コロナ第2波によるビットコイン下落懸念でも続く強気予想
- 仮想通貨関連
- 2020.10.17.
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- コロナ第2波によるビットコイン下落懸念でも続く強気予想
2020年10月14日のニュース記事「今後ビットコインは1万1千ドルを下回らないとの予想」では、ビットコイン価格は11,000ドルを割り込んでしまうことはないとする主張を紹介しました。
ビットコインだけの動きをみていると、そう思わせられる要素があるかもしれません。
しかしビットコインも金融資産のひとつですから、何らかの要因で当初の予想とは異なる動きを示しても不思議ではありません。
例えば2020年3月に新型コロナウイルスのパンデミックによって、一気に価格が下落したことは記憶に新しいでしょう。
そして今欧州では、新型コロナウイルスの第2波の感染拡大が起こっています。
このことはビットコイン価格に少なからず影響を及ぼすはずです。
しかしこのような状況下であっても、ビットコインの上昇を予想し、強気買いを示唆しているトレーダーもいます。
彼らの強気の根拠とはどのようなものなのでしょうか。
新型コロナウイルスのヨーロッパにおける状況と、それでも強気買いを明言しているトレーダーの説について詳しくご説明しましょう。
欧州での新型コロナウイルス第2波の感染拡大
2019年の年末に中国で発生したとされる新型コロナウイルスは未だ猛威をふるっており、特にヨーロッパでは第2波とみられる感染が再び拡大しつつあります。
スペインやフランス、イタリア、ポルトガル、イギリスなどは特に感染が拡大しており、チェコやオランダでも部分的なロックダウンが実施されるなど、混乱が続いています。
これらは感染防止よりも経済を優先し、規制緩和した結果ではないかともいわれていますが、経済が破綻してしまうとより感染も拡大することが考えられることから、各国ともに厳しい対応が求められる事態となっています。
新型コロナウイルスの感染拡大はもちろんヨーロッパだけではありません。
世界一の経済大国であるアメリカでも感染拡大は収まらず、2020年10月15日時点で790万人まで感染が広がっていると発表されています。
新型コロナ第2波の経済への影響
ヨーロッパにおける新型コロナウイルスの第2波による感染拡大は非常に深刻であり、収まる気配が一向にありません。
こうなると懸念されるのが、経済への影響です。
2020年3月に起きたパニック的な株安とGOLD価格の下落、さらにビットコイン価格の大幅下落は衝撃的でした。
これは多くの投資家が一斉に資産を現金化しようと動いたために起こったものでしたが、新型コロナウイルスの第2波でも同じことが起きるのでしょうか。
現在は各国ともに経済対策が実施されているため、3月の時のようなことはさすがに起こりにくいでしょうが、影響が全くないとは考えられません。
事実、2020年10月16日の東京株式市場では売り優勢で始まっており、米ダウ市場やNASDAQも下落傾向です。
VIX恐怖指数も上昇しているなど、影響が出始めています。
画像引用:nikkei225jp
さらに安全資産といわれているGOLD価格も、過去最高値をつけた2020年8月4日に比べると、下落が続いています。
仮想通貨の専門家でJP Morgan Chaseの副社長が強気発言
上記のように新型コロナウイルスの第2波による経済への影響が懸念される中でも、強気の発言をしているのはニュース記事「今後ビットコインは1万1千ドルを下回らないとの予想」で紹介したTimothy Peterson(ティモシー・ピーターソン)氏だけではありません。
ウォール街の元トレーダーであり、米の金融機関JP Morgan Chaseの副社長、そして仮想通貨動向やリスク分析の専門家でもあるTone Vays(トーン・ベイズ)氏も、YouTubeの彼のチャンネルにおけるライブ配信で、2020年10月14日に強気発言をおこなっています。
画像引用:Tone Vays YouTube
Tone Vays氏のYouTubeチャンネルにおける強気発言とは、ビットコインが大幅に下落することはほとんど予想できず、週足と日足のチャートで「1本から4本のロウソク足」以上の調整的下落はないだろうというものです。
そしてTone Vays氏自身は押し目で買うのが常であることを説明しながら、10月14日時点から4日以上の調整、つまり10月18日以後も調整されない場合には、11,000ドルが押し目買いの目安になると述べています。
さらにTone Vays氏は、今後は価格の上昇が予想され、11,000ドルに向かっている下落トレンドもすぐに崩れる可能性があることから、今の調整段階でショートポジションを持つべきではないとも指摘しています。
11,000ドルが底値という説の一致
Timothy Peterson氏の説では、11,000ドルを下回ることはないというものでしたが、Tone Vays氏も同様に11,000ドルを目安にしているというわけです。
奇しくも2人の予想した底値が11,000ドルであるという、金額が一致したことは単なる偶然ではないでしょう。
テクニカル分析で異なる手法を活用していても底値が同じになるケースはあるからです。
しかしビットコイン価格の予想において非常に注目される情報が、どちらも同じ底値を予想していることは、それだけ重要な価格であるということでしょう。
上場企業がビットコインを購入する動きは活発化か
Tone Vays氏がこのように強気の発言ができる背景には、大手企業や上場企業などによるビットコイン購入があります。
資産運用会社であるStone Ridge Aseet Management(ストーンリッジ・アセット・マネージメント)社が、2020年10月13日にビットコイン10,000BTCを自社の財務準備資産として購入したことを発表しています。
画像引用:CISION PR Newswire
これ以外にも米の上場企業がビットコインをおよそ64億ドル、日本円にしておよそ6800億円分をすでに保有していることが分かっています。
これらの動きはまだ始まったばかりであり、今後上場企業や大手企業などが準備資産としてビットコインを購入する動きは加速していくものと考えられています。
つまりTone Vays氏が主張しているように、ビットコインだけをみた場合には、下落するよりも上昇していく要素にあふれているといえるのではないでしょうか。
まとめ
ヨーロッパにおける新型コロナウイルスの第2波が経済に影響を与えつつあり、ビットコイン価格にも影響が及ぶのではないかと懸念される状況下でも、ビットコインは上昇すると主張する説についてご説明しました。
確かに2020年3月の時と比べると第2波に対する警戒感はあるものの、世界の各国は比較的落ち着いているように見受けられます。
それはやはり経済対策などが充実しつつあるからでしょう。
しかし経済対策に掛けられる予算にも限りがあるはずです。
第2波がどこまで広がるのか、それは誰にも分かりません。
ビットコイン価格はどう動くのか、全ては感染拡大状況によって決まってくるのかもしれません。
そして今後のビットコインの値動きを理解するには、新型コロナウイルスの感染拡大状況をも視野に入れなければならないのかもしれません。