テザー問題とは?経緯と市場に与える影響を徹底解説!
- 考察
- 2019.08.31.
- 仮想通貨FXブログ
- テザー問題とは?経緯と市場に与える影響を徹底解説!
仮想通貨にはいろいろな種類のものがあります。
多くの人に知られている仮想通貨といえばビットコインでしょう。
しかし数ある仮想通貨の中でも、これまでに最も多くの問題を引き起こしているのがテザー(USDT)です。
「テザー問題」は仮想通貨FXを取引している人は一度は目にしたことがあるはずですが、内容について理解している人は少ないのでは?
この記事では改めてテザー問題を整理するとともに、今後のテザーについても解説していきます。
テザーへの投資については正しい知識を身につけてから投資していきましょう。
テザー(USDT)とは?ビットコインとはどう違う?
テザー(USDT)とは、Tether Limited社によって2015年に発行されたペッグ通貨(ステーブルコイン)になります。
ペッグ通貨は通常の仮想通貨と異なり、他の通貨と価値が連動することで、価格変動することがなく1ドル(USD)が1USDTになるように一定の価値を保った通貨です。
ビットコインなどは価格が変動するため損失リスクがありますが、テザーは一定の価値を保つためリスクや不安を排除できます。
テザーのメリットは?仮想通貨と法定通貨の長所を併せ持つこと!
テザーのメリットとして、法定通貨の特性の価値が一定であるという点と仮想通貨の特性の時間の制限がないことや少額の手数料で取引ができるというメリットが上げられます。
今までの仮想通貨は資産による裏付けがないため、価値が変動することが問題でした。
逆に法定通貨は安定はしているものの、ユーザーにとってはATMの時間成約や1回の手数料が高いことなどが問題となっていました。
そういったデメリットをなくして、長所をうまく活用しているのがテザーです。
インドでは価格安定通貨(Stablecoin)は期待されていた
インドでは仮想通貨と銀行を結ぶ架け橋のような存在として、価値安定通貨が期待されています。
なぜなら仮想通貨を取り扱いを行う企業に対して、サービスの提供を禁止する法令が規定したことが背景にありました。
それによって銀行は投資家や取引所との関係を断つように命じられております。
しかし価値安定通貨は法令に引っかかっていないため、注文度が上がっておりました。
経済大国であるインドの動向は、仮想通貨の市場に大きく影響することでしょう。
テザー社とは?テザー問題にも関係のある3社も紹介!
Tether社は2015年に設立され、最高経営責任者(CEO)は現在ジャン・リュードヴァイカス・ヴァン・デァ・ヴェルデです。
オフィスは米国と香港にあり、2017年には約3100万ドル相当のテザーが盗まれたこともありました。
これからテザー問題について説明していきますが、その前にテザー問題について関係のある3社を紹介していきます。
テザー社と関係の深い3つの会社を紹介
テザー問題にはテザーを含めて4つの会社が深く関わっております。
このような関係図になっておりますので、1つ1つ詳しく説明していきますね。
iFinex(アイフィネックス )
テザー社とビットフィネックス社の親会社という関係です。
最近のニュースでは、2019年にアイフィネックスが保有する予定の10億ドルのトークン売却についてニューヨーク州から訴えられ、顧客資金の8億5000万ドルの損失を補ったニュースが新しいですね。
Bitfinex(ビットフィネックス)
ビットフィネックスは、香港を本社に置くアイフィネックスによって運営される取引所です。
過去には2015年と2016年に大きなハッキング被害が2回発生しており、現在はそれに伴ってセキュリティを強化した取引所になります。
Crypto Capital(クリプトキャピタル)
アイフィネックスから出資を受けている、ペイメイトサビースを行う会社です。
クリプトキャピタルは2013年にパナマで設立され、現在はスイスに本社を置いています。取引所のシャドーバンクのような存在です。
テザー問題とは?7つのステップで徹底解説!
テザー問題とは2018年に発生した問題で、「価格安定通貨にかかわらず、テザーの準備金が保証されていない」ということから問題に取り上げられました。
テザー社が取り扱っているため裏付けの証拠がなく、ビットフィネックスとテザー社で同調して価格操作を行っているのではと噂されるようになります。
詳細について、7つのステップを用いて解説しますので見ていきましょう。
①顧客からの要望に応えられなくなる
Tether社は顧客からテザーと米ドルとの交換の要望があれば、いつでも応える用意があると宣言していました。
しかし2018年10月にTether社と同じ親会社であるiFinex社の傘下にある仮想通貨取引所Bitfinexは、その要望に対応できませんでした。
画像引用:Bitfinex
利用者は、発行に応じて米ドルを確保しているのでは?と疑い始めます。
つまりTether社が好き勝手に発行できるテザーを使って、単に法定通貨である米ドルを入手するための手段にしていたのではないかという疑問です。
これに端を発し、2018年11月にはBitfinexに米ドルへの交換が殺到しますが、Bitfinexは出金に対して3%の手数料を要求しました。
それにもかかわらず出金が遅延し、その顧客にはCrypto Capitalが出金処理をしている旨のメールが届きます。
画像引用:Crypto Capital
②どうして顧客要望に応えられなくなったのか
ではどうして仮想通貨取引所Bitfinexは顧客の交換要望に応えられなかったのでしょうか?
