ビットコイン価格が大きく下落した背景と今後について
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- 2025.02.27.
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- ビットコイン価格が大きく下落した背景と今後について
2025年2月に入ってから横ばいで推移していたビットコイン価格は、2月25日に大きく下落し、一時は83,000ドル台にまで下落してしまいました。
2月27日の本記事執筆時点では86,000ドル台と、やや持ち直しましたが、およそ1ケ月程の間、96,000ドル付近を推移していたビットコイン価格が10,000ドル以上も下落した背景にはどのようなことがあるのでしょうか。
また現在はやや持ち直しているとはいえ、今後どのような値動きになるのか、仮想通貨FXを取引している方はもちろんですが、ビットコインに投資している方も気になるところでしょう。
ビットコイン価格下落の背景にあることや、今後のビットコイン価格を予想しているコメントなどについてご紹介しましょう。
ビットコイン価格の大幅下落の背景にあるもの
ビットコインが10,000ドル以上も下落してしまった背景には、いくつもの要因が指摘されています。
米国ビットコイン現物ETFからの大規模な資金流出
ビットコイン価格下落の背景のひとつとして取り上げられているのが、米国におけるビットコイン現物ETFからの大規模な資金流出です。
2025年2月24日には5.3億ドル(日本円で約800億円)を超える資金が流出しました。
この大規模な資金流出はビットコイン現物ETFが登場してから5番目に大きな流出額となっています。
そして翌日の2月25日には、ビットコイン現物ETFの登場以来、最大となる9.379億ドル(日本円で約1400億円)の資金が流出しました。
画像引用:Farside
上の表は2023年に設立され、ロンドンを拠点に株式と暗号通貨の投資管理をおこなっているFarside Investorsが発表しているものですが、緑色のラインは2025年2月26日の各ビットコイン現物ETFの流出額を示していますので、2月25日のデータはそのひとつ上のものを参照ください。
この表をみると、ビットコイン現物ETF各社の中で2月25日に最も流出額が大きかったのはFBTC(フィデリティ・ワイズ・オリジン・ビットコイン・ファンド)で、3.44億ドルの流出。
次に大きかったのはIBIT(ブラックロック)の1.64億ドルでした。
また仮想通貨データ分析企業であるGrayscale(グレースケール)が運営しているGBTCでも6,600万ドルが流出しています。
そして、全てのビットコイン現物ETFから2月25日に流出したのは11.38億ドルだったと記載されています。
なお表の緑のラインは2月26日のデータを示していますが、この日の流出額で最も大きかったのがIBITの4.18億ドルで、次いで大きかったのはFBTCの1.45億ドル。
そして26日の総流出額は7.54億ドルだと記載されています。
複数の州でビットコイン準備金法案が否決される
2025年2月13日のニュース記事「仮想通貨に本気で取り組む米国とお粗末な日本の違いが歴然」内で、「米の17州でビットコイン戦略準備金創設の動き」と紹介させていただきましたが、複数の州で提出されたビットコイン戦略準備金法案が相次いで否決されています。
2025年2月22日、モンタナ州の下院議会でビットコイン準備金創設法案が審議され、賛成41対反対59で否決されていました。
また2月25日にはサウスダコタ州の議会でもビットコイン準備金法案が委員会で採決され、賛成3対反対9で否決されました。
なおこれまでにノースダコタ州やワイオミング州、ペンシルベニア州などでも、ビットコイン準備金創設法案が否決されています。
上の図の赤いマーキングの州でビットコイン準備金創設法案が否決されているわけですが、米国の各州でビットコインを購入・備蓄する動きが進むと、おのずとビットコイン価格も高騰していくことが予想されていました。
その期待が大きかった分、否決が相次いだために、ビットコイン価格上昇に失望し、売りにつながったと言われています。
BybitでのETHハッキング事件
2025年2月21日、仮想通貨取引所BybitでETH(イーサリアム)をコールドウォレットからウォームウォレットへ資金移動作業中に、北朝鮮のハッカー集団「ラザラス・グループ」によってハッキングされ、15億ドル(日本円で約2,300億円)の資金流出被害を受けました。
サイバーセキュリティ企業であるSygniaやVerichainが調査したところによると、Bybitのインフラには侵入された痕跡が見つかっていないことから、Bybitのインフラではなく、同社が使用していたウォレットプロバイダーのクラウドシステムに原因があったことが明らかになっており、Bybit自体に原因があったわけではないことが判明しています。
またBybit側は被害が発生した後、ユーザーへの影響を最小限に抑えるため即座に対応しており、顧客資産は1対1でバックアップしていることも発表しているため、仮想通貨取引所としての機能も全く問題ないことが明らかになっています。
しかしハッキングがあったことは事実であり、仮想通貨にはハッキングのリスクが付きまとうとして、資産としての信用度に影響することから、過去にハッキング事件があった際も株や金、法定通貨などに資金が移動していました。
今後のビットコイン価格の予想について
前述したような背景によってビットコイン価格が大幅に下落したと考えられています。
では、今後ビットコイン価格はどのように推移するのでしょうか。
仮想通貨取引所BitMEXの共同創業者であり、元CEOのArthur Hayes(アーサー・ヘイズ)氏が2025年2月25日、Xで今後のビットコイン価格について投稿しています。
画像引用:Arthur Hayes X
ゴブリンの町が近づいてくる
IBIT保有者の多くは、短期米国債に投資するよりも高い利回りを得るために、ETF ショート CME 先物を買い持ちしたヘッジファンドです。
BTCが下落してそのベーシスが下落した場合、これらのファンドはIBITを売却し、CME 先物を買い戻します。
これらのファンドは利益を上げており、基準が米国債利回りに近いことから、米国時間中に解消され、利益が実現するだろう。
70,000 ドルが見えるぞ!
引用:Arthur Hayes X Google翻訳
アーサー・ヘイズ氏が主張しているのは、ヘッジファンドがベーシス取引を解消している可能性があることに加え、これによってビットコインへの売り圧力が高まるということです。
それによってビットコイン価格は7万ドル(約1000万円)にまで下落する可能性があると主張しています。
つまりビットコインを保有している多くの人々は、ビットコイン現物ETFをロングポジションにしておき、ビットコインCME先物をショートポジションにすることで、短期の米国債よりも高い利回りを獲得しているわけです。
そしてビットコイン価格が下落したことでベーシス、つまり価格差が少なくなってしまうなら、ファンドはビットコインを売却し、CME先物を買い戻す動きになると説明しています。
仮想通貨におけるべーシストレードとは、現物価格と先物価格の価格差を利用して利益を得る方法のことを指します。
さらに現物価格と先物価格の価格差が少なくなりつつあるため、米国市場が開いている間にポジションを解消、利益を確定する動きになるだろうとも説明しています。
まとめ
ビットコイン価格が大きく下落した背景にある要素を紹介するとともに、今後のビットコイン価格予想についてもご紹介しました。
アーサー・ヘイズ氏が主張しているように、今後ビットコイン価格は今以上に下落するかもしれませんが、あくまでもこれは予想でしかありません。
アーサー・ヘイズ氏の主張通りに動くとは限らないわけです。
ただ今回はご紹介しませんでしたが、ハッシュレートは大きく下がっており、Crypto Fear & Greed Indexも大きく下がっていますので、下落が続く可能性は高いのかもしれません。
値動きが大きい時は仮想通貨FXも利益を上げやすいタイミングだといえますが、くれぐれも慎重な取引を心掛けてください。