2021年7月最終週のビットコイン価格上昇の背景と今後
- ビットコイン
- 2021.07.29.
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2021年の5月中旬から価格が暴落したビットコインは、2021年7月20日には320万円台にまで下落していました。
このまま下がり続ける様相を見せていた2021年7月26日、突如として上昇し始め、一度落ち込む様子を見せたものの、7月28日19時50分現在は441万円台を推移しています。
どうして突如としてビットコイン価格が上昇し始めたのでしょうか。
この背景にはどのようなものがあったのでしょうか。
また今後のビットコインはこのまま上昇し続けるのでしょうか。
今後の値動きに関して、大幅な上昇を予想する人物も現れています。
これらの情報に関して、詳しくご説明しましょう。
Amazonのビットコイン決済導入報道が上昇の契機
これまで下落傾向にあったビットコイン価格が上昇に転じた背景には、米Amazonがビットコイン決済を準備していると報道されたことがあります。
これは2021年7月26日、英国のCity A.M.紙によって報じられたものです。
画像引用:cityam.com
この英国のCity A.M.紙は無料新聞ではあるものの、ゴシップ紙ではなくビジネス紙として英国では親しまれており、仮想通貨関連情報コラム欄に関係者証言として掲載されました。
報道によると、2021年の年末までにAmazonがビットコイン決済を開始するとともに、2022年にはAmazonの独自通貨を発行するとしています。
またビットコイン決済は単なる決済通貨の選択肢を広げるためではなく、Amazonの将来にとって必須のものであるとAmazonのCEOであるJeffrey Preston Bezos(ジェフリー・プレストン・ベゾス)氏が判断したこと。
さらにこのことは、これまで検討を続けてきたプロジェクトのファーストステップであり、独自通貨を導入することでインフラ整備にもつないでいく考えであるとも報じています。
Amazonのビットコイン決済導入報道の信憑性
この報道が信憑性の高いものだと多くの人々が受け止めたことには幾つかの理由がありました。
それはAmazonが2021年の2月と7月に仮想通貨やCBDC(中央銀行発行のデジタル通貨)に関わった経験のある人材を募集していたことが分かっているからです。
2月の人材募集は決済に関わるソフトウェア開発のための人材募集でしたが、7月の募集では仮想通貨関連戦略の立案にかかわることができる人材を募集していました。
また7月の人材募集情報が報道された際には、仮想通貨の革新性から発想を得て、Amazonに導入した際にはどうなるかを模索している旨の発言をしていました。
さらにAmazonのCEOであるジェフリー・プレストン・ベゾス氏が運営しているベンチャーキャピタルファンドBezos Expeditionsが2020年11月、アフリカの仮想通貨関連スタートアップ企業であるChipper Cash社に対して出資しています。
つまり報道したのがビジネス紙であったことに加え、報道内容が非常に具体的であったこと。
さらにこれまでAmazonが募集していた人材、CEOの仮想通貨に対する認識など、全ての点が報道内容の信ぴょう性を高めていたわけです。
翌日にAmazonが報道内容を否定
City A.M.紙の報道があった翌日の2021年7月27日、米の金融情報関連ニュースを報道しているブルームバーグが、City A.M.紙の報道内容をAmazonが否定している旨を報道しました。
画像引用:bloomberg
ブルームバーグの報道によると、City A.M.紙が報じていたビットコイン決済と独自通貨の発行について、Amazonとして興味はあるものの、具体的な計画についての報道は事実ではないとしています。
この否定内容はあくまでも具体的な計画についての否定であり、仮想通貨決済などの仮想通貨に関連する何らかの構想は持っている、もしくは構築しつつあることを示唆しているといえます。
それは、「Amazonのビットコイン決済導入報道の信憑性」の項でも紹介した、仮想通貨関連戦略に関わる人材募集を否定していないことからも判断できるでしょう。
Amazonの報道否定が結果的に押し目となる
City A.M.紙によってAmazonの仮想通貨決済導入の報道が発表されると、低迷していたビットコイン価格は上昇に転じました。
しかしブルームバーグによってAmazonが否定していることが報じられると、一時は下落に転じています。
以下のtradingviewのチャート内にある赤丸部分が、City A.M.紙によるビットコイン価格上昇を示しています。
そして黄色丸部分はブルームバーグによる下落を示しています。
ブルームバーグの報道によってビットコイン価格は下落しましたが、それが下げ渋ってきたことで、結果的に押し目となり、再び上昇し始めていることが分かります。
2021年後半に25万ドル到達の予想も
ビットコイン価格が上昇に転じ始めたタイミングで、今後価格が大幅に上昇する予想を発表している人物がいます。
それは中国での初めてのビットコイン取引所であるBTCCを創設し、クレジットカードサイズのウォレットであるBalletを作り出したBobby Lee(ボビー・リー)氏です。
ボビー・リー氏が、ビットコインは2021年後半のピーク時には25万ドル(日本円でおよそ2,700万円)に達すると予想していることが、仮想通貨やブロックチェーン関連情報メディアであるTHE DAILY HODLによって報じられています。
画像引用:dailyhodl.com
報道によるとボビー・リー氏は、2021年後半に65,000ドル(日本円でおよそ715万円)以上となり、ピーク時には25万ドルを超えるだろうと予想しています。
ただ、そのまま2022年も上昇し続けるかというと、そのことには否定的なようです。
ボビー・リー氏の説では、ビットコインは2022年に下落することを予想しており、下落幅はこれまでの最高額から50%~80%近く下落するだろうと述べています。
その後のビットコインには3~4年の強気サイクルが生まれ、今後10年から15年経てば、ビットコインは100万ドル(日本円でおよそ1.1億円)もしくは200万ドルにまで達するとしています。
また次の強気サイクルを迎えるタイミングは2024年、もしくは2025年だろうと予想しており、ピーク時には50万ドル(日本円でおよそ5,500万円)を超える可能性も示唆しています。
つまりビットコイン価格の上昇には波があり、3~4年毎の強気サイクルを経て、将来的には大きく成長していくはずだと述べているわけです。
ビットコイン価格下落の要因に中国政府の動き
ボビー・リー氏の予想は、ビットコイン価格の下落の際の要因についても言及されています。
ボビー・リー氏が挙げる大きな下落要因は、中国政府による仮想通貨規制です。
中国では将来的に仮想通貨が全面的に禁止される可能性を考えており、特にビットコイン価格が高騰し、1BTCが50万ドル以上になると、全面禁止になる確率が高くなるとしています。
そうなった時、中国でビットコインを保有している人々が一斉に売りに転じるため、価格が下落してしまうのではないかと述べています。
ただし、これらの危惧が現実になったとしても、ビットコインは長期的にみると成長していく、つまり前述したように上昇していくことが考えられるとしています。
まとめ
低迷を続けていたビットコイン価格がいきなり上昇を始めた背景に加え、今後どのような動きをしていくのかの予想についてもご説明しました。
Amazonがビットコイン決済を否定したことが、結果的に価格上昇につながったことは、市場は強気相場になる要素を待っていたのではないかと感じてしまうほどです。
またボビー・リー氏の説を信じるならば、2021年の後半は価格上昇が期待できそうですが、中国政府の仮想通貨規制にはくれぐれも注意しておく必要があるということです。
やっと仮想通貨FXで利益を上げられるタイミングが巡ってきたのかもしれません。