外貨FX経験者が仮想通貨FXでついやってしまいがちな失敗例
- 取引
- 2019.05.10.
- 仮想通貨FXブログ
- 外貨FX経験者が仮想通貨FXでついやってしまいがちな失敗例
これまでに外資FXの経験がある方は、仮想通貨FXも同じようなものだと考えていらっしゃるかもしれませんが、実は全くの別ものです。
「追証」や「ロスカット」などの仕組みに変わりありませんが、外貨と仮想通貨では性質が全く異なり、外貨FXと同じ感覚で取引してしまうと大きなマイナスになってしまう可能性もあります。
ここでは、外貨FXと仮想通貨FXの違いや外貨FX経験者がやってしまいがちな失敗、さらに失敗しないためのポイントについてご紹介しましょう。
外貨FXと仮想通貨FXの違い
外貨FXも仮想通貨FXも同じFXのルールに沿って取引を行いますが、両者は通貨の性質が全く異なっているため、全く別の取引といっても過言ではなりません。
そのため、外貨FX経験者が仮想通貨FXに取り組む際には、両社の違いをしっかりと理解しておくことが大切です。
外貨FX | 仮想通貨FX | |
---|---|---|
対象通貨 | 各国の法定通貨 | 仮想通貨 |
取引時間 | 月曜7:00前後~土曜7:00前後 (FX会社によって多少異なる) | 24時間365日 (メンテナンス時間あり) |
ボラティリティ | 仮想通貨FXより小さい | 外貨FXより大きい |
取引手数料 | 無料(一部有料の業者あり) | 有料(一部無料の業者あり) |
スワップポイント | 受け取り/支払い | 支払い |
投資手法 | 短期/長期 | 短期のみ |
対象通貨
まず、外貨FXと仮想通貨FXでは投資対象となる通貨が異なります。
外貨FXが円やドルといった各国の法定通貨を利用するのに対し、仮想通貨FXは目には見えない暗号通貨(仮想通貨)が対象となります。
取引時間
外貨FXの場合、土日は市場が休みになってしまうため、取引できるのは平日のみということになります。
また、アメリカが主要市場となっていることから、日本時間では月曜7:00前後~土曜7:00前後までというのが一般的な取引時間です。
一方仮想通貨FXはというと、外貨のように主要市場というものが存在しないため、基本24時間365日取引ができます。
ボラティリティ
ボラティリティとは価格変動のことを意味します。
外貨FXの場合、経済情勢や経済に関連する主要人物の発言などがあった際は価格が大きく変動することもありますが、仮想通貨FXと比較するとボラティリティは小さめだといえます。
これに対し、仮想通貨FXは需要と供給などがボラティリティの要因となっているため、価格変動が起こりやすいという特性があるのです。
つまり、ボラティリティは非常に高い傾向があるといえるでしょう。
取引手数料
取引手数料については、外貨FXの場合は一般的に無料となっている業者が多いですが、仮想通貨FXでは有料にしている業者が多くなっています。
もちろん中には取引手数料を無料にしている業者もありますが、売買・出金・送金とそれぞれに手数料がかかるというのが一般的です。
スワップポイント
スワップポイントとは、ポジションを持ち続けることで発生する金利のようなもので、外貨FX場合は「マイナスのスワップポイント」と「プラスのスワップポイント」が存在します。
スワップポイントがマイナスになるポジションはすなわち「売り」のことで、この場合はポジションを持ち続ける間は金利を払わなければなりません。
一方、プラスになるポジションは「買い」のことになり、逆に金利を得ることができます。
しかし、仮想通貨FXの場合は「売り」でも「買い」でもスワップポイントを支払わねばなりません。
すなわち仮想通貨FXでは、金利というよりも手数料的なものになってきます。
そしてポジションを持ち続けるほど支払う金利は大きなものになっていきます。
たとえば、スワップポイントが0.04%/日の取引所において、レバレッジ1倍で10万円分のビットコインを購入するとしましょう。
この場合以下のような計算式が成立し、1日につき40円のスワップポイントがかかることになります。
<1日当たりのスワップポイント>
10万円 × 0.04 % = 40円
こう考えると大した金額ではないように思えますが、これはあくまでもレバレッジが1倍、つまりレバレッジをまったく効かせていない状態でのスワップポイントです。
