PlusToken出口詐欺がBTC急落に影響か?
- ビットコイン
- 2019.08.17.
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- PlusToken出口詐欺がBTC急落に影響か?
2019年8月6日時点で130万円ほどまで上がっていたビットコイン価格が、ここにきて急落し始めて、8月15日には102万円台にまで落ち込んできました。
ビットコインは国際的な経済不安や先行きが見えない場面で、資産の逃避先として有効だとされています。
米中貿易戦争や香港デモ、英国のEU離脱など、世界は混乱し始めており、金相場もこれまでにない高値を付けています。
高値を付けていたビットコインが急落する要素は見当たらないのですが、急落する要素はどこにあるのでしょうか。
実は、急落の一つの要素ではないかといわれる事件が起こっています。
それがPlusTokenの出口詐欺事件の残党によるビットコインの資金移動、つまりマネーロンダリングと売りです。
PlusTokenの出口詐欺事件とはどのようなものなのでしょうか。
またビットコインの資金移動や売りはどのようなものだったのでしょう。
詳しくご説明しましょう。
PlusToken出口詐欺の被害通貨が急落一因との見方
中国のねずみ講詐欺として有名になってしまったPlusTokenによって騙し取られた被害額は30億ドル相当だといわれていますが、騙し取られた大量のビットコインが売られたことが急落の一因だという見解を出す有識者が現れました。
見解を発表したのは、仮想通貨ファンドを専門に扱っているPrimitive Venturesの共同設立者であるDovey Wan氏です。
同氏の見解では、2019年8月15日にビットコインが前日比でおよそ6%急落したのは、騙し取られたビットコインが大量に売られたことが一因だと述べています。
画像引用:Primitive Ventures Twitter
PlusTokenの出口詐欺事件について
PlusTokenの出口詐欺事件とはどのようなものなのか、ご説明しましょう。
PlusTokenは、仮想通貨を預けておくだけで自動的に増えていくと宣伝されていたウォレットのことで、月利は10%変動制で、一定条件をクリアすることで手数料が50%還元され、なおかつアフィリエイトによって毎日報酬を得ることができるというものでした。
この説明だけを聞いていると、まさに理想的なものに思えてきます。
ただしあまりにも理想的過ぎるからなのか、ハッカーに狙われる恐れがあるために運営会社や会社の詳細、これに関わるメンバーなどは公開できないとされていました。
これらのデータが公開できないという時点で、怪しそうなプロジェクトのように思えますが、ウォレットに仮想通貨を預けるだけで資産が増えていくこと自体、あり得ない仕組みです。
また他の取引所などと大きく異なるのが、他の誰かをPlusTokenに誘い、その人がメンバーになれば紹介料をもらえる仕組みでした。
早い段階でPlusTokenのメンバーになった人には紹介料などが入ってきていたようですが、典型的なねずみ講の仕組みになっていた結果、2019年6月27日に機能不全になったとしてウォレットに預け入れていた仮想通貨を引き出せなくなっていました。
PlusTokenは中国国籍のメンバー数人によって運営されており、中国、韓国、日本で営業していましたが、この出口詐欺によって首謀者のうち数人は中国警察に逮捕されています。
画像引用:Dovey Wan Twitter
なお出口詐欺とは、顧客に資産を取り出すタイミングを与えなかったり、資産を動かせないようにして、預かっていた資産を持ち逃げする犯罪のことを指します。
仮想通貨の場合には、上場廃止の際に顧客が取引できるタイミングをわざと作らないようにしたり、メンテナンスと称して機能を停止し、そのまま逃げてしまうケースなどがあります。
この事件の厄介な点
PlusTokenの出口詐欺事件は上記のようなものでしたが、厄介なことに、この事件の被害者である投資家たちから騙し取った仮想通貨は、現在も返金できていない状態です。
それは警察がウォレットのロックを解除できないからです。
そしてもう一点厄介なことがあります。
それは今回の事件で逮捕されたのは、PlusTokenの首謀者全員ではなく、まだ数人のメンバーが逮捕されずに残っているようであることです。
詐欺にあった資産の行方
前述のDovey Wan氏が調べたところによると、PlusTokenのアドレスは幾つかあり、それぞれに相当量のBTCが保管されているようです。
その合計は201,712 BTCにもなり、ビットコインの供給量である2100万BTCのおよそ1%にも上ります。
中国のブロックチェーンセキュリティ企業であるPeckShield社が調査したところによると、PlusTokenのウォレットから最大1,000BTCが仮想通貨取引所であるBittrex、そしてHuobiに送金されているとのことです。
その時期は2019年7月初旬であり、売りも7月初旬から徐々に行われていたようです。
以下の画像は、PeckShield社が騙し取られた資産を追跡し、その流れを可視化したものです。
犯人は実に細かく、分散するように移動させていることがお分かりいただけるでしょう。
画像引用:Dovey Wan Twitter
逮捕されていない犯人が資産移動
PlusTokenの出口詐欺犯人の首謀者は今からおよそ二ヶ月ほど前、バヌアツ共和国で6名が逮捕されていますが、その後も詐欺にあった資金が移動しています。
つまりまだ秘密鍵を持った犯人の一味が残っており、資金洗浄を繰り返していると考えられます。
しかも今現在でもそれは続けられており、50BTCや100BTCなど、一気に送金するのではなく小分けにされて仮想通貨取引所に送金されているようです。
Dovey Wan氏はTwitter上から仮想通貨取引所や関連企業に対し、資金洗浄につながる資金移動を阻止するよう訴えていますが、実際にどれほどの効果があり、阻止できるものかどうかは定かではありません。
ビットコイン価格への影響
この犯行グループの一味がビットコインを売ったことにより、2019年8月15日に6%下落したといわれています。
8月15日に下落したのは、以下の画像の赤枠部分です。
画像引用:cc.minkabu.jp
このビットコイン価格の下落が、犯行グループがビットコインを売ったことが原因とは断定できませんが、少なくとも下落の一因になっていることは間違いないでしょう。
一日も早いマネーロンダリング対策を
このような詐欺事件が横行するのは、仮想通貨市場にマネーロンダリングができる環境があるからです。
例えば、100BTC以上の送金の際には、送金者と受金者の情報を確認して記録するなどの方法を示したG20大阪サミットで採択された金融活動作業部会(FATF)ガイダンスが一刻も早く形にされるか、もしくは仮想通貨取引所などに自主的に対策を取ってもらうしか方法はありません。
それができなければ、仮想通貨における犯罪を効果的に防ぐことができないばかりか、犯罪を助長するものと認識され、世の中に定着しづらい環境になってしまうのではないでしょうか。
まとめ
仮想通貨取引は投資対象としてまだ新しい分野であり、このような出口詐欺以外にも色々な犯罪が横行しています。
これらの犯罪対策が完全なものになるまでは、仮想通貨取引をおこなう人自身が防衛策を考えておかなければなりません。
そして、PlusTokenの出口詐欺のように、ウォレットに預けておくだけで増えていくなどの甘い言葉には必ず裏があることを肝に銘じておくようにしましょう。
それが自分自身の大切な資産を守る最も強い防御策になるはずです。