サークルKがビットコインATMを導入
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- 2019.06.28.
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コンビニエンスストアチェーンのサークルKがビットコインATMの導入を発表しました。
日本では、サークルKはファミリーマートとなり、全て消失してしまいましたが、ビットコインATMを導入したのはアメリカでの事例です。
日本でビットコインATMはほとんど見かけることはありませんが、アメリカでは日本より多くのビットコインATMが存在しています。
サークルKのビットコインATM導入のニュースに加え、アメリカのビットコインATM事情についてもお話ししましょう。
サークルKとDigitalMintが提携しビットコインATMを導入
アメリカではガソリンスタンドなどに併設されていることが多いコンビニエンスストアチェーンのサークルKが、ビットコインATM事業やビットコインテラーなどを事業の柱とするDigitalMintと提携して、ビットコインATMを導入したことを発表しました。
画像引用:prdistribution.com
導入されたビットコインATMはアリゾナ州からネバダ州にかけ、20店舗に設置されています。
このビットコインATMの導入によって、サークルKとしては利用しやすい価格でビットコインにアクセスできるため、ガソリンスタンドだけでなく併設されたコンビニエンスストアにも利用者を誘引することを目的にしているのでしょう。
DigitalMintもATMを大幅に増やすことができ、利用者の拡大につないでいくことができます。
ビットコインATMとは
ビットコインATMは法定通貨でビットコインの購入ができるだけでなく、ビットコインを法定通貨に換えることができるもので、銀行のATMなどとは少し機能が異なります。
法定通貨でビットコインを購入する際には、購入額の法定通貨をATMに入金し、既に持っているウォレットをかざせばビットコインが送金されてきます。
ビットコインを法定通貨に換金するには、ビットコインを保管しているウォレットをかざしてATMに送金すれば、ビットコインに応じた法定通貨がATMから出金されます。
ビットコインATMを使う意味とは
ビットコインATMは仮想通貨取引所などのように面倒な手続きがなく、ウォレットさえ持っていれば誰でも簡単にビットコインを購入したり、売却して法定通貨に換金することができます。
例えば、日本で購入してあったビットコインをウォレットに保管しておけば、海外に行った際、その国の通貨にその場で交換することができるわけです。
しかも24時間、365日自由に利用することができます。
もしビットコインが旅行中に高騰していたなら、ビットコインATMを使えば、高騰した分の法定通貨をすぐに手に入れることも可能です。
便利なことばかりのように思えるでしょうが、ビットコインATMは手数料が取引額の5~10%程度と高額になっています。
また、国によっては設置台数があまり多くないというのもデメリットといえるでしょう。
そしてもうひとつ注意しておかなければならない点があります。
それは仮想通貨取引で利益が年間20万円以上出た場合には、確定申告をしなければならないということです。
つまり、外出先でビットコインATMを使ってビットコインから日本円に交換した場合、年間の利益額が20万円以上あったなら、それは課税対象になることを覚えておかなければなりません。
世界と日本でのビットコインATMの設置状況
世界で初めてビットコインATMが設置されたのは2013年で、バンクーバーにあるコーヒーショップでした。
設置されたのはRobocoin Technologies社製のATMでした。
現在、ビットコインATMは世界で5,000台以上設置されていることが世界中のビットコインATM MAPをまとめて掲載している「Coin ATM Radar」の報告で分かっています。
画像引用:Coin ATM Radar
このサイトで調べてみると、現在最も多くビットコインATMを設置しているのはアメリカの3238台で、次いでカナダの687台、そしてオーストリアの266台と続いています。
アメリカの都市別での設置状況を見ると、最も多く設置されているのはロサンゼルスの337台で、次いでシカゴの240台、そしてマイアミの168台となっています。
またニューヨークは122台で、サンフランシスコには83台となっており、大都市だから多いという規則性があるわけでもなさそうです。
ただし、「Coin ATM Radar」はATM設置の連絡などを受けて情報を更新していますが、設置が解消されたなどの情報は反映されていないようですので、世界的な設置台数についても正確な情報かどうかは不明です。
日本には3台設置となっており、内訳は福岡に2台、東京に1台と表示されていますが、実際には広島市と筑波市、東京の六本木に設置されているようです。
色々な種類があるビットコインATM
ビットコインATMについて「Coin ATM Radar」で調べてみると、色々なタイプのビットコインATMがあることが分かります。
まずビットコインだけしか売買できないタイプのATMが多く、しかも買うことはできるが売ることはできないタイプのもの、もしくはその逆の売ることはできるが買うことはできないものタイプのものが混在していることです。
もちろんビットコインだけでなく、アルトコインまでも売買できるタイプのATMもありますが、それにも買うことができるが売ることはできないタイプ、売ることはできるが買うことができないタイプなどもあります。
画像引用:Coin ATM Radar
上の画像はアメリカのあるビットコインATMの詳細を調べたものですが、赤枠の中に取り扱い通貨について詳細が書かれています。
これを見ると、このATMで扱っている仮想通貨はbitcoinとbitcoinCash、Ether、Litecoinだということが分かります。
ただしここでは買うことだけしかできず、売ることはできないようです。
またアメリカにあるビットコインATMですから、対応している法定通貨はUSDということが分かります。
理想的な仮想通貨ATMとは
ビットコインATMの実情について紹介しましたが、ご覧になったように仮想通貨をATMで完全に扱えるようになったとは言い難い状態でしょう。
またビットコインATMで最も多く扱われているビットコインですが、通貨としての役割より、投資対象としての色合いが強く、ボラティリティが大きすぎるのが通貨になりにくい要素であるといえます。
そのため現在稼働しているビットコインATMも、本来は通貨としての充実度を高めるためのものであるにもかかわらず、実態は利益が出た時に簡単に現金化できるATMを利用しているという構図ではないかと推察されます。
もし仮想通貨に通貨としての役割を担わせるのであれば、ビットコインがより世の中から信頼される存在となるか、もしくはステーブルコインのような法定通貨を裏付けとする仮想通貨をATMで取り扱えるようにするかでしょう。
その意味では、フェイスブックが立ち上げようとしているリブラのような仮想通貨がATMで扱えるようになると、爆発的な広がりを見せるのかもしれません。
ビットコインは2019年6月末にさらに値上がりしています。
これによって世界中の人々から今まで以上に注目を集めることになるでしょう。
それが仮想通貨を今以上に広めていくと同時に、定着していくことにつながっていくのでしょうか。
もしそうなった時には、おそらくビットコインATMの設置台数も爆発的に増えているのかもしれません。