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Binanceはインドの仮想通貨規制を改善できるか

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  • 2020.06.19.

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2020年5月1日に更新された世界の国別人口ランキングによると、中国は1,433,784(単位:千人)人で世界1位となり、2位がインドで1,366,418(単位:千人)人でした。

3位の米国は329,065(単位:千人)ですから、中国・インドとは大きな開きがあります。

 

中国はご存知のように仮想通貨取引を禁止しているため、禁止されていなかった頃のように仮想通貨市場に表立って参入できないことから、中国のトレーダーの仮想通貨取引が価格に影響を及ぼすことは非常に少なくなっています。

 

一方、人口が世界2位のインドでは、中央銀行であるRBI(インド準備銀行)が仮想通貨取引を禁止したものの、最高裁判所ではこれが違憲であると判断されていました。

このことは2020年3月8日のニュース記事「仏と印で仮想通貨の今後に影響する裁判所の判断」でご説明しました。

 

しかし今度はインド政府が、仮想通貨全体を禁止することができる法案の導入に向けて動いていることが、インドの地元メディアによって報じられました。

一方、大手仮想通貨取引所であるBinanceが、インドのデジタル企業団体に参加することが明らかになっています。

 

仮想通貨価格に大きな影響力のあるインドの仮想通貨規制など、新たな動きについてご説明しましょう。

 

今度はインド政府が仮想通貨禁止案を計画

中央銀行であるRBI(インド準備銀行)が、仮想通貨取引を禁止したことは違憲であると2020年3月に最高裁に判断されたばかりのインドで、今度は政府の財務省が仮想通貨を禁止する法案を提案したことが、インド地元メディアのTHE ECONOMIC TIMESによって2020年6月12日に報じられています。

THE ECONOMIC TIMES

画像引用:THE ECONOMIC TIMES

 

「法律により、インドは暗号の永続的な禁止を計画しています(Google翻訳)」と題された報道によると、インド財務省は省庁内の協議において仮想通貨禁止の提案をしているとのことです。

この提案は、インド政府高官の発言がきっかけとなっているようで、提案内容が省庁内の協議で了解されれば、内閣を経て議会に提案されることになってしまいます。

 

仮想通貨禁止案の内容とは

報道されている仮想通貨禁止案の具体的な内容は明らかになっていませんが、2019年7月に政府高官が仮想通貨禁止案の草案を提案しており、その内容に類似している可能性が指摘されています。

 

その内容とは、インドでの仮想通貨保有や販売、発行、譲渡、マイニング、使用を禁止するもので、これに違反した場合には罰金や懲役刑が科せられるというものでした。

 

2019年7月以降、この草案に対する協議は進展していなかったことが分かっていますが、もし今回の仮想通貨禁止案がこの草案と同種のものであり、議会で決定されるようなことになってしまうと、インド国内での仮想通貨の将来は閉ざされることになります。

 

RBIの違憲判断後に動いていた仮想通貨関連事業

インドの中央銀行RBIが打ち出した仮想通貨取引禁止は違憲であると判断されたのはおよそ3ケ月前です。

そのためインドでは、新たな仮想通貨取引所を設立させるため、色々な企業が動いていました。

さらに仮想通貨取引所のOKExやBinanceは、インド国内で既に事業展開をしています。

 

今回の仮想通貨禁止案が議決されれば、これら全ての企業はインド国内から撤退せざるを得なくなってしまいます。

 

ポジティブな規制を望む声明

今回のインド財務省による仮想通貨禁止案の提案について、インド国内の大手仮想通貨取引所WazirXのCEOであるNischal Shetty氏は、Twitterで声明を発表しています。

Nischal Shetty Twitter

画像引用:Nischal Shetty Twitter

 

Nischal Shetty氏は現在の仮想通貨規制の実情を色別に表示した世界地図を示しながら、米国や英国、オーストラリア、日本などの先進国の多くが仮想通貨に対してポジティブな規制が実施されていることを指摘しています。

そしてインドもこれらの国と同様、仮想通貨に対してポジティブな規制を行うべきだと主張しています。

 

なお世界地図の色分けは、緑色が仮想通貨取引が合法である地域を示しており、黄色とピンク色は部分的な法制限がある国で、赤色は禁止している国を示しています。

つまりこの世界地図で緑色の国、すなわち仮想通貨取引が合法である国の多さを示しているわけです。

 

