仮想通貨への若者たちの関心度は?受け入れられている?
- 考察
- 2019.07.16.
- 仮想通貨FXブログ
- 仮想通貨への若者たちの関心度は?受け入れられている?
仮想通貨は以前と比べて加速度的に変化しつつあります。
ビットコイン価格が急騰しただけでなく、これまで慣れ親しんできたフェイスブックやLINEなどが仮想通貨に参入しようとしていること、海外では国そのものが仮想通貨を発行しようとしていることなど、多くの仮想通貨に関連したニュースを目にすることも多いでしょう。
ではこれらの報道を目にした若者たちに、仮想通貨はどんな風に映っているのでしょうか。
また仮想通貨は彼らに受け入れられているのでしょうか。
10代や20代の若者たちに関して非常に興味深いデータがあります。
若年層を対象にしたアンケートメディアであるTesTee(テスティー)が仮想通貨や電子マネー、資産運用に関するアンケートを実施しており、その結果報告がありました。
これらのデータを説明しながら、若者たちの仮想通貨に対する意識を探ってみましょう。
TesTeeによるアンケート調査
TesTee(テスティー)は、スマホアプリを利用して中学生や高校生、大学生だけを対象にした調査を実施している会社です。
中学生なら一日で1,000件、高校生なら一日4,000件のアンケートが実施できるそうです。
同社のwebsite内にオープンにされているデータがいくつかあり、仮想通貨に関連しそうなアンケート調査をピックアップしてみました。
1.暗号資産に関する調査
仮想通貨に対する認知や保有に関して、また普及に関してのアンケート調査結果です。
2.貯金や資産運用に関する調査
貯金の有る無し、どのぐらい貯金しているのか、資産運用に関するアンケートを実施しています。
3.電子マネーに対する調査
電子マネーを所持しているかどうかとその変化、どんな電子マネーを使っているのかなどのアンケートです。
これら3つのアンケート結果の中から、仮想通貨に関連性が深いと思われる事項のみをピックアップしてご紹介しましょう。
1.暗号資産に関する調査
アンケートは20代の男女に限定し、男性は1,001人、女性が1,051人の計2,052人で実施されました。
仮想通貨に対する認知率
仮想通貨を知っているかどうかの質問に対する回答は以下のようになっています。
○知っている:男性(47.8%)、女性(33.4%)
○詳しくは知らない:男性(31.4%)、女性(41.2%)
仮想通貨の保有率
上記の「仮想通貨について知っている」人に、仮想通貨を持っているかどうかの質問をした結果は以下のようになっています。
画像引用:TesTee.Lab.
仮想通貨の普及予想
仮想通貨(暗号通貨)について「知っている」もしくは「聞いたことがある」と答えた人に、今後日本でも決済方法として広まると思うかを質問した結果は、以下のようになっています。
画像引用:TesTee.Lab.
仮想通貨に対するアンケートで読み取れること
仮想通貨(暗号通貨)に対するアンケートで読み取れることは、女性よりも男性の方が仮想通貨に対して認知率が高く、理解も進んでおり、ポジティブにとらえていることが分かります。
また今後、仮想通貨による決済も今以上に広まっていくと考えていることが分かりました。
2.貯金や資産運用に関する調査
このアンケートは「1.暗号資産に関する調査」と同じタイミングで実施されたため、回答者は同じ人たちであり、男女ともに人数も同じです。
資産運用について
全員に資産運用しているかどうかを質問したところ、以下のような回答になりました。
○資産運用している:男性(21.2%)、女性(8.2%)
○資産運用はしていない:男性(78.8%)、女性(91.8%)
資産運用の方法について
資産運用していると答えた人に、その方法について質問したところ、以下のような結果になりました。
男性の5位に仮想通貨(暗号通貨)が入っていますが女性では入っていませんでした。
画像引用:TesTee.Lab.
資産運用に対するアンケートで読み取れること
資産運用に対しては、実際に取り組んでいるのは男性が多く、FXや仮想通貨などのリスクを伴う投資に取り組んでいる傾向が見られます。
一方、女性は投資信託が一位になるなど、男性と比較すると堅実な資産運用を選択する傾向が認められます。
またここでも仮想通貨(暗号通貨)に取り組んでいるのは男性が多いことが分かります。
3.電子マネーに対する調査
電子マネーに対するアンケート調査は10代と20代を対象に実施され、男性は1,687人、女性は1,709人が回答しています。
電子マネーの年度別傾向
電子マネーを持っているかどうか、持っている場合は利用しているかどうかの質問をしたところ、以下のような結果になりました。
画像引用:TesTee.Lab.
上の表を見ると分かるように、10代20代ともに2017年と比べると、2019年では電子マネー所持率が高まっています。
また電子マネーを所持している人は、その半数以上が利用しているという結果が出ています。
電子マネーの今後について
対象者全員に対して、電子マネーが今後もっと普及して欲しいと思うかという質問に加え、電子マネーの使用に際して不安があるかという質問をしたところ、以下のような回答になりました。
画像引用:TesTee.Lab.
電子マネーが今後もっと普及してほしいと考えている人はどの年代でも7割以上に達しており、2017年と比較するとその割合は高まっています。
同時に電子マネーを使うことへの不安感は10代20代ともに1割ほど減少していることが分かります。
不安の理由としては、残高の分かりにくさや使い過ぎてしまうことへの抵抗感、ハッキング、停電時に使えないなどが挙げられました。
電子マネー対するアンケートで読み取れること
電子マネーは年々利用できる場所が拡大しているだけでなく、多くの種類が登場していることも影響してか、ポジティブな意見が高まってきています。
また今後もっと普及して欲しいと考える人が増加傾向にあるのは、電子マネーの便利さを実感しているからでしょう。
その一方で、不安に感じる要因は使い過ぎやハッキングなど、電子マネーのウィークポイントを指摘していますが、不安感が2年間で1割ほど減少していることは、セキュリティなどが高まり、使いやすくなっていると実感している人が一定数存在している証拠ともいえます。
仮想通貨を受け入れつつある若者たち
紹介した三つのアンケートは、暗号資産(仮想通貨)に関するものと資産運用に関するものが20代の若者を対象とし、電子マネーについてのアンケートは10代と20代を対象としたものです。
20代の一般的な仕事環境や生活環境などを考えると、本格的な仮想通貨取引ができるだけの収入を得ていない可能性も高く、それゆえに若者という大きなくくりでしか判断することができません。
また正社員として働いているのか、フリーターなのか、仮想通貨に投資できるだけの年収があるのかどうかによっても回答が異なる可能性もあります。
同様に、電子マネーに関するアンケートの内容が、そのまま仮想通貨に対する意見とリンクするとは限りません。
仮想通貨の代表的なビットコインは値動きが激しく、通貨として使いやすいとはいえず、若者たちにとって電子マネーと仮想通貨は別物ととらえるかもしれないからです。
ただこれらのアンケートからは、若者たちは明らかに仮想通貨に対して理解を深めつつあり、今後は決済などでもっと広まっていくだろうと考えていることが分かります。
また仮想通貨とは別物ではあるものの、便利さが実感できる電子マネーは今後もっと広まって欲しいと考えています。
もし仮想通貨が電子マネーと同様、日常的に使いやすく便利なものになったとしたら、彼らは躊躇することなく利用するのではないでしょうか。
若者たちは、現時点では仮想通貨を取引する主な層の人たちではありませんが、仮想通貨を色メガネで見ることなく理解できる環境にいる人たちです。
彼らが日常的に利用できる仮想通貨を作り上げていくのが、仮想通貨に関わる全ての人々の役割なのではないでしょうか。