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香港デモがビットコイン需要を高める動きに

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  • 2019.08.20.

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  • 香港デモがビットコイン需要を高める動きに

香港での逃亡犯条例改正デモは未だ収まる気配をみせず、中国政府は武力で鎮圧しようという動きをみせたものの、貿易戦争の相手国である米国から天安門事件のようにならないよう監視するとの発表を受け、身動きが取れない状態になっているようです。

その影響などもあるのでしょうか、デモはこれまでにないほど長期化しており、予断を許さない状況です。

 

そんな中、香港で抗議行動をおこなっているリーダーが香港市民に対して、銀行からお金を引き出してしまうよう呼び掛けているとのことです。

その狙いはどこにあるのでしょうか。

また銀行から引き出されたお金は仮想通貨や金などに流れているようです。

どうしてこのような流れになっているのでしょうか。

詳しくご説明しましょう。

 

独立支持運動家が銀行預金引き出しを呼びかけ

大規模デモの収拾がつかなくなっている香港で、2019年8月16日、香港の独立を支持する運動家であり、香港国民党の議長でもあるChen Haotian氏が、国民に対して銀行預金の引き出しを呼び掛けました。

Bitcoin.com

画像引用:Bitcoin.com

 

この呼びかけの狙いは、中国人民銀行が香港経済に与える影響力を少なくするために銀行から香港ドルを引き出してしまおうというものです。

もちろんねらいは中国銀行ではあるのですが、中国銀行は預金が枯渇すれば、他の銀行から融資を受けることができるため、それも防ぐための措置とのことです。

これはつまり、日本でいうところの取り付け騒ぎを引き起こそうというものです。

 

香港の銀行の今後

もし香港にあるほとんどの銀行から国民が預金を引き出したとすると、銀行はその全てに対応しきれなくなる可能性が高くなります。

そうなると銀行経営法によって銀行は機能しなくなってしまい、中国からの経済的影響力が少なくなると考えられます。

 

引き出した預金の行方

では銀行から引き出された預金はどう扱われるのでしょう。

引き出された香港ドルは米ドルや仮想通貨、金などに交換されているようです。

その証拠にPeer to Peerにおける仮想通貨市場では、香港エリアからの取引額が急激に増え、数週間の短い間に300万香港ドルから600万香港ドルへと、ほぼ倍に膨れ上がっています。

短期間に取引額が倍になることは普通の状態ではありえないことです。

どれほど多くの香港の人々が仮想通貨市場に流れ込んだのでしょう。

 

取り付け騒ぎの副次的効果

実は今回の香港における散り付け騒ぎには大きな副次的効果があります。

それが上記の項で説明した米ドルや仮想通貨への換金です。

香港の人達が自由に米ドルや仮想通貨に換金できるということは、資産や通貨は自分たちの好きなものを選ぶことができるだけでなく、香港の経済は中国銀行とその背景にいる中国の思い通りにはさせないという意思を示すことにもつながるわけです。

 

もちろん、銀行から引き出した香港ドルを仮想通貨に換金した人の中には、多額の現金を香港ドルで持っていても価値が今後どうなるか分からないという不安から仮想通貨に走った人もいるでしょう。

つまり、中国への抵抗のために仮想通貨に換金した人ばかりではないだろうということです。

そればかりか、香港のデモが今以上に長期化すると、香港ドルの価値に対する不安が今以上に広がっていき、仮想通貨に流れる人はますます増えることが予想されます。

 

SNSによる抗議行動の拡充

今回の香港逃亡犯条例改正デモに関する報道を見ていると、非常に多くの人がデモに参加しており、デモ自体が何度も繰り返されていることが分かります。

どうしてこのように抗議行動が拡大していったのでしょう。

 

それにはもちろん、大きな民意が働いていることは無視できません。

しかしそれだけが原因で抗議行動が拡大・充実していったわけではありません。

それは現代ならではのSNSの存在が大きくかかわっています。

 

SNSなら世界中の人々を味方にすることもでき、一緒に抗議行動をする仲間を作ることもできます。

抗議行動の場所や時間もSNSを通じて呼びかけることもできるはずです。

香港の銀行に対する取り付け騒ぎについてもSNSで拡散されており、銀行に対する働きかけは今後ますます激化してくることが予想されます。

 

金価格の高騰

8月15日の当サイトのブログ記事として、「国際情勢は金だけでなくビットコインも高騰させる?」を掲載いたしました。

その記事でも記述しましたが、金価格が40年ぶりに高騰し、年初価格と比較すると13%も値上がりしています。

 

金は時代や世情がどのように変わっても、その価値が変わることはありません。

それゆえに安定資産としての地位を保つことができてきたのです。

それがここにきて高騰するということは、資産の逃避先になっているのではないかということがいえます。

その背景には米中貿易戦争の影響もあるでしょうが、香港のデモによる資産逃避になっているために高騰していることも考えられます。

 

香港の取り付け騒動が今以上に激しくなり、その時に金価格が今より高騰していたとしたら、それは香港の人達が銀行から引き出した香港ドルが金に換わったという可能性が大きいということでしょう。

 

香港プレミアムが発生していたビットコインの今後

Chen Haotian氏による銀行預金引き出しの呼びかけは8月16日におこなわれていました。

しかしその呼びかけをおこなう以前に、香港ではビットコインがおよそ4%のプレミアムで取引きされていました。

これ以外にもP2P取引サイトLocalBitcoinsでは、15日の段階でプレミアムが付いていました。

LocalBitcoins 8月20日香港ドルbuying bitcoins

画像引用:LocalBitcoins 8月20日香港ドルbuying bitcoins

 

このプレミアムが付いた状態は、香港でのデモが強制排除され始めたころから見られましたが、銀行預金引き出しの呼びかけに反応して、香港プレミアムが付いた状態のビットコインがさらに高騰することが十分予想されます。

この反応が、世界中のビットコインに影響する可能性がないとはいえないでしょう。

 

まとめ

香港のデモは今までのデモとは異なり、中国に対する経済的な抵抗にステージが移行しつつあり、もはや逃亡犯条例改正デモという呼び方さえ違和感を感じるほど、複雑な要素が絡み合っています。

 

今回説明した、銀行預金引き出しの呼びかけの動きがビットコイン価格に直接影響するかどうか定かではありませんが、資産の逃避先としてビットコインが選択されていることに疑う余地はないようです。

 

現在ビットコイン価格は一時より大きく下げてしまっているようですが、その要因について納得できる解説は少ないのが実情です。

しかし、もしビットコインを資産逃避先としてとらえている投資家が多いのであれば、今後のビットコイン価格は今のままとどまることはないはずです。

 

もし香港デモの影響でビットコイン価格が今より高騰してきたとすれば、その影響は香港だけでなく、世界中に波及する可能性もあります。

香港デモの今後と中国がそれに対してどう対応するのかに注意しておく必要があるでしょう。

 

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