半減期が迫ってもBTC預入額が減少する意味
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- 2020.05.07.
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新型コロナウイルスによって50万円台にまで価格が落ち込んだビットコインは、半減期まで残り1週間を切った2020年5月6日現在のtradingviewでは、96万円台にまで価格が回復しています。
2020年4月30日には100万円を超えるまで上昇していたものの、そこから若干落ち込んだ状態で推移しているわけです。
半減期までの残り数日間に、ビットコイン価格はどのような動きになっていくのでしょう。
また半減期を迎えた後、将来的にビットコイン価格はどうなっていくのでしょうか。
今、ビットコインを購入したり、仮想通貨FXでいう「買い」ポジションを持つべきなのでしょうか。
今後のビットコイン価格の動きを知る手がかりにもなりそうなデータが公表されました。
それは、仮想通貨取引所にビットコインを預け入れているボリュームが極端に減少しているというものです。
どうしてビットコイン預入量が減少しているのでしょうか。
今回はこのことに焦点を当てて紹介しましょう。
仮想通貨取引所へのBTC預入量が大幅減少
2020年5月6日現在のビットコイン価格は96万円台となっており、大きく価格が落ち込んだ2020年3月から回復しつつあります。
この背景には、半減期まで残り数日であることも大きく影響しているのでしょう。
半減期にはビットコイン価格が上昇するといわれているからです。
事実、価格は上昇しつつあるわけですから、この説もあながち間違いとはいえません。
しかし過去の事例では、半減期が迫ったことでビットコイン価格は高まっても、その後は一時的に下落していたことが知られています。
つまり少しでも効率的に利益を出そうとするなら、今ビットコインを保有している人は価格が高いうちに売り抜ける必要があるということです。
すなわち、仮想通貨取引所に持っているビットコインを保管しておかなければ、すぐに売ることができないわけです。
しかし仮想通貨分析企業であるGlassnode社のデータで、ビットコイン価格が上昇しつつあるにもかかわらず、仮想通貨取引所に預け入れられているビットコイン量が大きく減少していることが分かりました。
以下のグラフは、2019年8月25日から2020年4月2日までのビットコイン預入ボリュームをあらわしたデータです。
オレンジ色のラインはビットコインの交換比率、つまり仮想通貨取引所に保管されているビットコインのボリュームをあらわし、黒いラインはビットコイン価格をあらわしています。
画像引用:Glassnode studio
このグラフをみると、ビットコイン価格が大きく下落した2020年3月中旬ごろから、ビットコインの預入ボリュームが大きく減少していることが分かるでしょう。
しかも価格が回復傾向に転じていても、預入ボリュームが増えていません。
このデータに注目するArcane Research
仮想通貨の分野で、組織に特化した分析と研究を提供しているArcane Research社もGlassnode社のこのデータに注目しており、同社のTwitter上で言及しています。
預入ボリューム低下の理由とは
仮想通貨取引所に預入しているビットコインのボリュームが大きく減少する理由には、どのようなものがあるのでしょうか。
管理や保管サービスの利用
近年は仮想通貨の管理や保管などをおこなうカストデイサービスが充実してきており、仮想通貨取引所からこれらのサービス企業にビットコインを移している可能性が考えられます。
ただこのケースでは短期的な管理や保管は考えにくく、長期に渡って管理などを依頼するケースが多いはずです。
取引所のプラットフォームに対する不信感
仮想通貨取引所のプラットフォームに対して不信感を抱いており、取引所離れにつながっているケースも考えられます。
つまりサービスの不具合などによって、損失を被ってしまう場合です。
近年であれば2020年2月にBitMEXで起きたXRP/USD取引での「フラッシュ・クラッシュ」などです。
「フラッシュ・クラッシュ」は、瞬間的に大きく価格が下落することを指し、市場取引がコンピューター化されていることが原因で起こるといわれており、仮想通貨取引所だけでなく、株式市場や外国為替証拠金取引でも時々起こっています。
仮想通貨取引所だけで起こっている問題ではないので、このことが原因で預入ボリュームが一気に減少することは考えられないでしょう。
ハッキングに対する警戒
これまでに仮想通貨取引所は何度もハッキング被害を受けており、流出してしまう危険を回避するため、取引所に預けないようにすることが考えられます。
ただ仮想通貨取引所に対するハッキングは以前から何度も起こっていますが、2020年3月に仮想通貨取引所への預け入れを拒否するような大きな出来事は起こっていませんので、ハッキングに対する警戒感が原因とは考えにくいといえます。
長期保管に備えコールドウォレットで保管
上記以外に考えられる理由として挙げられるのは、長期保管を考えているため、自分のコールドウォレットで保管するというものです。
これにはもちろん、上記で挙げた仮想通貨取引所のハッキングなども考慮したうえでのことでしょう。
仮想通貨取引所にビットコインを預けておけば、すぐに取引しようとした場合でもスムーズに取引が可能です。
しかし長期的な安全性を考慮すると、自分でコールドウォレットに保管しておく方が最も安全で確実な方法といえます。
これらの理由から、長期保存をするためというのが最も妥当な理由だと考えられます。
これはつまり、「ビットコインは長く持っていれば価格は上昇していく」と考えているのではないかと予想できるわけです。
半減期を短期的でなく長い目でとらえる
「ビットコインは長く持っていれば価格は上昇していく」という考えに近いものとして、ビットコインの半減期を短期的な視点でとらえるのではなく、あくまでも価格上昇のための「前向きな触媒になる可能性」としてとらえるという考え方があります。
この「前向きな触媒になる可能性」については、2020年5月3日のニュース記事「投資ファンドがビットコインに投資すべき理由を公開」でご説明しました。
また半減期を短期的な視点でとらえるのではないことについては、2020年5月2日のニュース記事「ビットコインの価格予想に半減期は無意味との説」でご紹介しています。
これまでビットコインの半減期については、短期的に価格が上昇するのかどうか、上昇するのならどこまで上がるのかなど、単なる価格が上昇するイベントとしてしか議論されていないのが現実でした。
しかし実際には、半減期を単なる触媒として見ている人が多い可能性があることが分かったわけです。
そして、仮想通貨分析企業やブロックチェーン企業、仮想通貨取引所、仮想通貨アナリストなど、仮想通貨の専門家と呼ばれる人々の発言やレポートなどがニュースで報道されていますが、もしかすると一般のトレーダーはそんなこと、報道されるまでもなく肌で感じているのかもしれないのです。
もちろん、全ての仮想通貨取引や仮想通貨FXをおこなっている人すべてではないかもしれませんが、多くの人が既に感じていることをニュースなどで理由の後付けをしているのかもしれません。
まとめ
ビットコインの半減期が間近に迫っており、なおかつ価格も上昇しつつあるにもかかわらず、仮想通貨取引所に預入しているビットコイン量が大幅に減少していることについてご説明しました。
本記事の内容はあくまでも事実に基づいて考察を広げたものであり、半減期を前にして今後価格は上昇していくか、また実際にビットコインを取引している人々が、半減期を単なる前向きになる触媒として考えているかを断言することはできません。
しかしもし考察通りであったとするならば、その考え方は今後のビットコインにとって非常に重要であり、ビットコインの将来に期待している人が多いと言い換えることもできます。
また長く保管するだけの価値のあるもの、すなわち将来的に価値はもっと高まっていくと考えている人が多いということでもあります。
今後の仮想通貨FX取引の参考になさってください。