注意すべき仮想通貨詐欺と盗難
- 考察
- 2019.05.02.
- 仮想通貨FXブログ
- 注意すべき仮想通貨詐欺と盗難
どのような投資・金融商品にも付きものなのが、詐欺や盗難などの犯罪です。
有価証券や口座・金塊など、被害に遭う商品はさまざまですが、実際に現物が目の前に存在するわけではない「仮想通貨」も例外ではありません。
一口に詐欺・盗難といっても、その種類はいくつかあり、それぞれに対策が異なります。
人間が持つ金銭欲を利用したり、綿密に相手に説明を重ねて信用させるなど、いくつもの手口があります。
投資詐欺の中には、最初のうちはきちんと利息を支払いつつ、ある時期からまったく支払いをしないといった知能犯もいるため、初期の段階で怪しさを見極めることが難しいという側面もあります。
ただ共通しているのは、どのような詐欺であっても「鵜呑み」や「妄信」は禁物だということです。
今回は、仮想通貨に関する盗難や詐欺について、実際にあった詐欺の手口や盗難のケースについて、いくつか例を挙げてご紹介していきます。
実体のない仮想通貨をどうやって盗むのか
仮想通貨は、いわゆる硬貨のように実体があるわけではなく、あくまでもデータとして管理されている通貨です。
それを現実に持ち運ぶとしたら、インターネットと完全に切り離された「コールドウォレット」を使うことになります。
コールドウォレットの種類としては、実際にデータを保存している専用デバイス「ハードウェアウォレット」、もしくは秘密鍵を紙に書き記した「ペーパーウォレット」です。
特にハードウェアウォレットは、紙媒体をファイリング・別途保管する手間が省け、インターネットからも離れた場所で保管できることから、仮想通貨のユーザーからは人気があります。
※出典元:CryptoTimes
ハードウェアウォレットはかさばる紙を用いて管理することなく、仮想通貨を外部に持ち出せることから、サイバー攻撃による盗難リスクが低いというメリットを持っています。
しかし、メリットはデメリットにもなり、持ち運びやすいということは「持ち運ばれやすい」という特徴にもなるのです。
物理的な意味でのセキュリティをしっかりしていないと、何らかの形で盗難・紛失につながってしまうリスクがあります。
金額によっては、貸金庫などに入れておく必要もあるかもしれません。
万一何らかの理由で盗難・紛失したり、ハードウェアウォレットが故障したりする状況に陥ったとしても、ウォレット作成時に使った「Seed値」という初期情報が分かれば、バックアップが可能になる場合があります。
財布・通帳と同じものだという理解のもと、厳重に保管しておくことを忘れないようにしましょう。
もちろん、ペーパーウォレットも同様です。
個人で通貨を取引する場合は、相手の信頼性を重視する
仮想通貨取引は、一般的な金銭の取引に比べてハードルが低くなりがちです。
極端な話、インターネット上のコミュニティでやり取りすることも可能なぐらいです。
そのため国内の取引所に上場してない、しかも今後価値が上昇すると思われる仮想通貨があれば、少しでも安く、少しでも楽に手に入れようとする人も出てきます。
コミュニティで仲良くなった人を介して仮想通貨のやり取りをする方法も、その一つです。
本来、個人間トレードはお互いの素性が割れていて、十分な信頼関係がある場合にのみ成立するものですが、インターネット上の匿名性の高いやり取りの中では、送金したにもかかわらず「相手からの回答がない」という状況に遭遇する可能性もあります。
英語に自信がないなど、理由はいろいろあるかもしれませんが、どうしても欲しい通貨がある場合は安易な手段に頼ると被害にあいやすくなってしまいます。
セオリー通り、海外取引所への登録や国内取引所への上場を待つべきです。
海外で取り扱っている通貨で、ビットコインSVのように上場を廃止されたケースも少なくありません。
取得後のことも考えて、安心できる取引を心がけましょう。
ICOが馴染むのはまだ先の話
まずは、以下の図をご覧ください。
※出典元:TOP COURT
この図はICOの仕組みを説明したものですが、この内容は理解できましたか?
もしこの内容を理解できないなら、ICOへの投資は控えるべきです。
スタートアップ事業の資金集めとして注目を浴びているICOですが、その仕組みを詳しく聞かれると答えられないユーザーも少なくありません。
もちろん、集める側も配当を受ける側もメリットがあるからこそ広まるわけですが、実質詐欺に近いような形で行われている仮想通貨もあります。
詐欺を前提としてICOを選択する詐欺師もいるようですから、仮想通貨のことをあまりよく知らず、取引経験がないにも関わらず、将来性が高いものとだけ認識している場合には詐欺に引っ掛かりやすいので、注意が必要です。
仮想通貨は通貨の中でも歴史が新しく、知識があることを前提として説明されることが多いため、仮想通貨について「何となく知っている」レベルの知識で投資を考えるべきではありません。
ブロックチェーン・ウォレット・マイニング・ハードフォークなど、基本的な用語の意味を理解していない状況で、何に投資するのかを理解するのは難しいでしょう。
その投資に妥当性があるのかどうか、自分で判断できるだけの知識がないなら、投資しない方が無難です。
マイニングの費用を投資して欲しいという詐欺
マイニングは、2019年現在こそ禁止されているものの、かつて中国で一大事業となっていた時代がありました。
そのイメージから、マイニングは国家・大企業の単位で行うものという考えが広まり、大規模なマイニングによって成果が出た場合、その利益の一部を利息として投資家に分配するという投資詐欺が生まれました。
俗に「クラウドマイニング詐欺」と呼ばれ、最初のうちはきちんと利息が支払われるのですが、そのうちパッタリと支払いが途絶えるという悪質なものです。
支払いがなされることで、最初に小さな信用を与え、そこから後で裏切るという手法です。
見極める一つの方法として、投資額における一定のパーセンテージを分配額として確約するような業者は避ける、というものがあります。
そもそも投資である以上、パーセンテージを確約できる保証など、どこにもありません。
マイニングを大規模に行うなら、組織がしっかりしていること、初期投資などが必要です。
マイニングマシン自体は個人でも手に入れることが可能であり、知識のある人なら計算能力を供給する「マイニングプール」の方が現実的です。
人任せにはせず、自分の能力に応じた報酬を得るという意味では結果が分かりやすいため、もしクラウドマイニングに投資するお金があるなら、マイニングプールを体験してみるのも一つの方法です。
古典的だがマルチ商法型の詐欺もある
仮想通貨を使ったマルチ商法で詐欺を行うケースも横行しているようです。
もともと、マルチ商法は自分が誰かに商品を紹介・販売することを通して会員になってもらい、その会員が新たに商品を紹介・販売すると、新たに自分にお金が当たるという仕組みです。
例えば独自の仮想通貨を商品に当てはめて、セミナーや集会で参加者を集めて配当金を分配する話をされたとしたら、詐欺を疑った方が良いかもしれません。
話術を駆使する詐欺師にとっては、仮想通貨の詳しい話をすることなく人は騙せるはずです。
おわりに
人間は誰しも、自分だけは大丈夫だと考えます。
それは詐欺被害でも同様です。
自信満々の人に対しては、周囲の人も心配することはなく、自然に詐欺などの情報は届きにくくなります。
自分でもそのような情報は無縁だと、聞く耳を持たなくなるでしょう。
しかし、自分も気を付けなければならないと思っていれば、おのずと詐欺に関する情報や手口などが耳に入ってきます。
騙されないようにするためには、自分に詐欺などの話が持ち込まれない保証はどこにもないことを認識しておくことが大切だといえるでしょう。