さらにNischal Shetty氏は、インド政府の仮想通貨禁止理由が犯罪に利用されることならば、インド国内の仮想通貨関連企業はKYCやAMLなどの違法な行為を未然に防ぐための策定をしているとして、政策が間違いであると指摘しています。

 

Binanceがインドデジタル業界団体に参加

世界最大規模の仮想通貨取引所であるBinanceが、2020年6月18日にインドのデジタル業界団体であるIAMAI(インドインターネット&モバイル協会)に加盟したことを発表しました。

Binance Blog IAMAI加盟

画像引用:Binance Blog

 

IAMAIはRBI(インド準備銀行)が仮想通貨取引の禁止を発表した際、先陣を切って反対声明を出していた組織として知られていますが、Binance Blogで発表された内容によると、IAMAIに加盟した目的は以下のように説明されています。

 

この新しい協力には、世界中の業界のベストプラクティスを実装する取り組みと、それに続く主要な国際交流が含まれ、インドの暗号化およびブロックチェーン業界の成長と発展を共に目指します。

引用:Binance Blog Google翻訳

 

そしてIAMAIのヴァイスプレジデントであるGaurav Chopra氏の言葉として、以下の内容を伝えています。

 

さまざまな国での法規制コンプライアンスの実践的な経験を踏まえ、Binanceや他の業界のプレーヤーと協力して、インドでの暗号資産の建設的なポリシーフレームワークの開発、他の取引所がインドで順守するのを支援、強力なフレームワークを開発するのを支援し、潜在的なリスクを管理しながらイノベーションを実現します。

引用:Binance Blog Google翻訳

 

つまりGaurav Chopra氏は、仮想通貨に対する規制が異なる各国での仮想通貨取引所運営経験があるBinanceが、インドの仮想通貨を取り巻く厄介な環境に対して、どう取り組んでいくべきかをアドバイスしてくれることを望んでいるわけです。

 

インドの仮想通貨環境が市場に与える影響力

冒頭でご説明したように、インドは中国に次いで世界第2位の1,366,418(単位:千人)人もの人口がある国です。

しかもそのうちの3億人は中流階級の人々であるといわれています。

これだけでも仮想通貨市場に大きな影響力があることが分かるでしょう。

 

さらにインドでは、銀行口座を持っていない人が2億人近くいるだけでなく、インド国内で違う地域に移動して働いている人々は1億4,000万人近くいるとされています。

加えて、インド以外の他国に働きに出る人口も非常に多いのが実情です。

 

これらの人々にとって、国内や海外からの送金は非常に重要ですが、銀行口座を保有していなければ仮想通貨による送金に頼らざるを得ないわけです。

つまり、送金手段として仮想通貨は非常に重要なものとなっているわけです。

 

仮想通貨を投資目的で使う人が多いだけでなく、送金手段として利用する人の数が膨大なため、仮想通貨市場に非常に大きな影響力があることから、仮想通貨業界全体がインドの仮想通貨を取り巻く環境に注目しているのです。

 

まとめ

インドの仮想通貨を取り巻く環境がまた厳しいものになりつつある現状と、Binanceがこれまでの経験を活かすためにインドのデジタル業界団体に加盟したことについてご説明しました。

 

最初は中央銀行が禁止し、今度は政府が禁止案を計画しているなど、インドは徹底して仮想通貨を排除したい考えのようですが、その背景にはインドの法定通貨であるルピーのインフレが影響していることが考えられます。

法定通貨の地位を守る意思が働いた結果が、仮想通貨の禁止に向かっているのでしょうが、国民にとって何が重要なのかをインド政府は理解すべきでしょう。

 

仮想通貨の値動きに大きな影響力を持つインドの状況には、今後も注意しておく必要があるといえます。

 

海外の仮想通貨デリバディブ取引は、高水準のリスクを伴う投資であり、全ての投資家に適した投資ではありません。海外の高倍率のレバレッジは少額の資金で証拠金を上回る取引を行うことができますが、仮想通貨は急激な価格変動も多く、短期間に利益を出せる一方で、証拠金の大部分や全てを失ったり、取引額が証拠金を上回っていれば、証拠金額等を超える損失が発生するケースもございます。損失に耐えられない資金投資はするべきではなく、海外業者で仮想通貨FX取引を始めるにあたっては、投資目的やご自身の経験、リスクの許容範囲などを含めて慎重にご検討し、取引内容を十分にご理解いただいた上で、ご自身の責任と判断において取引を行ってください。

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