それにもかかわらず、このポジションを1年間(365日)保有したとすると、スワップポイントは年率14.6%となり、14,600円の手数料がかかってきます。
スワップポイントはレバレッジが高くなるほど大きくなるように設定されていますので、ハイレバレッジのポジションを長期間保有してしまうと、自己資金を全て失ってしまうこともあり得ます。
スワップポイントが0.04%/日の取引所で、レバレッジ別に1年間のスワップポイントをまとめると以下のようになります。
・レバレッジ1倍・・・年率14.6%
10万円 × 14.6% =スワップポイント 14,600円
・レバレッジ5倍・・・年率73%
50万円 × 73% =スワップポイント365,000円
・レバレッジ10倍・・・年率146%
100万円 × 146% =スワップポイント1,460,000円
投資手法
スワップポイントの仕組みでわかるように、外貨FXではプラスのポジションを持っていれば金利が加算されるので、決済するタイミングを長い間待つことができます。
つまり短期と長期両方の投資に向いているといえます。
これに対し、仮想通貨FXはポジションを持ち続けることで金利の支払いが膨らんでいくため、長期的な投資には向きません。
外貨FX経験者がやりがちな仮想通貨FXでの失敗
こういった仮想通貨FXとの違いを知らないまま取引をしてしまうと、当然その取引は失敗に終わる可能性が高くなります。
では、実際どんな失敗をしてしまうのか、よくある失敗例をまとめてみました。
あっという間にロスカットになってしまう
仮想通貨FXではボラティリティが高くなると紹介しましたが、この高さは外貨FXではあり得ないほどの高さになります。
外貨ペアの中でも人気が高いのが「ドル/円」ですが、仮想通貨FX(ビットコイン)のボラティリティは「ドル/円」の約10倍だといわれていますので、「あっという間にロスカットになった」という方が非常に多いのです。
ドル円相場の10倍と言われるボラティリティの高さが仮想通貨の特徴だが、これまでは機関投資家が存在せず、個人投資家だけで取引が行われてきた。
引用:世界の資産運用ガイド
価格変動の要因を理解していない
仮想通貨FXの情報収集で経済情勢を念入りに調べている方がいますが、はっきり言ってこれは全く意味がありません。
仮想通貨FXは通貨ごとに発行上限枚数が決まっており、「通貨の需要」で価格が変動する仕組みです。
そのため、その通貨の実用性や開発状況などに加え、仮想通貨に対する信頼性などに影響する出来事があると大きな値動きとなっていきます。
外貨FXとは価格変動の要因が全く異なることを理解しておく必要があります。
同じFXだからと学習せずに始めてしまう
同じFXだからという理由だけで判断し、安易に仮想通貨FXを始めてしまう方がいらっしゃいます。
しかし、ここまで紹介してきたように、外貨と仮想通貨ではボラティリティやスワップポイントなどが異なり、しかも変動要因も全く異なります。
外貨FXについて何も知らない人が仮想通貨FXを始めるより、外貨FX経験者が仮想通貨FXを安易に考えて取引する方が、失敗するケースが多いことを理解しておきましょう。
外貨FXと仮想通貨FXの税率の違いを知らない
これも仮想通貨FXの大きな落とし穴なのですが、外貨FXで得た利益は申告分離課税になりますので、課税対象は「利益の20.315%(2019年5月現在)」と固定されています。
しかし、仮想通貨FXで得た利益は分離課税ではなく、総合課税の雑所得に分類されます。
つまり、給料や他の所得と合算した総所得に応じ、5%~45%に税率が変動していきます。
例えば、総所得が4,000万円を超えると税率は45%で、半分近くが税金で持っていかれることになります。
また総所得が増えると、次年度の住民税も増えてしまいます。
仮想通貨FXの利益を外貨FXと同じように考えてしまい、後で多額の税金を支払わねばならなくなるケースもあるので、注意が必要です。
まとめ
外貨FXと仮想通貨FXはそれぞれ特性が全く異なっているため、同じFXだからと安易に取引を始めてしまうのは危険です。
外貨FX経験者だから大丈夫だと考えるのではなく、全く違うものを取引するつもりで仮想通貨FXに取り組んでみてください。
その取り組み姿勢が、きっと大きな利益につながっていくはずです。