仮想通貨投資に重要な分散投資の考え方とは?
- 投資
- 2019.05.15.
- 仮想通貨FXブログ
- 仮想通貨投資に重要な分散投資の考え方とは?
仮想通貨を金融資産として考えたとき、おそらく多くの人が「リスクの高い」商材だと考えるかもしれません。
ボラティリティが大きく不安定で、他の相場と比べて値動きを予想しにくいため、状況によっては投機に近い判断を迫られることもあります。
さらに、仮想通貨FX取引所のセキュリティによっては、自分が預けた資産自体が流出してしまう可能性もあり、取引以外の面でも管理に気を遣う必要があります。
現金のように目に見えるものではないため、失ってしまってから取れる対応策も数少なくなります。
それでも、短期間で大きな成果を挙げられる可能性があり、ハイリスク・ハイリターンが仮想通貨FX取引の基本的な性質と割り切って取引をする人もいます。
いわゆる「億り人」への夢があるからこそ、人は仮想通貨FX取引に惹かれるのかもしれません。
実は、投資の世界におけるリスク管理の手法を使えば、ハイリスクの仮想通貨であってもリスクを分散させることが可能です。
今回は、仮想通貨だからこそ取り入れたい、分散投資の考え方についてお伝えします。
分散投資はポートフォリオの概念が重要
投資について知識のある人なら、「ポートフォリオ」という概念についてはご存じだと思います。
ポートフォリオとは、投資家が保有する金融資産の組み合わせのことを指し、その語源はイタリア語で紙幣専用の財布を指す「ポルタフォリオ」です。
直訳すると「書類入れ」や「紙ばさみ」なのですが、いわゆるA4ファイルのような形状を指しているわけではなく、あくまでも概念のことです。
どちらかと言うとクリアファイルにまとめた資料をボックスに入れ、それらを自由に出し入れできる状態がイメージと合致しています。
このポートフォリオの意味を仮想通貨投資に当てはめてみると、自分が保有している金融資産の組み合わせが該当します。
それは必ずしも仮想通貨のみを複数持つことを意味しておらず、パターンとしては【日本円100万円・米ドル50万円分・国内株式50万円分・ビットコイン30万円分】といった組み合わせでも成立します。
ちなみに、仮想通貨のみでポートフォリオを構成するならば、単純なパターンとして【ビットコイン10万円分・リップル5万円分・イーサリアム10万円分・モナコイン5万円分】といった形でもOKです。
要するに、金融資産または仮想通貨を「組み合わせて保有した」ものが、ポートフォリオなのです。
仮想通貨取引で考えるべき分散投資の概念
ご紹介したポートフォリオは、分散投資の具体例の一つです。
保有する金融資産・仮想通貨の組み合わせは人それぞれであり、各人の考え方に応じて保有数も変わってきます。
共通しているのは、異なる値動きの金融資産・仮想通貨を複数保有することで、投資のリスクを分散できるという点です。
簡単な例として、卵とカゴを使って考えてみましょう。
卵は株式や仮想通貨などの資産で、カゴは市場やその変動・リスク要因とします。
卵は種類別、つまり株式は株式卵用のカゴに入れ、仮想通貨卵も専用のカゴに入れるものとします。
もしあなたが株式卵しか持っておらず、そのカゴを落としてしまった、すなわち保有する株価が大きく下落したとすると、株式卵は割れ、あなたは大損してしまいます。
しかし複数のカゴを持っている、つまり株式卵だけでなく、預金卵や仮想通貨卵、金卵などが入った複数のカゴを持っており、そのうち株式卵が入ったひとつのカゴを落としただけなら、損害も少ないはずです。
これがリスク分散の考え方です。
仮想通貨取引にまつわる4つのリスク
それでは、実際に仮想通貨取引を行う場合、具体的にどのようなことがリスクにつながるのでしょうか。
具体的なリスクは、大きく分けて【価格変動リスク・取引所リスク・資金管理リスク・信用リスク】の4つに分かれます。
価格変動リスク
価格変動リスクは、仮想通貨取引の中ではもっとも大きなリスクの一つです。
世界中で取引される仮想通貨は値動きが激しいという特徴を持っており、それは短期・長期でも変わりません。
FX取引などを行った場合、外貨に比べるとあっという間に値が上下するため、慎重に相場の動きを読まなければなりません。
また、レバレッジをかけるとかなりの額が動き、ロスカットのリスクも高くなります。
