米は仮想通貨ETFが92本以上承認待ちで、日本はやっと税制見直し
- 仮想通貨関連
- 2025.08.31.
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- 米は仮想通貨ETFが92本以上承認待ちで、日本はやっと税制見直し
2024年1月にSEC(米国証券取引委員会)によって承認されたビットコインETFは、企業や機関投資家などが多額の投資をおこなっており、今やビットコイン価格に大きな影響を与える存在になっています。
ビットコインETFにどれだけの金額が流入したか、また流出したかが連日報道されていることでもその影響力の大きさが分かるでしょう。
そしてSECでは現在、92件以上の仮想通貨ETFの申請が承認を待っている状態であると報道されました。
またFRB(米連邦準備制度理事会)のJerome Powell(ジェローム・パウエル)氏の議長としての任期が2026年5月に終了する予定となっています。
トランプ大統領はFRB議長の後任として11人を候補を挙げており、そのうち少なくとも3人は仮想通貨に前向きな発言をしていたことも報じられています。
一方の日本では、金融庁が仮想通貨に対する税制見直しをやっと正式要望するとともに、仮想通貨に対応すべく新しい専任部署を立ち上げることを発表しました。
米国と日本との仮想通貨に対する姿勢の大きな開きを実感できる、これらの報道についてご紹介しましょう。
ますます仮想通貨大国になっていく米国の仮想通貨環境
今後ますます仮想通貨大国になっていくであろう、米国における仮想通貨環境に影響を及ぼす可能性の高い事象についての報道をご紹介します。
SECでは92本以上の仮想通貨ETFが承認待ち状態
アナリストの独自の視点で産業や企業、政府動向、信用、訴訟、経済を分析し、データを提供しているBloomberg Intelligence(ブルームバーグ・インテリジェンス)のアナリストJames Seyffart(ジェームス・セイファート)氏が、2025年8月29日、現在92本以上の仮想通貨関連ETPが承認待ち状態であると、Xに投稿しました。
仮想通貨ETPとは仮想通貨上場投資商品のことで、既にある仮想通貨ETFは仮想通貨上場投資信託のことを指します。
なお仮想通貨ETFは仮想通貨ETPの種類のひとつで、仮想通貨ETPはより幅広い資産クラスの投資家が取引や利用しやすいものです。
画像引用:James Seyffart X
新着情報:米国における暗号資産ETPの申請状況と申請をすべてリストアップしました。
このスプレッドシートには92項目あります。
おそらく目を細めて拡大しないと見えないと思いますが、私ができる範囲でできる限りのことをしています。
引用:James Seyffart X Google翻訳
なお、この投稿内容で特徴的なのは、申請されている仮想通貨のなかでも件数の多いのがソラナ(SOL)とリップル(XRP)で、それぞれ8件と7件が申請されています。
これら全ての申請が承認されるかどうかは現時点で不明ですが、少なくとも今まで以上に多くの仮想通貨EFTだけでなく、より広い層が利用できる仮想通貨ETPも登場してくることは間違いないでしょう。
次期FRB議長候補の中に仮想通貨に前向きな人物
2025年8月13日にCNBCが次期FRB議長候補が11人おり、具体的な名前まで公表しましたが、その中には過去に仮想通貨に前向きな発言をしていた人物が少なくとも3人いることが明らかになりました。
画像引用:CNBC
トランプ大統領は、デビッド・ザーボス氏やリック・リーダー氏を含む11人のFRB議長候補を検討していると関係者が語る
引用:CNBC Google翻訳
CNBCが具体的に名前を挙げていた人物の中でも、これまで仮想通貨に前向きな発言をしていたのはブラックロックのグローバル債券部門最高投資責任者(CIO)のRick Rieder(リック・リーダー)氏。
そしてChris Waller(クリス・ウォーラー)FRB理事と銀行監督担当副議長のMichelle Bowman(ミシェル・ボウマン)氏です。
リック・リーダー氏は過去にビットコインについて、資産配分の一部になる可能性の高さを指摘しており、人々がより快適に受け入れていくであろうことにも言及していました。
また同氏の属しているブラックロックは仮想通貨ETFを運営していることでも知られています。
クリス・ウォーラーFRB理事は、仮想通貨決済が広がりつつあることに対して、恐れることはなく、取引や記録を移転する新しい技術だと発言していました。
ミシェル・ボウマン氏は仮想通貨の技術を理解し、実務的な知識を得るためにも、FRB職員に少額であれば仮想通貨投資を認めるべきだと発言していました。
実際にこの3人の内の誰かがFRB議長になるとは限りません。
またこの3人以外の候補者の中にも、仮想通貨に積極的な人物がいる可能性もあります。
もし仮想通貨に前向きな人物がFRB議長に任命されたとすると、米国における仮想通貨環境は今以上に発展的なものになる可能性があります。
やっと動き出した日本の仮想通貨税制
日本の金融庁が、仮想通貨を有価証券に準じた金融商品として位置付けることを検討し始めたことは、2025年2月13日のニュース記事「仮想通貨に本気で取り組む米国とお粗末な日本の違いが歴然」でもお伝えしました。
そしてその報道があってから半年後の2025年8月29日、やっと金融庁が仮想通貨の税制見直しを正式に要望したことが明らかになりました。
画像引用:金融庁「令和8(2026)年度税制改正要望について」
金融庁の資料の中で分離課税の導入に関しては「要望事項」欄に記載されています。
これは分離課税の導入を強く求めているということでしょう。
また注目すべきは、仮想通貨ETFに対しても「現状及び問題点」欄に記載されているという点です。
しかし問題点として仮想通貨ETFも検討すべきだと書かれているものの、分離課税について記載されているのと同じ「要望事項」欄に書かれていないことから、今すぐに実現させることではないと考えられているのではないかとも受け取れます。
金融庁内の組織再編
金融庁が税制改正の要望と同じ日に発表したのが、金融庁内の組織再編案を視野に入れた「令和8年度 予算、機構・定員要求について」です。
画像引用:金融庁「令和8年度 予算、機構・定員要求について」
この資料の中で、新しく「資産運用・保険監督局(仮称)」を設置し、仮想通貨を扱う部署として「暗号資産・イノベーション課」を新設すると説明しています。
現在、仮想通貨関連では「暗号資産・イノベ参事官室」「資金決済モニタリング室」「決済・デジタル金融グループモニタリング室」が対応していますが、この3部門を統合してモニタリングや販売・勧誘時の説明義務、適合性規制の実装だけでなくシステムリスク対応に対応するようです。
これらの体制面からは、これまでよりきめ細かな対応をしていくつもりであることが読み取れ、税制改正と合わせて仮想通貨に関しても、株式投資と同等の投資家保護を目指していることが分かるでしょう。
まとめ
米国では非常に多くの仮想通貨ETFが承認待ちであることに加え、次期FRB議長が仮想通貨に前向きな人物が任命される可能性があることを説明すると同時に、日本ではやっと税制改正が要望として出されると同時に、投資家保護の姿勢を打ち出してきたことをご紹介しました。
やっと日本でも仮想通貨投資や仮想通貨FXが認められるようになるといえるのでしょうが、米国の状況と比べると遅すぎるというのがこの時期を読まれた方の正直な感想のはずです。
金融庁のこの要望が出されてから、実際に制度として実施されるまでにまだまだ時間が掛かるはずですが、ともあれ遅いながらの第一歩を踏み出しつつあるといえるでしょう。