ビットコインとアルトコインの違いとは?
- アルトコイン特集
- 独自連載
- 2019.05.23.
- 特集
- ビットコインとアルトコインの違いとは?
仮想通貨の種類は2,000以上あるとされ、その中で最も代表的なものがビットコインです。
ビットコイン以外にも、リップルやイーサリアムなど、さまざまな仮想通貨があり、名前を聞いたことがある方も多いでしょう。
しかし、ビットコイン以外の通貨について詳しく知っている方は多くありません。
そこで本記事では、ビットコインとアルトコインの違いやメリット・デメリットについて解説します。
この記事を読めば、ビットコインとアルトコインの違いが理解でき、アルトコインに対する認識が変わるでしょう。
またアルトコインに投資してみようと思われるかもしれません。
アルトコインはビットコイン以外の通貨の総称
altcoin(アルトコイン)は「alternative coin(代替通貨)」から派生した造語で、ビットコインの代わりに用いられるための通貨、つまり「ビットコイン以外のすべての通貨」のことを指します。
というのも、最初に作られた仮想通貨がビットコインだからです。
ビットコインは誕生当時、非常に評価されましたが、送金スピードが遅いという欠点がありました。
そこで、人々はビットコインよりも送金スピードの速い仮想通貨を作ろうとしたのです。
もともとビットコインは、オープンソースといってプログラムが公開されており、多くのプログラマーがビットコインのプログラムをカスタマイズして、新たな仮想通貨を比較的簡単に作ることが可能でした。
そのため、ビットコインが誕生してから、すぐにビットコインの機能を改良したアルトコインが開発されたのです。
例えば、ビットコインが誕生した2年後の2011年に開発されたライトコインは、ビットコインよりも速い送金スピードをもつ仮想通貨です。
また、2014年に誕生したイーサリアムは、ビットコインよりもより柔軟なプログラム開発が行えることが特徴です。
アルトコインは、2019年現在、2,000種類以上存在するとされています。
アルトコインの中には開発が停止してしまったり、詐欺だったりした“粗悪品”との呼べるものが幾つか存在していました。
しかし現在では、アルトコインの何種類かは、仮想通貨市場においてビットコインに次ぐ重要なポジションを占めるようになっています。
仮想通貨市場の時価総額の半分を占めるアルトコイン
2009年の誕生以降ビットコインは、仮想通貨市場における時価総額の大部分を独占していましたが、2019年5月現在は、その占有率は50%程度まで低下しています。
仮想通貨市場の総時価総額における、ビットコインと主要通貨の占有率の推移をご覧ください。
画像引用元:グローバルチャート-CoinMarketCap
2017年までは仮想通貨市場の時価総額の80%以上をビットコインが占めていますが、2017年以降の占有率は50%前後となっていることがわかります。
これは、いくつかの主要なアルトコインの時価総額が大きく上昇したことが影響しているでしょう。
また、「主要通貨ではないアルトコイン」の合計値(画像の白色のライン)が市場の20%以上を獲得していますので、アルトコインの地位が全体的に上昇していることが分かります。
ビットコイン一強の時代から、アルトコインがビットコインに替わる選択肢として、大きな力をつけてきています。
アルトコインとビットコインの違い
2,000種類以上あるとされるアルトコインですが、ビットコインと明らかに違う点はどういうところでしょうか?
ざっくりした言い方になりますが、アルトコインは、「ビットコインにはない機能がある」といえるでしょう。
例えば、ライトコインは、ビットコインよりも速い送金スピードを持っていることが特徴で、仮想通貨決済に使われる代表的な通貨として普及しています。
時価総額第3位のリップルは、ブロックチェーンではなくXRP Ledgerという技術が使われており、速い送金スピードと異なる法定通貨同士を橋渡しするブリッジ通貨の機能をもちます。
アルトコインとビットコインは、開発の目的やコンセンサスアルゴリズム、ハッシュアルゴリズム、時価総額、知名度などありとあらゆる点が異なっていますが、共通して言えるのは、ビットコインの欠点を補ったり、ビットコインにはない機能を付加していたりするものが多いということです。
アルトコインのメリット
アルトコインのメリットを大きく分けると、以下の2つに集約されます。
- 大きな成長が期待できる
- 多種多彩な通貨があり奥深い
それぞれについて詳しくご説明しましょう。
大きな成長が期待できる
アルトコインの1つ目のメリットは、大きな成長が期待できる点です。
ビットコインよりも時価総額が小さいため、伸びしろが大きいと言えるでしょう。
ただし、一口にアルトコインと言っても、時価総額が1兆円を超えているイーサリアムもあれば、1万円程度の時価総額しかないもの、時価総額自体がほとんどないものもあります。
投資する際は、アルトコインのプロジェクトを精査し、成長が期待できるプロジェクトかどうかを見極める必要があるでしょう。
多種多彩な通貨があり奥深い
アルトコインの2つ目のメリットは、バラエティに富んでいる点です。
例えば、イーサリアムはアプリケーションを開発する基盤となることを目指しているプロジェクトで、決済よりも技術としての展開を目指しています。
イーサリアムを基盤としたアプリケーションが多数開発されており、通貨ETHはそのアプリケーションを動かすために消費されます。
時価総額3位のリップルは、これまで時間がかかったり手数料が高かったりした国際送金の効率化を目指すプロジェクトです。
リップル社が開発した技術を使うことで国際送金が瞬時に完了します。
ビットコインは、モノを売買したときの決済に使われることを目指していますが、アルトコインを発行するプロジェクトの目的は様々で、必ずしもビットコインと競合するわけではありません。
さまざまな目的をもったプロジェクトがあり、それぞれの業界で技術や決済用通貨としての普及を目指しています。
アルトコインを調べていくと、まるで成長する企業を探し出すような面白さがあります。
アルトコインのデメリット
アルトコインのデメリットは、大きく以下のように区分できます。
- 価格の下落率が大きい
- 種類が多すぎて選べない
それぞれについてご説明しましょう。
価格の下落率が大きい
アルトコインの一つ目のデメリットは、価格が下落するときに暴落率が大きい点です。
時価総額が小さいために、売りが強まったときの下落幅が大きくなりやすいでしょう。
種類が多すぎて選べない
2つ目のデメリットは、種類が多すぎて、どれを選べば良いのか見当がつかなくなるということです。
そもそもアルトコインは2,000種類以上あるので、ひとつひとつ精査するのは骨が折れてしまいます。
そういった方は、次のような指標で選んでみることをおすすめします。
- 時価総額が比較的高いもの
- 日本の取引所で取り扱いがあるもの
時価総額が高いということは、ある程度投資をしている人が多いということですので、プロジェクトの信頼性が高いことを示しています。
また、日本においては仮想通貨に関する規制が厳しいので、日本の取引所が取り扱っていれば、通貨の信頼性が高いといえるでしょう。
まとめ
2017年以降のアルトコインは、仮想通貨市場において存在感を増しています。
さまざまな業種で普及を目指しているアルトコインは、ビットコインにはない魅力があるだけでなく、大きな可能性をも秘めていると言えます。
また種類によっては、投資の側面だけでなく、通貨としての流通しやすさに力点を置いて登場してきたものもあります。
もしアルトコインでの投資を行ってみたいと思われたなら、時価総額が高いもの、比較的オーソドックスなもの、利用したい取引所で取り扱いがあるものなどから、投資するコインを選んでみるべきでしょう。