シビアな決断が求められるため、危ないと感じたらすぐに引き下がる勇気を持つことが必要です。
取引所リスク
取引所リスクは、仮想通貨取引所がハッキングなどの犯罪行為によって攻撃され、顧客の仮想通貨が流出してしまうリスクのことです。
世界レベルで多くの取引所が破綻しているため、取引所選びはとても重要です。
今までに大きな不祥事が起こっていなかったからといって油断はできません。
少なくとも日本で取引をするなら、金融庁の認可を受けた取引所を選びたいものです。
資金管理リスク
資金管理リスクは、仮想通貨を保管する方法に付随するリスクのことで、オンラインウォレット・ハードウォレット・ペーパーウォレットなど、保管の種類を必要に応じて選び、リスクを軽減します。
しかし、これらの方法は万全とは限らず、それぞれにハッキング・ウィルス・盗難・紛失などの危険性と隣り合わせです。
それぞれのリスクを踏まえた上で、仮想通貨ごとに使用頻度に応じて保管方法を分けるなどの対策が必要です。
信用リスク
信用リスクは、主に運営者側の信用に属するもので、資金調達時に仮想通貨を使った場合に予定していたプロジェクトが頓挫してしまうケースを指します。
あるいは、単純に資金だけを集める目的の詐欺も該当します。
不正・問題が明らかになることで株価が急落し、仮想通貨の価値が下がるというリスクです。
4つのリスクを踏まえつつ、自分にとってもっとも安全と思われる方法を選択し、投資を行う必要があります。
安全に取引したい場合のチェック項目
4つのリスク以外に、安全な仮想通貨や取引所を選ぶことも重要です。
そこで安全に取引するには何をチェックすべきなのか、まとめてみました。
仮想通貨の時価総額をチェックする
仮想通貨の現物取引であれば、仮想通貨の時価総額をチェックするようにしましょう。
「発行済コイン×価格」という計算式で算出する、その仮想通貨全体の合計です。
一般的に、時価総額の低い仮想通貨ほど値動きが激しく、高いものは比較的安定しています。
よって、時価総額の高いもの・低いものをそれぞれ保有することで、価格変動リスクをある程度管理できます。
価格が高騰しているときこそ利益が出るため、早く利益を出したいなら、相対的に時価総額の低い仮想通貨を選ぶという方法があります。
逆に、全体のバランスを考えて偏りなく取引をしたいのであれば、時価総額の高いものを多めに、低いものを少なめに保有するという方法もあるでしょう。
どちらがよい・悪いというわけではなく、自分がどこまでリスクを取れるかが決断の境目です。
取引所における流動性をチェックする
仮想通貨には数多くの種類がありますから、取引所の中でどれだけ活発に取引されているのかは、流動性をチェックするのに有効です。
取引が活発に行われていれば価値は高くなる傾向にありますし、反対にそこまで動きがなければ価値は低くなるでしょう。
流動性の低い仮想通貨の場合、流動性の高い通貨と同じ価値で取引されていたとしても、それは本来の価値を表しているとは限りません。
極端な話、その通貨が好きだから買うといった、コレクター要素もからんでくるのです。
言い換えれば、誰も興味を持たない通貨を保有していても、買い手はつかない可能性があります。
そのため、取引を円滑に進めて利益を出したいのであれば、流動性の高い通貨を選ぶことが大切です。
また、取引数の多さを確認するのであれば、トランザクション数を確認するのもよいでしょう。
トランザクションとは、取引の記録やソフトウェアの処理方式のことを指し、仮想通貨では主に取引データの意味で使われています。
トランザクションは一つひとつの取引について存在しており、トランザクションIDと呼ばれる数字が振られています。
その数を間接的に判断することで、どれだけ多くの取引が行われていたかが分かります。
おわりに
仮想通貨のリスクの高さを理解した上で取引を安全に進めるためには、極力リスクを分散することが大切です。
特に、仮想通貨には数多くの種類があるため、例えば円/ビットコインだけの取引では、損をしたときにかなり大きなダメージを受ける可能性があります。
自分がどのような目的で仮想通貨を保有するのかを正確に理解しておき、必要な分だけ買い足していくのが賢い方法です。
もちろん、これは仮想通貨以外の金融資産にも言えることですから、商品内容とリスクをよく吟味して、ポートフォリオを組むことをおすすめします。