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中国のデジタル通貨は11月11日発行ではない?

  • 仮想通貨関連
  • 2019.09.25.

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  • 中国のデジタル通貨は11月11日発行ではない?

仮想通貨取引を禁止している中国が、独自の仮想通貨を発行するのではないかと以前からいわれておりました。

このことは2019年8月6日のニュース記事「仮想通貨開発の動きを見せる中国中央銀行」でもご紹介したとおりです。

 

そんな中国のデジタル通貨が、11月11日にいよいよ発行されるのではないかとのニュースが流れています。

ただし中国側が正式に発表した情報ではなく、あくまでも報道機関がニュースとして流したものばかりであり、中国当局はこれらのニュースに反論しているようです。

しかし報道された内容を見ている限りでは、発行が間近であることの方が自然なように感じられます。

 

中国当局はこれらのニュースに対して、どのような反論をしたのでしょうか。

直近の中国のデジタル通貨についての情報を整理してみましょう。

 

デジタル通貨発行準備が整い大手企業も活用

米大手経済誌であるフォーブスが2019年8月27日、中国人民銀行は独自のデジタル通貨発行準備が整い、それに伴って大手企業7社にデジタル通貨を発行していくと報道しました。

なおフォーブスの情報源は、中国人民銀行(中央銀行)から独立した元従業員とのことです。

Forbes

画像引用:Forbes

 

デジタル通貨が発行されるのは中国銀行や中国工商銀行、そして中国発の巨大IT企業であるAlibabaとTencent、さらに中国での電子決済企業であり、中国銀行の傘下企業でもあるUnion Payなどであるとしています。

これら7社はデジタル通貨を総人口13億の中国全土の人々と、ビジネスで人民元を使っている人々に広く普及させるために選ばれたとしています。

また最終的にはこのデジタル通貨を、米国の人々が使えるようにしていくことも視野に入れていると説明しています。

 

なおこの報道の中で、デジタル通貨に用いている技術そのものは昨年から準備していたこと、2019年11月11日に発行する予定になっていることも報道しています。

 

中国側の報道に対する反論

上記のフォーブスの報道に対し、中国中央銀行の情報筋が反論していることを米仮想通貨ファンドマネージャーのDovey Wan氏がTwitterで述べています。

Dovey Wan Twitter

画像引用:Dovey Wan Twitter

 

同氏によると、フォーブスが報道した2019年11月11日に中国中央銀行が7つの大手企業にデジタル通貨を発行するとの内容に対して、日程や企業名などは事実ではなく、フォーブス側の勝手な憶測であるとしています。

 

環球時報によるデジタル通貨に関する報道

フォーブスの報道を受け、中国共産党機関紙「環球時報」の英語版メディアであるGlobal Timesが2019年9月22日付けで、中国のデジタル通貨についての報道をおこないました。

Global Times

画像引用:Global Times

 

報道内容は、2019年11月11日にデジタル通貨を発行すること、発行は7つの大手企業に対しておこなわれることは、どちらも「不正確な憶測」であるとしています。

また中国国民は報道に左右されることなく、公式発表に従ってほしい旨も付け加えられています。

 

中国人民銀行総裁が発行スケジュールを否定

2019年9月24日の記者会見の場で中国人民銀行の易綱総裁が、中国のデジタル通貨発行に関しては、スケジュールが決まっていないだけでなく、今後もマネーロンダリング対策を含めた研究や試験、評価に加えてリスク管理もおこなっていかなければならないことを述べました。

 

易綱総裁のこのコメントは、フォーブスが報道した2019年11月11日にデジタル通貨を発行するとした内容を、公式の場ではっきりと否定したことになります。

 

Global Timesがデジタル通貨の全体像を説明

上で紹介したGlobal Timesの報道には、中国が計画しているデジタル通貨の概要についても言及されていましたので、解説を交えながらご説明しましょう。

 

中国のデジタル通貨とビットコインのような仮想通貨との本質的な違いに留意し、PBCのデジタル通貨は州の信用に支えられた合法的なデジタル通貨であると述べました。

引用:Global Times 一部をGoogle翻訳

 

