仮想通貨に関するマルチ商法や詐欺に注意
- 考察
- 2019.07.30.
- 仮想通貨FXブログ
- 仮想通貨に関するマルチ商法や詐欺に注意
仮想通貨は、ビットコインが今年になってから大きく値上がりしたことや、多くの人が使っているFacebookが仮想通貨を発行しようとしているなどの報道もあり、非常に注目が高まっています。
仮想通貨についてあまり良く知らない人も、億り人と呼ばれる仮想通貨で大金を儲けた人の存在は耳にしたことがあるでしょう。
しかしこの仮想通貨を話題にしたマルチ商法や詐欺が横行していることはご存知ですか?
仮想通貨が話題になればなるほど、このようなマルチ商法や詐欺が多発してきます。
特に最近、国民生活センターには仮想通貨に関するマルチ商法について、多くの相談が寄せられているとのことです。
仮想通貨のマルチ商法や詐欺は、どのような手口で近づいてくるのでしょうか。
国民生活センターから「モノなしマルチ商法」への注意喚起
画像引用:国民生活センター
2019年7月25日に独立行政法人国民生活センターがwebsiteで、「友だちから誘われても断れますか?若者に広がるモノなしマルチ商法に注意!」というマルチ商法に関する注意を喚起する内容を発表しています。
マルチ商法とモノなしマルチ商法の違い
一般的にマルチ商法とは、何かの商品を販売するとともに組織への加入することを勧めることで、加入すれば紹介料をもらえる仕組みになっています。
そして新しく組織に加入した人がそれを繰り返していくものです。
商品そのものを売ることを目的とするのではなく、子会員を拡大して紹介料をもらうことが主な目的であり、商品代金はマルチ商法であることをごまかすための隠れ蓑に利用されるケースがほとんどです。
つまり何らかの商品が関わってきているわけです。
しかしモノなしマルチ商法には形のある商品がかかわってくることはなく、何らかの仕事や役割をする契約になっています。
例えば投資や仮想通貨、アフィリエイトなど、形がないものに金銭を出す必要があり、なおかつ子会員を拡大していく方法です。
モノなしマルチ商法の相談件数急増
国民生活センターに寄せられている相談は、2016年までは商品を購入することが契約条件になっているマルチ商法に対するものの方が多かったのが、2017年以降はモノなしマルチ商法に対する相談の方が増えています。
画像引用:国民生活センター 報道資料
これを見ると商品購入条件があるマルチ商法とモノなしマルチ商法の比率は2014年では76.5%:23.5%、2015年は62%:27%、2016年は57.3%:42.7%となっていましたが、2017年は47.6%:52.4%、2018年は47.9%:52.1%と逆転しています。
またこの表を見ると、モノなしマルチ商法で何らかの役務を契約してしまって相談している人のうち、29歳以下の人の割合も増えてきていることが分かります。
モノなしマルチ商法の具体例
ではモノなしマルチ商法とは具体的にどのようなものがあるのかをご紹介しましょう。
株を話題にした商法
マッチングアプリで知り合った人経由で、株の勉強会に入会を勧められる。
入会金は80万円で、勉強会参加メンバーを一人集めると30万円がもらえるといわれる。
勉強会は洗脳会の様相で、入会金を払っても契約書や領収書はもらえなかった。
株のデータについての詳しい説明などもない。
仮想通貨ウォレットのアフィリエイト
円やドルなどの法定通貨以外に仮想通貨も入金できるウォレットを広めるためのアフィリエイトで、入金して一か月後に配当があると説明される。
配当はコースによって変わり、21万円のコースでは80%の配当になるだけでなく、人を紹介すれば、その人のコース料金の10%も入ってくるとのこと。
お金を振り込んだが、おかしいと思い始めたので解約を申し出ると、社員ではないので対応できないといわれる。
不動産投資の配当が仮想通貨
昔の友人から連絡があり、会ってみると海外不動産への投資で、仮想通貨が配当としてもらえることや、投資のために借金をしても十分返せるだけ儲かること。
さらに他の投資者を紹介すると紹介料も入るといわれる。
教えられた通り、消費者金融で借金をして全額を渡したものの、契約書や領収書もなく、解約を申し出たものの半額しか返せないといわれた。
マルチ商法の特徴や傾向
