ビットコイン現物ETFの開始で価格は年74%上昇との説
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- 2023.10.26.
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- ビットコイン現物ETFの開始で価格は年74%上昇との説
米のデジタル資産運用会社であるグレースケール・インベストメンツが申請していたビットコイン現物ETFが、SEC(米証券取引委員会)によって申請が退けられた件で、グレースケール・インベストメンツは訴訟を起こし、米連邦高裁での勝訴が確定しました。
この勝訴によって、ビットコイン現物ETFが現実のものとなる可能性が高まったと市場は判断し、ビットコイン価格は上昇しつつあります。
そしてビットコイン現物ETFが米で始まれば、開始から1年でビットコイン価格は74%上昇するとの説や、4万2000ドルから5万6000ドルにまで上昇する可能性があるとする説も現れています。
未だビットコイン現物ETFは開始されていないにもかかわらず、可能性が高まっただけで価格は上昇していることは、その期待の大きさを表しているともいえます。
これらのことに関して、詳しくご説明しましょう。
グレースケール・インベストメンツの勝訴の影響
グレースケール・インベストメンツがビットコイン現物ETF について、SECに対して起こした訴訟が、米連邦高裁での勝訴が確定したことで、SECはビットコイン現物ETFに対して再考しなければならなくなりました。
グレースケール側はこれを受け、グレースケール・ビットコイン・トラスト(GBTC)は運営上の準備が整っていること、投資家のためにできるだけ迅速に対応するつもりであることを広報を通じて発表していますが、現時点ではすぐにビットコイン現物ETFの運用が開始されるわけではありません。
しかし、この勝訴によってビットコイン現物ETFの道筋が明らかになるとの見方がデジタル資産支持派に広がり、ビットコイン価格は2023年10月24日から急速に上昇し始めました。
画像引用:tradingview.com
上記のチャートを見ても、10月24日に入ってから一気にビットコイン価格が上昇していることが分かります。
SECのビットコイン現物ETFに対する今の動き
SECのゲーリー・ゲンスラー委員長は2023年10月25日、つまりグレースケール・インベストメンツが勝訴した翌日に、「Securities Enforcement Forum 2023」に出席しており、その際にビットコイン現物ETFについて質問されています。
ゲーリー・ゲンスラー委員長は、ビットコインの現物ETFの審査は、現在まだSECのスタッフがおこなっているとし、その段階で判断はしないと明確な回答を避けています。
しかし、米連邦高裁で敗訴しているわけであり、認めないわけにはいかないことが予想されます。
すなわち、もう間もなくビットコイン現物ETFが米で開始されることが十分に予想されるわけです。
ビットコイン現物ETFが始まれば1年で74%価格が上昇との説
ビットコイン現物ETFが米で開始される可能性が高まったことを受け、仮想通貨投資会社であるGalaxy Digital(ギャラクシー・デジタル)のResearch Associate(リサーチアソシエイト)であるCharles Yu(チャールズ・ユウ)氏が同社のWebSite内で、今後のビットコイン価格に関する記事を2023年10月24日に公開しました。
画像引用:galaxy
チャールズ・ユウ氏は、ビットコインETFが米で始まった場合のビットコイン価格への影響を、金ETFを参考にし、ビットコインETFへの資金流入が価格にどのような影響を与えるかを予想しています。
そして米でのビットコインETFの市場規模は、1年で14.4兆ドルにまで達すると予想し、ビットコイン価格も74%上昇するだろうと予想しています。
なお、チャールズ・ユウ氏の予想では、ビットコイン価格は2023年9月30日の価格が参考値として使用されていますが、これがもし10月24日時点の価格で計算するなら59,000ドル以上になるということです。
ビットコイン現物ETF の承認で42,000ドル~56,000ドルまで上昇との説
ビットコイン現物ETFが承認されるとビットコイン価格が一気に上昇すると主張しているのはチャールズ・ユウ氏だけではありません。
仮想通貨金融サービス会社であるMatrixport(マトリックスポート)のリサーチ担当者であるMarkus Thielen(マーカス・ティーレン)氏も、ビットコイン現物ETFの承認によってビットコイン価格が大きく上昇するとの説を、同社のWebSiteで2023年10月19日に発表しています。
画像引用:matrixport
マーカス・ティーレン氏が主張しているのは、グレースケール・インベストメンツのビットコイン現物ETFではなく、ブラックロックが申請しているビットコイン現物ETFに関してです。
そして、ブラックロックのビットコイン現物ETFが承認された場合には、ビットコイン価格は42,000ドル~56,000ドルにまで上昇するだろうと主張しています。
予想よりも大きく上昇する可能性も
上記の2つのビットコイン価格予想は、どちらも限定的な予想にすぎません。
例えば、チャールズ・ユウ氏のビットコイン価格74%上昇説は、あくまでも米国でビットコイン現物ETFが始まった場合のことを予想しています。
そしてマーカス・ティーレン氏のビットコイン価格42,000ドル~56,000ドル説も、ブラックロックが申請しているビットコイン現物ETFが承認された場合のことです。
つまり、あくまでも米国でのビットコイン現物ETFが承認され、運用が開始された場合のことだけについて予想しており、その効果が世界的に広がっていった場合のことは視野に入れていないわけです。
このことに関してチャールズ・ユウ氏は、ビットコイン現物ETFの二次的効果は考慮していないことを明言しています。
またチャールズ・ユウ氏は、米でのビットコイン現物ETFに世界が追随していき、より多くの投資家に提供するようになるであろうこと。
これに加え、2024年4月に予定されている半減期や、米での金利が2024年にはおそらくピークに達する可能性があることなどから、2024年はビットコインにとって非常に重要な1年になるであろうとも述べています。
これらは全てビットコイン価格を上昇させる要因といえます。
すなわち2024年のビットコイン価格は、74%上昇や42,000ドル~56,000ドルにとどまらず、もっと大きく上昇していく可能性もあるといえるのではないでしょうか。
まとめ
ビットコイン現物ETFの承認と運用開始の可能性が高まったことから、これらの影響を受けてビットコイン価格がどこまで上昇していくのかを予想している説を2つご紹介しました。
グレースケール・インベストメンツ勝訴のニュースが流れた途端、ビットコイン価格が大きく上昇したのは、どれだけ多くの投資家が待ち望んでおり、期待しているかが分かる具体的な事実といえるでしょう。
ビットコイン現物ETFの開始と半減期、そして米での金利上昇がストップすることで、ビットコイン価格はどこまで高騰するのでしょうか。
今から2024年に向けて、また2024年のビットコインはどう動くのでしょう。
チャートから目が離せない日々が続くのではないでしょうか。