮想通貨に理解を示しており、国会で麻生財務大臣や国税局に対して仮想通貨の税制改革の必要性を訴えていました。
そして2019年6月29日に、衆議院議長と参議院議長に宛てた仮想通貨に対する税制改正についての請願書を提出しています。
残念ながら、請願書は他会派の賛同を得ることができずに採択されませんでした。
藤巻健史氏は日本維新の会に所属していた議員であり、2019年7月に実施された第25回参議院議員通常選挙の比例区で出馬しましたが、次点で落選してしまいました。
音喜多議員も同じ日本維新の会に所属しています。
音喜多議員は藤巻健史氏の意思を継いで、仮想通貨に対する税制改正を目標にしているのかもしれません。
まとめ
音喜多駿議員が立ち上げた仮想通貨税制改正プロジェクトについてご説明しました。
音喜多議員はより多くの人々の声を取り入れ、大きな動きにしていくために政治コミュニティアプリPoliPoliを活用しています。
音喜多議員のこの動きによって、現在の仮想通貨税制を改革する必要性を多くの人が訴えることにつながり、税制改革だけでなくブロックチェーン技術も今以上に活用されていくことを願ってやみません。