モノなしマルチ商法を含め、マルチ商法には明らかに一般的な商習慣と異なる特徴や傾向があります。
それらについてご説明しましょう。
不安ややる気を煽る勧誘
誰でも将来に対する不安や自分自身の現状に対する不満があるはずです。
マルチ商法へ勧誘する際には、その誰もが持っている不安や不満などを解消するためにはこの手法が必要であると洗脳してきます。
その際、一人だけが説得するのではなく、複数の人間から同じことを言い続けられると、納得しがちになってしまいます。
利益が出る構造がよく分からない
モノなしマルチ商法では、目にすることのできる商品がなく、説明を受けても利益が出る構造が分からないという特徴があります。
また勧誘に際しても、人を紹介すれば数十万円の利益が手に入るなど、簡単なことのように話す一方で、具体的な契約内容についての資料や説明がないのも特徴です。
友人や知人を介して話がある
モノなしマルチ商法を含め、マルチ商法は友人や知人から勧誘があることがほとんどです。
それは警戒されずに話を聞いてもらうだけでなく、断りづらい状況を作るためでもあります。
また友人や知人以外に、マルチ商法の経験者が勧誘に同席することも多く見られます。
解約や返金の連絡先が分からない
マルチ商法で厄介なのは、契約してから解約や返金を申し出ようとしても、その連絡先がはっきりしないものがほとんどであることです。
また連絡先を知っていてもSNSだけというケースもあり、回答をはぐらかせられるなどすると大変厄介です。
仮想通貨を利用した詐欺
上記で説明したのは仮想通貨などに関連したマルチ商法やモノなしマルチ商法に関してですが、それ以外にも仮想通貨に関連した詐欺事件も起きており、国民生活センターに相談が寄せられています。
具体的にどのような手口の詐欺があるのか、その幾つかをご紹介します。
価格が下がらない仮想通貨がある
仮想通貨は値動きの大きさがリスクであり、魅力でもあります。
それにもかかわらず、扱っている仮想通貨は一定価格以上値下がりすることはありませんと売り込んでくる場合があります。
そんな仮想通貨はあり得ません。
特別な仮想通貨を扱っている
他の取引所で扱っていない仮想通貨を扱っている、価格が将来的に暴騰する仮想通貨を扱っていると代理店を名乗って売り込んできた場合は、要注意です。
仮想通貨取引所で取引きしていない仮想通貨はリスクが高いだけでなく、将来暴騰することが約束されている仮想通貨など存在しません。
しつこく強引な販売
あまりにしつこく、強引に購入を進めてくる場合には注意が必要です。
この場合は売り込んでいる本人に何らかのメリットあるケースがほとんどで、単なる仮想通貨取引ではないことが考えられます。
仮想通貨の最低購入額が高額
仮想通貨の取引は、取引所によって多少異なるものの、本来は少ない金額でも購入することが可能なものです。
それに対して、最低購入金額を数十万以上の高額で伝えてくる場合には、詐欺を疑う方が良いでしょう。
買取保証付きの仮想通貨販売
例えば100万円で仮想通貨を購入してくれれば、いつでも100万円で買い取ることを保証しますといってきたなど、購入額と同じ金額で買い取りするという話には詐欺の疑いが濃厚です。
購入金額と同じ額で買い取りしてくれる業者など存在しません。
モノなしマルチ商法や詐欺に騙されないために
仮想通貨に関連したモノなしマルチ商法や詐欺についてご説明しました。
この内容を読まれた方は、自分はこんなことに引っ掛かるわけはないと思われるかもしれません。
しかし油断は禁物です。
冷静な状態で判断すれば、明らかに怪しいと思ってしまうものであっても、もし仲の良い友人から言われればどう思われますか?
少し妙だなと思ったとしても、友人の勧めだからと信じてしまう可能性は捨てきれないはずです。
しかしこれらの話に引っ掛かってしまうのは、仮想通貨に対する知識が少ない人がほとんどではないでしょうか。
知識が備わっていれば、これらの被害は防ぐことができたかもしれません。
仮想通貨について十分な知識を持っているにも関わらず、それでもマルチ商法ではないか、詐欺ではないかと思った時には、迷わず国民生活センターに相談してみましょう。
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