BitMEXがKYC導入で既存顧客も手続き必須に
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- 2020.08.15.
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仮想通貨がマネーロンダリングやテロへの資金供与など、犯罪に使われていることは多いといわれています。
日本ではこれらを防ぐために犯罪収益移転防止法が2008年に施行され、銀行はもちろんですが仮想通貨取引所も対象となっているため、日本の仮想通貨取引所ではKYCと呼ばれる「Know Your Customer」、つまり本人確認義務が徹底されています。
しかし海外の仮想通貨取引所や仮想通貨FX取引所は適用外であり、KYCが実施されていないところが多く見受けられました。
そんななか海外の大手仮想通貨FX取引所であるBitMEXが、KYCを実施することになったとの発表がありました。
BitMEXのKYCはいつから実施され、既存顧客へはどのように対応するのでしょうか。
また、KYCの確認方法はどのようなものなのでしょう。
さらに現在BitMEXは日本から取引はできない状況になっていますが、KYCの実施は今後の日本での運営再開にどのような影響を与えるのでしょうか。
このニュースについて、詳しくご説明しましょう。
BitMEXがKYCを導入決定
現在は日本から取引できなくなっている仮想通貨FX取引所の大手であるBitMEXが、全てのユーザーに対してKYCを実施することを、2020年8月14日にBitMEXブログ内で発表しました。
画像引用:BitMEX blog
発表によると、BitMEXのKYC導入を「ユーザー検証プログラム」と表現しており、2020年8月28日より実施するとのことです。
日本からBitMEXを使って取引することは、2020年5月1日からできなくなっていますが、口座開設や出金は可能な状態です。
つまり8月28日以降、BitMEXで新規口座を開設する場合はもちろん申し込み時に本人確認手続きが必要になるというわけです。
また既にBitMEXで口座を持っており、今後取引をするのであれば、日本時間の2021年2月12日09:00までに本人確認を終了しておかなければならないとしています。
これはすなわち、KYCが導入される8月28日よりも前に新規口座申し込みをしたとしても、2021年2月12日09:00までに改めて本人確認手続きを踏まなければならないということになります。
BitMEXの本人確認の手続き方法
BitMEXの本人確認手続きは、多くの仮想通貨取引所が実施している手続きと同じ4段階のものです。
まずユーザーの写真が付いた身分証明書に加え、住所が証明できるものをアップロードします。
次に、身分証明書の写真と手続きしている人とを確認するための自撮り画像を送ります。
さらに、資金源やこれまでの取引に関しての質問に答えていきます。
BitMEXのブログによると、これら全ての手続きは5分ほどで終わるとしています。
しかし身分証明書や住所が証明できるものを用意し、アップロードするために画像を取り込む手間、自撮りの手間などを考えると、手続きそのものは5分ほどで終わるかもしれませんが、全ての手間に掛かる時間を含めるととても5分で終わるとはいえないでしょう。
本人確認完了ユーザー対象の取引トーナメント
BitMEXはKYC導入を発表したブログ内で、取引トーナメントを実施する旨も発表しています。
この新しい取り組みの一環として、検証を完了したユーザーがかなりの賞品を獲得できる大規模な取引トーナメントの詳細を近日中に発表する予定です。
引用:BitMEX blog
つまり全てのユーザーの本人確認手続きの期限である2021年2月12日09:00以降に、大規模な取引トーナメントを実施すると告知しているわけです。
BitMEXのトーナメントに日本からは参加できない?
BitMEXが、MYC手続きが完了後に実施すると予告している取引トーナメントに、日本のユーザーは参加できるのでしょうか。
現状から、そのことについて検証してみましょう。
日本の金融商品取引業に登録する必要
現在BitMEXは日本から取引ができない状態になっています。
これは2020年5月に施行された改正金融商品取引法・資金決済法によるものであり、その中でも特に仮想通貨デリバディブ取引を日本で提供するには、金融商品取引業に登録しなければならないという内容が影響しているといわれています。
BitMEXは日本の金融規制当局との協議継続を明言していますので、おそらく協議は続けられているはずです。
その際、今回のKYC導入は非常に好材料になるといえるでしょう。
BitMEXも日本のユーザーを再度取り込みたいと考えているからこそ、日本の規制当局と協議を継続しているのでしょう。
また今後の取引条件としてKYCの完了を日本時間で表記していることに加え、プラットフォームも以下の画像のように日本語表記がされ続けています。
もちろん、海外在住の日本人で取引している人は従来と変わらず取引できるため、日本語表記があっても不思議ではないですが、そのような人がユーザーにそれほど多いとは考えにくく、日本のユーザーを取り込みたい考えが見え隠れしているではないでしょうか。
画像引用:BitMEX
BitMEXの高いレバレッジ
BitMEXは最大100倍という高いレバレッジ設定ができる仮想通貨FX取引所です。
しかし日本では仮想通貨FXのレバレッジは2021年4月30日以降、レバレッジは最大2倍になることが決まっています。
BitMEXが全てのユーザーのKYCを完了したとしても、高いレバレッジ取引ができるのでは、金融商品取引業に登録することが許されるとは考えられません。
もしレバレッジを2倍に抑えてまで日本の金融商品取引業に登録したとすれば、BitMEXをわざわざ利用する意味がなくなってしまうともいえます。
つまりBitMEXも日本市場に再度参入してきても、他の国内仮想通貨FX取引所と差別化しづらく、うま味が少なくなってしまいます。
そう考えると、KYC完了後の取引トーナメントどころか、日本に再度参入してくる可能性も低くなるといえるのではないでしょうか。
高レバレッジなら日本でも取引できるBybitを
KYCは、今後の仮想通貨取引所や仮想通貨FX取引所において必要不可欠なものであることは間違いありません。
だからといって、KYCがまだ実施されていない仮想通貨FX取引所が違法というわけでもありません。
現在KYCを導入していない仮想通貨FX取引所でも、今後は必ずKYCが導入されるようになるはずです。
例えば日本からも取引でき、高いレバレッジが使えるBybitでも、今後KYCが導入されていく可能性は十分あります。
さらには、日本国内から取引できなくなる可能性もあるわけです。
もし高レバレッジを使った取引をしたいなら、今のうちにBybitに登録し、取引されることをお勧めします。
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まとめ
BitMEXのKYC導入についてと、KYC完了後の取引トーナメントの実現可能性、さらに日本で高レバレッジ取引をするなら、今のうちにBybitを利用するしかないことについてご説明しました。
KYCは今後全ての仮想通貨関係業者で導入されるでしょう。
その必要性は理解できるものの、日本のように厳しすぎるレバレッジ規制とセットになってしまうことが、かえってハードルを高くしてしまっていることも問題ではないでしょうか。
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