裁判などで明らかになったことを含めてご説明します。
顧客の要望に応えられなかったのは、iFinex社の出資会社であるCrypto Capitalが9億ドルの損失を出したことが根本的な原因でした。
iFinex社としても出資している以上、ここで子会社であるCrypto Capitalに倒れられると困ってしまいます。
そこで子会社である仮想通貨取引所Bitfinexが、備えてあったテザーと連動する米ドルを損失補てんのために利用しました。
そして前述した2018年10月を迎えたわけです。損失を補填したBitfinexは、顧客からの要望に対応できなくなりました。
③訴えられたiFinex社とBitfinex社
仮想通貨取引所Bitfinexがテザーと連動するはずだった米ドルを流用し、準備金の不足に陥っている問題に対して、
2019年4月にiFinex社とBitfinexはNY州の司法長官であるレティーナ・ジェームズ氏によって訴えられました。
裁判ではテザーと連動する米ドルを移動したり配当に充てることを止め、情報提供するよう申し伝える令状が出されています。
同時に、準備金の米ドルを関連会社に対して融資することや提供することも禁止されています。
④弁護士が準備金は3/4しかないことを明かす
裁判の中で、テザー側の弁護士が衝撃的な事実を明らかにしました。
それは「テザーの準備金となる米ドルは3/4しか用意されておらず、ビットコインなどに投資されていたこと」を認めたのです。
つまり本来テザーと同等の米ドルが準備されていなければならないのにもかかわらず、3/4しか準備されていなかったということが明らかになりました。
テザーの準備金を投資家に開示することなく、さまざまな場面で使っていたようです。
⑤準備金の不足に対するテザー側の主張
弁護士が明らかにした、準備金が3/4しか用意されていないことに対するテザー側の主張は顧客に説明していたこととは全く異なるものでした。
仮想通貨テザーは米ドルが同額準備されていなくても、足らない1/4はクレジットで十分カバーできる。さらにビットコインなどで補っているので全く問題はなく、テザーと米ドルを同等にして保有しておく必要はないと答えました。
またテザー側の弁護士もこの主張に同調するように、レティーナ・ジェームズ司法長官がいうテザーと米ドルを同等に保有しなければならないという考えを否定しています。
⑥裁判は90日延長されることに
今回の裁判での本来の争点は、テザー側が自社の資金と準備金を同様に扱っていたこと、そして系列会社の損失を補てんするためにその資金を使ってしまったことにあったはずです。
しかしテザー側はこの裁判の争点を、仮想通貨取引所Bitfinexはニューヨーク州の法令が適用されるべきなのかどうかにすり替えてしまいました。
つまりニューヨークで営業していたかどうかを問う裁判にしてしまったのです。その結果裁判は90日延長され、2019年10月末までかかることになってしまいました。
⑦黒い噂も多いのに現在も活用されるテザー
本来テザーは、ステーブルコインとして世に出てきたはずです。顧客からの要望でいつでもテザーと米ドルを交換できるものだったはずであり、だからこそここまで時価総額を伸ばすことができたのです。
これまで説明した内容はもうすでに公開されている情報ですが、この情報だけでも十分にテザーの信頼は損なわれてしまったはずです。そしてこれ以外にもテザー側にはあまり良い噂はありません。
例えばテザーを大量に発行し、それでビットコインの価格操作をおこなっているという疑惑があります。
またテザーの価格そのものが以前と変わらないのに取引量だけが膨れ上がっているケースがありました。これは大量の売りがあったことに対し、テザー側が買い注文を入れることで相殺して価格を維持しているのではないかという疑惑です。
訴訟後の変化・影響を2つ紹介!テザー社はUSDTの説明文を変更!
テザー問題での裁判の訴訟後、テザー社には2つの大きな影響があったと言われています。
その影響に対して、今後どうなっていくのか気になるところです。
①テザー社がUSDTの説明文の表記を変更
テザー社は、訴訟後テザーの説明文を「テザーは100%ドルの裏付けである」から「テザーは100%準備金で裏付けられている」と変更していました。
これはステーブルコインとしての裏づけが全て米ドルだったものが、ビットコインなど他の通貨やその他の資産などの準備金によって裏付けられていることになったという意味です。
こうなると、ステーブルコインですが、USDTのリスクは増えたことを意味します。
②Bitfinexやその他事業への融資が禁止された
テザー社は他事業への融資が禁止されるようになった一方、テザーのリザーブを運用する許可は得ているようです。
テザーの米ドルリザーブは現在、発行量の75%ほどしかないです。ビットフィネックス側も今回の件に関しては、通常通り取引所としての運営は続けていくと宣言したしました。加えてさまざまな動きに対抗していくと話しています。
まとめ
テザーという基礎知識から、テザー問題の原因や今後について説明しました。仮想通貨テザーはペッグ通貨という信頼性から時価総額を伸ばしてきました。
しかし、テザー問題によって様々な疑惑がたち信頼性は崩れています。
ただ一方で現在も多くの人に支持をされていますが、大変危険な存在であること可能性は拭いきれません。
これをどう理解するかはテザーを利用する人々の考え方次第です。もし利用するのであれば、このような危険性があるかもしれないことを理解したうえで利用されることをおすすめします。
今後もペッグ通貨としてのテザーの動向には目が離せません。
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