この「合法的」という言葉が示唆しているのは、現在の中国では仮想通貨取引が禁止されているにもかかわらず、水面下で取引をしている人が後を絶たないことや、今後も仮想通貨取引を認める可能性が少ないことを指していると考えられます。

 

新しいデジタル通貨は、現在の電子財布やオンライン支払いとも異なります。新しいデジタル通貨は、現在の人民元システムに置き換わるものではありません。声明によると、デジタル化された人民元です。

引用:Global Times 一部をGoogle翻訳

 

これはおそらく従来の人民元はそのまま流通させながら、新たにデジタル人民元を発行するということだと理解できます。

 

デジタル通貨の2プロングオペレーションシステムを導入し、集中管理モデルを採用し、PBCと商業機関の共同努力によるキャッシュサービスに現在のオペレーション構造を引き続き使用すると、声明は説明した。

引用:Global Times 一部をGoogle翻訳

 

これは以前から報道されていた、2層構造のことを説明しているのでしょう。

過去の報道から分かっていることは、中国独自のデジタル通貨は発行と人民元との交換をするために、中央銀行である中国人民銀行と一般の商業銀行を1つの層とし、もう1つの層を一般の商業銀行と一般の人々に設定しています。

 

この世界でも類がない2層構造の特徴は、送金の際に際立ってきます。

一般の人々と商業銀行との間では実名取引となりますが、商業銀行と中国人民銀行との送金に際しては、一般の人々から見ると匿名取引となります。

この構造が意味するところは、中国政府が「匿名性を保持しながらも管理できるようになる」ということです。

 

中国の新しいデジタル通貨は、現金のような流通に便利です。小売業においては少量で使用でき、日常生活での人々の支払いを容易にすることができると声明は付け加えた。

引用:Global Times 一部をGoogle翻訳

 

デジタル通貨は決して特別なものではなく、誰もが日常的に使うことができるものであることを訴えているのだと推測できます。

 

デジタル通貨はブロックチェーンを使えない?

中国との関係性が強く、太いパイプを持っているとされる仮想通貨取引所バイナンスが、2019年8月28日に中国中央銀行のデジタル通貨に関する報告書を公開しています。

BINANCE RESEACH

画像引用:BINANCE RESEACH

 

この報告書の中に興味深い内容が記述されています。

中国人民銀行では人口の多さなどから、1秒の間におよそ30万の取引を処理する必要があるが、2層構造はこの処理のために有効ではあるものの、ブロックチェーン技術では対応しきれないということです。

つまり今現在の技術ではこなしきれないというわけです。

そのため中国のデジタル通貨は、ブロックチェーン以外のスマートコントラクト構造を採用することも選択肢になる可能性があるとしています。

 

まとめ

中国の独自デジタル通貨が11日11日に発行される可能性は極めて低いことがお判りいただけたでしょう。

 

報道内容を見る限りでは準備は整っているものの、検証や制度的な面など、まだもう少し発行までには時間がかかるようです。

またデジタル通貨とはいっても、ブロックチェーン技術を使いたくても使えない現状もあり、どのような技術が用いられるのか興味が湧くところです。

加えて、現在の中国政府の仮想通貨取引に対する姿勢も、デジタル通貨が発行されても変わらず厳しいままかもしれません。

 

いつ発行されるのかは明確にはなっていませんが、このデジタル通貨発行が世の中の仮想通貨に対する認識を変える大きな契機になっていくのかもしれません。

 

海外の仮想通貨デリバディブ取引は、高水準のリスクを伴う投資であり、全ての投資家に適した投資ではありません。海外の高倍率のレバレッジは少額の資金で証拠金を上回る取引を行うことができますが、仮想通貨は急激な価格変動も多く、短期間に利益を出せる一方で、証拠金の大部分や全てを失ったり、取引額が証拠金を上回っていれば、証拠金額等を超える損失が発生するケースもございます。損失に耐えられない資金投資はするべきではなく、海外業者で仮想通貨FX取引を始めるにあたっては、投資目的やご自身の経験、リスクの許容範囲などを含めて慎重にご検討し、取引内容を十分にご理解いただいた上で、ご自身の責任と判断において取引を行ってください。

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