いよいよ中国マネーがビットコインに再流入か?
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- 2019.09.05.
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- いよいよ中国マネーがビットコインに再流入か?
一時はビットコイン市場に大きな影響力を誇っていた中国マネーは、中国政府の仮想通貨に対する規制によって、市場への流入が大幅に減少してしまいました。
しかしここにきて中国の景気減速と人民元安などにくわえて、ビットコインの価格上昇気配などから、再び中国マネーがビットコイン市場に流れ込むことが期待できると説明する専門家も出てきました。
このニュースに関する詳細に加え、中国のビットコイン事情なども含めてご説明しましょう。
専門家が中国マネーの出戻りの可能性を指摘
仮想通貨のICOやマイニング規制などによって、仮想通貨取引量が世界一であった中国の仮想通貨業界は低迷してしまいましたが、ここにきて再び中国マネーが仮想通貨市場に流れ込む可能性が高まっていると指摘しているのが、米仮想通貨ファンドマネージャーであるDovey Wan氏です。
画像引用:cryptoslate.com
同氏は2019年9月3日に公開されたBinanceのPodcast Episode 19 の中で、ビットコイン市場に活気が戻ればボラティリティも高まり、それとともに中国マネーが再び流入するだろうと述べました。
同氏がそう語る根拠は、本来中国の投資家が好むのは安定している株などの市場ではなく、よりボラティリティが高い市場、つまり仮想通貨市場だったものの、ビットコイン市場が低迷していたことから参入することをためらっていたという点です。
すなわちビットコイン市場で以前のようなボラティリティが復活すれば、中国マネーが再び流入すると読んでいるわけです。
同氏からの投資家に対するコメント
また同氏は投資家に対して、投資している商品のROIはビットコインと比べて優れているのかどうか、3~5年間ほどは比べておく方が良いとの旨も発言しています。
これはつまり、ビットコインはROIに優れた投資対象であり、現在の投資対象を見直す必要があるのではないかと疑問を呈していることになります。
ROIは投資した資金がどれほど利益を生んでいるのかを知るためのもので、以下の算出方法で導き出すことができます。
利益 ÷ 投資額 × 100% = ROI
計算式で出されたROIの数字が高いほど効率よく投資ができたということになります。
中国の景気低迷と元安も再流入に影響
実は中国マネーがビットコイン市場に再流入する可能性を論じているのは、Dovey Wan氏だけではありません。
大手メディアReutersも2019年8月18日に、中国人投資家が仮想通貨に再流入する可能性について記事にしています。
それによると、米中貿易戦争が激しさを増し、なおかつ人民元安が進むことで中国独特の店頭市場でも取引が増えてきているなど、中国人投資家が仮想通貨市場に流れ込む動きが際立ってきているようです。
中国での仮想通貨取引は禁止されていますが、実際には取引されていないわけではなく、OTCなどで取引きされ続けてきました。
また規制を回避するために、わざわざ人民元で米ドルと等価のステーブルコインであるテザー(USDT)を購入し、それでビットコインを購入するという面倒な方法も使われています。
テザーの市場ドミナンスが上昇したのは、中国のこのような事情が背景にあるといわれています。
しかし投資家は規制の網をかいくぐってビットコインを取引していたため、中国における仮想通貨取引量を把握することは非常に困難で、どれほど取引量が増えているかを知るためのデータは皆無に近い状況です。
Andy Cheung氏が把握できた状況
マルタに拠点を置く仮想通貨取引所OKExの最高執行責任者(COO)であるAndy Cheung氏が語ったところによると、米中貿易戦争によって引き起こされた景気低迷と人民元安によって中国経済に対する懸念が膨らみ、中国の大口投資家の人民元を仮想通貨取引に向かわせる原因になっているとのことです。
Andy Cheung氏の言葉を裏付けるように、人民元が急落した2019年8月5日にはビットコインが7%上昇しており、仮想通貨市場全体の時価総額も9%しました。
この状況に対して、中国の人民元によって相当量の仮想通貨が買われているのではないかとの推測が飛び交いました。
Mati Greenspan氏が把握できた状況
仮想通貨取引所eToroのシニアアナリストであるMati Greenspan氏によると、1ドルが7元以上のドル高(人民元安)のタイミングで仮想通貨の取引量が増えただけでなく、株式に対する取引量が減少していたと述べています。
また中国人民銀行が人民元安を認める政策を発表した際にも、eToroでは取引量が2倍に膨れ上がっていたとのことです。
しかし仮想通貨が誰によって買われたのかは分からず、中国の投資家かどうかは不明とのことです。
その他関係者が把握できた状況
中国が経済的に不安を感じる状況下で仮想通貨取引が増えていることを語っているのは、Andy Cheung氏やMati Greenspan氏だけではありません。
ブロックチェーン企業や仮想通貨ファンドなどの関係者も仮想通貨の取引量が増えたことや、米中貿易戦争の激しさが増したこの3ヶ月で仮想通貨取引量が倍以上に増えていることを指摘しています。
いつ中国マネーが再流入してもおかしくない
米中貿易戦争の影響から、中国が経済不安に陥っていることは明らかです。
そして前述したように、その不安が高まるほどビットコインをはじめとする仮想通貨に投資する投資家が増えていることも明らかでしょう。
加えて、米中貿易戦争は解決の糸口さえ見えない状況が続いています。
またもうひとつ忘れてはならない事実があります。
中国は、政府が規制をする前には仮想通貨の取引量が世界一だったということです。
つまり中国の投資家は仮想通貨取引に対して抵抗感が少ないといえるわけです。
こうなってくると、冒頭で紹介したDovey Wan氏の説、すなわちボラティリティが高まって中国マネーが再流入するのはどのタイミングなのかということが重要になってきます。
下の図は、2019年9月4日現在の直近1ヶ月のBTCUSDチャート図です。
2019年8月29日に大きく値を下げてから、現在は再び持ち直して推移しています。
これはボラティリティが高まってきているという見方をすることもできるのではないでしょうか。
画像引用:tradingview BTCUSD
まとめ
中国マネーがいつビットコイン市場に流入してくるのかという疑問を解消できそうなニュースを紹介しました。
米中貿易戦争は混迷を極めており、人民元安もとどまるところを知らないように下がり続けています。
それだけでも中国の投資家がビットコイン市場に流れ込む可能性は高まっているはずです。
それに加え、ビットコインのボラティリティが高まってきている現在、大幅な流入が近々あるのかもしれません。
中国の投資家は、ビットコインに投資することに抵抗感はありません。
今も規制を逃れながら取引をしているわけですから、おそらく、今か今かとタイミングを伺っているのではないでしょうか。
もし中国マネーが一気にビットコイン市場に流入してくれば、値動きはこれまでと全く異なる動きをするはずです。
これは仮想通貨FX取引に絶好のタイミングではないでしょうか。
中国の投資家の動きが気になるようであれば、しばらくの間はチャートから目を離さない方が良いのかもしれません。