ビットコインが2025年の年末までに21万ドルに達するとの説とその背景
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- 2025.04.29.
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世界的な経済問題に発展していく可能性のあったトランプ政権の関税措置はその後、方針転換したのか、関税を大幅に下げる可能性に言及した発言もあったため、ビットコイン価格も上昇に転じ始めました。
関税措置の発表後、一時は75,000ドル台にまで下落していたビットコイン価格は、この発言によって本位記事執筆時点で94,000ドル台にまで回復しています。
そしてビットコインは今後も上昇を続けて、2025年の年末までには21万ドルに達するだろうとの説も出てきました。
そこまで上昇すると主張している根拠はどのようなものなのでしょうか。
またその背景にはどのようなことがあるのでしょう。
2025年末の21万ドル説の内容とその背景について詳しくご説明しましょう。
トレーディング戦略取引会社のリサーチ責任者が2025年末に21万ドル予測
クオンツトレーディング会社Presto(プレスト)のリサーチ責任者であるPeter Chung(ピーター・チャン)氏が、2025年4月28日に公開されたCNBCのインタビュー内で、ビットコインは2025年の年末までに21万ドルに達するだろうとの予測を発表しました。
画像引用:YouTube CNBC
クオンツトレーディング会社とは、徹底したリサーチをおこない、それに基づいて作成したトレーディング戦略を自動的に実行し取引を行う会社のことで、Presto社は2014年にシンガポールで設立されました。
つまり徹底したリサーチによって、ビットコインの21万ドル到達予想を立てているということになります。
まずピーター・チャン氏は今年のこれまでの市場環境について説明し、当初予想していたものとは異なった点として、マクロ経済環境や市場の反応に厳しさがあったことを挙げています。
そしてビットコインが少し前まで低迷していたことについても、健全な調整であり、ビットコインが金融資産として主流になるための土台造りになったとも説明しています。
リスク資産でありながらもゴールドの側面もある
ピーター・チャン氏はビットコインの二つの側面についても言及しています。
まずひとつがリスク資産であるという点です。
多くのユーザーが購入することやネットワーク効果によって大きく影響されるため、ボラティリティが大きく、ハイリスク資産としての側面があることを取り上げています。
そしてもうひとつがゴールド、つまりデジタルゴールドとしての側面です。
例えばロシア・ウクライナ紛争の勃発やシリコンバレー銀行の破綻など、金融不安がある時には安全資産、すなわちゴールドのような動きになる傾向を例として取り上げました。
ただし、ゴールドのような動きになるのはあまり多くなく、米ドル基軸の金融システムに不信感を抱いた時にだけ発生していると述べています。
さらに、市場混乱時にはやはりゴールドには及ばなかったものの、2025年の年末までにはビットコインがゴールドの地位に追いついて、安全資産として上回るのではないかとも述べました。
2025年4月12日のニュース記事とも似た内容
ピーター・チャン氏が主張するビットコインの地位が、ゴールドの安全資産としての地位を上回るのではないかとの説は、2025年4月12日のニュース記事「米の関税措置がビットコインを金融ツールに変貌させ価格も上昇?」でも紹介した内容と非常に似通っています。
前回のニュース記事では、「ビットコインが投機資産から金融のツールに変貌する可能性」について説明していますが、ピーター・チャン氏の主張も同様のものだといえます。
現在のビットコインは機関投資家や企業などによって上昇
ピーター・チャン氏の主張が正しいことを証明するような投稿もみられました。
暗号資産運用会社Bitwise(ビットワイズ)のCEOであるHunter Horsley(ハンター・ホースリー)氏も、現在のビットコインが94,000ドルにまで上昇した背景には、個人投資家の投資ではなく、機関投資家やファイナンシャル・アドバイザー、企業、さらには国家レベルによる投資が大きいと2025年4月28日、Xに投稿しています。
画像引用:Hunter Horsley X
ビットコインは94,000ドルだが、
Google は長期的安値付近で「ビットコイン」を検索します。
これは小売業が主導したものではありません。機関投資家、アドバイザー、企業、そして国家がこの分野に参入してきました。
ビットコインを購入する投資家の種類が拡大しています。
引用:Hunter Horsley X Google翻訳
またハンター・ホースリー氏は、現在はGoogleでビットコインを検索する件数も増えておらず、検索が増えるのはビットコイン価格が安値になったタイミングだと説明しています。
つまりビットコインを75,000ドルから現在の94,000ドルにまで押し上げたのは、大勢の個人投資家がビットコインを購入したからではなく、個人投資家以外の機関投資家やファイナンシャル・アドバイザー、企業、国などであるということです。
企業がビットコインを押し上げている例
企業がビットコイン価格を大きく押し上げる例としては、米ストラテジー社(旧マイクロストラテジー社)が挙げられます。
ストラテジー社は以前からビットコインを購入し続けていますが、過去182日間で379,800BTCを追加購入しています。
直近では2025年4月14日から4月20日までで15,355BTCを約14億2,000万ドル(約2,028億円)で購入しています。
なお182日間で購入した379,800BTCを1日あたりの購入量に換算すると、2,087BTCとなり、全マイナーがビットコインを一日でマイニングする量よりも多い計算になります。
これだけの量のビットコインを購入することの影響力は、決して小さくないでしょう。
国家レベルでのビットコイン保有
ビットコインを保有している国家としては中米のエルサルバドルが挙げられます。
エルサルバドルは2021年、世界で初めてビットコインを法定通貨として導入したことで知られており、2024年11月末時点で5億ドル超を保有していることが報じられています。
またブータン王国も同時期にビットコイン保有額が11億ドルを超えていることが分かっています。
さらに、米国のアリゾナ州でもビットコイン準備金に関する2つの法案が可決され、後はケイティ・ホブス知事の署名を待っている状況であることが報じられています。
実際にケイティ・ホブス知事が署名するかどうかは不透明ですが、米国の他州でも同様の動きが起こる可能性は十分にあります。
まとめ
ビットコインが2025年の年末までに21万ドルに達するとの説を紹介するともに、その説の根拠となっている背景などについてもご紹介しました。
米トランプ政権が関税措置を発表したことで、ビットコインのこれまでとは異なる側面がクローズアップされ、そのことが価格を押し上げる結果になるということだと考えられます。
実際に21万ドルにまで達するかどうかは不明ですが、これまでのリスク資産としての位置づけだけでなく、ゴールドと同様の位置づけになるとすれば、ビットコインの地位は大きく向上するということになります。
今後、ビットコインがどうなっていくのか、ますます目が離せなくなりそうです。
もちろん年末にかけては、チャートからも目が離せません。