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中国裁判所でビットコインの財産権を認める判決

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  • 2019.07.20.

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2019年7月18日、中国の杭州インターネット裁判所がビットコインなどの仮想通貨に対して財産権があることを認める判決を下しました。

 

中国で仮想通貨を財産と認めた判決は初めてで、中国での反響は大きく、下がり始めていたビットコインの価格を再び上昇させたのはこの判決によるものではないかともいわれています。

 

このニュースの詳細に加え、中国で反響が大きくなった背景などについてもご説明しましょう。

 

ネット裁判所がビットコインを仮想財産として認める

中国における仮想通貨ビットコインの財産権について、その権利を侵害しているか否かを問う初めての訴訟が審理され、中国の杭州インターネット裁判所はビットコインを仮想財産として認める判決を出しました。

ビットコインに財産としての価値だけでなく、希少性があり、なおかつ処分が可能なことなどから、仮想財産として認めるべきだと結論づけています。

 

この裁判結果は、中国でのビットコインの位置付けを大きく左右する初めての判決であり、今後ビットコイン以外の仮想通貨についても同様の紛争が生じてくる可能性があります。

 

杭州インターネット裁判所とは

このニュースにある杭州インターネット裁判所とはどのようなものなのでしょうか。

 

正式名称は杭州インターネット法院で、インターネット関連の事件だけを審理するため、2017年8月18日に設立された裁判所です。

杭州インターネット法院 website

画像引用:杭州インターネット法院

 

中国ではインターネットが盛んで、ネットショッピングやクラウドコンピューティング、ビッグデータなどを活用したビジネスが普及しています。

それに伴って、インターネットを舞台にした紛争が多く発生しており、効率的にこれらの事件に対応するために設立されました。

杭州にこの裁判所が設立されたのは、杭州はインターネット産業が盛んで、インターネット関連企業の大手が集中しているためです。

 

杭州インターネット法院の大きな特徴は、インターネット上で提訴することができ、送達や証拠提出、判決、執行など、全ての手続きがオンラインで行えるという点です。

なお、杭州インターネット法院の判決に不服がある場合は、杭州中級人民法院に控訴する形になります。

 

インターネット上で手続きが完結する裁判所といっても、その判決は通常の裁判所が出した判決と何ら変わりありません。

つまり今回のビットコインを仮想財産として認めるべきであるという判決は、今後の同様の裁判においても大きな影響を与えるということです。

 

中国での仮想通貨規制について

中国は元々、ビットコインのマイニングでは世界のおよそ8割を占めるといわれるほどの規模がある仮想通貨大国でした。

 

しかし2017年9月にICOを禁止することでビットコインの取引所を実質的な禁止にし、続く2018年にはビットコインをマイニングする業者(マイナー)に対する規制も強化して、事業から撤退するように指示しています。

 

この規制の背景には幾つかの要因がありますが、最も大きな要因は資本流出を防ぐためです。

中国ではもともと銀行経由の外為送金や両替も規制されており、そこに仮想通貨が登場してきました。

人民元が自由にビットコインに換金されてしまうということは、中国の資本が流出しているのと同じことになってしまいます。

本来脆弱だった中国の金融インフラが、資本流出によって破綻してしまう可能性もありました。

 

またもう一つの要因としてマイニングが挙げられます。

中国はマイニング大国ではあったものの、マイニングの利益はほとんどが国外に流れており、しかもマイニングには膨大な電力が必要になります。

中国という国単位でみてみると、マイニングにメリットはないわけです。

 

これらのことから、中国は仮想通貨に対する規制を厳しくし、仮想通貨取引所までも閉鎖する方針に移行していました。

 

中国で大注目された今回の判決

実はこの裁判以前の2018年10月に、深セン国際仲裁裁判所においてビットコインなどについての権利訴訟判決が出されており、そこでもビットコインは財産であるとの認識を裁判所が示していました。

 

ただその裁判の結論は判決による執行などではなく、当事者同士が和解したものでしたので、大きな話題にはなりませんでした。

しかし今回の判決は中国本土で非常に大きな話題となり、中国の人気SNSであるWeiboとWechatで、この件について語られているのが多く見受けられました。

しかもその多さは、同じタイミングで公聴会が実施された仮想通貨リブラをしのぐ件数だったそうです。

どれほど多くの中国の人々が、この判決に注目していたのかが分かるでしょう。

 

ビットコイン価格の急上昇

上記の判決がニュースとして流れた後の2019年7月18日23:30頃から、ビットコイン価格が急上昇を始めました。

 

下の画像は、7月14日から19日までの5日間のBTCUSDチャートです。

TradingView BTCUSDチャート

画像引用:TradingView BTCUSDチャート

 

赤丸を付けてあるところが該当するチャートですが、7月18日の深夜、一気に上昇しているのが見て取れます。

わずか30分の間に9%高となり、前日比では10%高、日本円に換算すると110万円台にまで回復しています。

 

この価格急上昇には、中国での判決が好材料として大きく影響しているとの見方が大半を占めているようです。

すなわち、裁判所がビットコインを財産として認めたということは、これまで違法とされていたビットコインを保有することは合法であるという意味にとることができるわけです。

これがビットコイン価格の急上昇の一因とみられています。

 

ビットコイン価格が急上昇したもうひとつの要因として、同18日にフェイスブックの仮想通貨リブラに対する公聴会の様子が伝わってきたことも挙げられています。

 

公聴会では仮想通貨リブラが批判され、最終的な記者発表でもリブラには高い基準の規制が必要だと述べられました。

また公聴会では複数の議員によってビットコインが擁護されただけでなく、有識者がビットコインについての正しい解釈をし、それが議員に伝わっていたことも同時に報道されました。

つまり、公聴会でリブラは批判されたものの、ビットコインは擁護されたわけです。

これが報道されたことが、ビットコイン価格急上昇の一因にもなっているとみられています。

 

まとめ

中国で裁判所からビットコインの財産権が認められたのは、画期的な出来事といえます。

もしその影響でビットコイン価格が30分で9%上昇したのであれば、中国の仮想通貨に対する潜在的な影響力の大きさに驚かされます。

しかし今回認められたのは、ビットコインを保有することだけです。

仮想通貨取引をする取引所そのものを中国が認めたわけではありません。

 

また「杭州インターネット裁判所とは」の項で紹介したように、杭州インターネット法院の判決に不服がある場合は、杭州中級人民法院に控訴することもできるわけです。

事件の当事者が杭州中級人民法院に控訴し、そこで判決が覆る可能性も残されています。

その場合は、ビットコインを保有することも違法となる可能性もあるのではないでしょうか。

 

今後、中国における仮想通貨に対する規制はどうなっていくのか、注視する必要がありそうです。

 

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