ビットコイン半減期を控え価格変動に関する幾つかの予測
- ビットコイン
- 2024.04.11.
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- ビットコイン半減期を控え価格変動に関する幾つかの予測
4度目となるビットコインの半減期までは、本記事執筆時点であと8日ほどだといわれています。
半減期はマイナーのマイニング報酬が半分になるため、市場に供給されるビットコインの供給量が減ることで、ビットコインの価値が高まる、つまりビットコイン価格が上昇するといわれています。
これはビットコインを創り出したサトシ・ナカモトの狙いでもあったわけですが、今回の半減期では、事前に前回の半減期後に記録した史上最高値を更新していることもあり、半減期後にどこまで上昇するかが非常に注目されています。
しかし今回の半減期は、これまでとは異なり価格上昇が起こりにくいとの説や、半減期そのものの価格への影響はそれほど大きくないとの主張も見受けられます。
それらの説について、詳しくご説明しましょう。
半減期の前後に売り圧力があるとの説
半減期の直前か直後に大きく価格が下落する可能性があることを、仮想通貨取引所BitMEXの創業者であり、元CEOであるArthur Hayes(アーサー・ヘイズ)氏が自身のブログで発表しています。
アーサー・ヘイズ氏は自身のブログ内で、投資に関する市場原理を説明し、大勢の投資家が同じ方向を向いてしまうことで、向いているのと逆のことが起きる可能性があることを取り上げています。
つまり、投資家の多くが一斉に価格が上昇すると考えてしまうと、実際には下落する可能性が高まるということです。
その背景としてアーサー・ヘイズ氏が取り上げているのが、米ドルの流動性が失われる可能性です。
米国では4月15日が納税の期限となっているだけでなく、米国では法律で定められた債務上限に達しているため、政府を動かすためにTGA(政府預金口座)の残高を使わざるを得ない状況になっています。
さらに米国のFRB(連邦準備理事会)は2022年6月から、国債などの保有資産を減らすための量的引き締め(QT)を進め続けています。
アーサー・ヘイズ氏は、これらによって市場のドルの流動性が失われ、その結果、大規模なリスク回避が起こる可能性が高いと判断しているわけです。
また今回のビットコインの半減期は、これらとタイミング的に重なるため、仮想通貨を一刻も早く売却しようとする動きにつながりかねないと危惧しているようです。
すなわち半減期を迎え、価格が高いうちに売却しようする動きに拍車がかかってしまうのではないかということです。
アーサー・ヘイズ氏が予想する危険な時期
アーサー・ヘイズ氏はブログの中で、リスク資産といわれる仮想通貨などが投げ売りされる可能性が高い時期についても言及しています。
アーサー・ヘイズ氏が予想している仮想通貨にとって危険な時期は、2024年4月15日から5月1日までと、ビットコインの半減期と完全にタイミングが重なっています。
また5月1日までが危険だと判断している理由についてもブログで説明しています。
米国では今年、大統領選挙がおこわなれますが、再選を狙うバイデン大統領は自身のこれまでの政策が成功していることを示さなければなりません。
それには株式市場が好調であると示すことが重要であり、その好調さが有権者にとっては豊かさに感じ、バイデン政権の正しさを示すことにもつながると説明しています。
そのためにも、現政権のJanet Louise Yellen(ジャネット・イエレン)米財務長官は全力を尽くすだろうと予想しています。
ポイントとなるのは、5月1日に開かれるFOMC(米連邦公開市場委員会)です。
このFOMCの後に資金供給の引き締めが鈍化するとともに、TGA(政府預金口座)からおよそ1兆ドルが放出されるはずだとアーサー・ヘイズ氏は考えているようです。
そのため、もし仮想通貨が投げ売りされるとしても、その危険な時期は5月1日までであろうと予想しているわけです。
アーサー・ヘイズ氏自身の今後の仮想通貨トレード計画
アーサー・ヘイズ氏は上記のような予想をブログ内で記述していますが、自分自身はこれらの予想が外れてしまうことは大歓迎だとの言葉とともに、仮想通貨市場が今後も上昇を続ける可能性もあると説明しています。
ただし、前述したような危険性もあるため、5月1日までは仮想通貨トレードは控えること。
さらに5月に入れば本格的な強気相場が始まる可能性があるため、再度取引を開始したいと考えていることも明かしています。
次の半減期はビットコイン価格にそれほど影響しないとの説
2024年4月20日ごろに訪れるビットコインの半減期は、これまでの半減期とは異なり、ビットコイン価格にそれほど影響しないのではないかとの説を、オンチェーンおよび市場データ分析企業CryptoQuant(クリプトクワント)が2024年4月10日付のレポート内で発表しています。
画像引用:CryptoQuant ResearchReports
このレポート内では、ビットコインを長期間保有している人が売却するビットコイン量に比べ、新しく発行されるビットコインの量が非常に少ないことによって、これまでのような半減期の効果は期待できないかもしれないと主張しています。
そしてビットコイン価格に大きな影響を及ぼすのは半減期などではなく、ビットコインクジラだと指摘しています。
クリプトクワントのレポートによると、ビットコインクジラはこれまでにないほど増えており、しかも月11%も成長を続けていることが明らかになっています。
画像引用:CryptoQuant ResearchReports
特に2021年から2023年の期間中、ビットコイン長期保有者の月間需要が、同期間のビットコイン供給量を上回っているケースが確認できたと説明しています。
つまり、マイニングされて市場に出回るビットコイン量よりもビットコインクジラが購入するビットコイン量の方が多いケースが何度もあったということです。
そして現在はこの状況がさらに過熱しており、ビットコインクジラは新たに市場に流通するビットコインのおよそ7倍量を毎月買い続けていることが明らかになっています。
クリプトクワントのレポートでは、買われているビットコイン量は最大で月20万BTCにも及び、1ケ月に発行される28,000BTCよりはるかに多い量にあたると説明されています。
4月20日頃に迎えるビットコイン半減期を経ると、1ケ月の発行量はこれまでの半分の14,000BTCになってしまいます。
加えて、ビットコインの総発行量は2,100万枚とあらかじめ定められていますが、2023年末の時点で既に9割ほどの量にあたる1,890万枚が発行されています。
また、現在のビットコインの発行量は、総発行量のわずか4%にまで減少していることも分かっています。
これまでに3度実施された半減期の前には、1度目の半減期前で69%だったものが、2度目の半減期前に27%となり、3度目には10%と減少しつつありましたが、今後の半減期前では4%になってしまっているわけです。
画像引用:CryptoQuant ResearchReports
クリプトクワントはこれらのことから、4度目の半減期はビットコイン価格にそれほど影響を及ぼすことはなく、ビットコイン価格に大きな影響を及ぼすのはビットコインクジラがどれほどビットコインの買い足しに動くかであると主張しているのです。
まとめ
ビットコインの半減期を間近に控え、価格変動に関するニュースを幾つかご紹介しました。
もちろん半減期に関連して、ビットコイン価格に関する予想は他にも多く存在していますが、そのほとんどが上昇するとの強気の予想がほとんどでしょう。
半減期後は、結果的に上昇することが考えられますが、一時的に落ち込む可能性について言及しているものや、半減期後に上昇する詳しい理由などについて説明しているニュースはほとんどありません。
半減期直前や半減期後にビットコイン価格がどう動くかを正確に予測することは不可能ですが、色々な情報を知り、理解しておくことは仮想通貨FXを取引するうえで非常に重要なことでしょう。
これらの情報を生かし、4年に1度しか巡ってこない半減期のタイミングを仮想通貨FXで利益につないでください。