2023年の仮想通貨市場の好転予想と下落予想

2022年の仮想通貨は大きく下落し、ビットコインにおいては210万円台にまで下落していました。

しかし2023年に入るとビットコイン価格は上昇し始め、1月24日現在では300万円を超えるところまで上昇しています。

このままビットコイン価格は上昇し続けるのでしょうか。

それともこれまでよりも大きく下落し、200万円を切ってしまうのでしょうか。

仮想通貨FXを取引している人にとって、2023年の仮想通貨市場の動向は気になるところでしょう。

2023年の仮想通貨市場動向については、今年は好転するという予想をしている人物がいる一方で、まだまだ価格は下落すると大勢の人々が予想していることも明らかになりました。

どちらの考えが正解なのかは分かりませんが、これらのことについてご説明しますので、今後の仮想通貨FX取引の参考になさってください。

2023年の仮想通貨市場は好転するとの予想

2023年の仮想通貨市場は好転するだろうと予想しているのは、仮想通貨や革新的テクノロジーに対する投資会社Ark Investment（アーク・インベストメント） のCathie Wood（キャシー・ウッド）CEOです。

キャシー・ウッドCEOは、2023年1月23日付けの同社のビデオブログで、今年の仮想通貨市場は大きく転換し、好転すると予想していることを説明しました。

画像引用：Ark Invest

キャシー・ウッドCEOの予想とは、インフレ率が低下していることによってFRB（連邦準備制度理事会）が政策転換すれば、仮想通貨市場が好転するというものです。

FRBはインフレを懸念して政策金利を上げていますが、インフレが低下しているシグナルが多数みられることから、FRBはこの方針から転換すべき、すなわち政策金利を上げることをやめるべきであることを示していると説明しています。

またキャシー・ウッドCEO はインフレ率について、FRBが目標としている2％にまで下がるが、マネーサプライ自体が減少していることから、インフレ率はマイナスになる可能性もあると述べています。

FRBが政策金利を上げることをやめる、つまり金融引締めが緩むことで、リスク資産である仮想通貨に投資が流れ込みやすくなるわけです。

そして仮想通貨市場はFRBが政策金利を高めることをやめるのを待っており、そのタイミングは2023年の前半ではないかと考えていると述べました。

すなわちキャシー・ウッドCEOは2023年の前半には、仮想通貨市場に対する投資が増え、価格も上昇していくだろうと説明しているわけです。

米国におけるインフレ率と政策金利

米国における2022年のインフレ率は6月の9.1をピークとして、12月には6.5にまで下がってきています。

画像引用：trading economics

一方、政策金利は以下のように推移しています。

2022年1月：0.25％

2月：0.25％

3月：0.50％

4月：0.50％

5月：1.00％

6月：1.75％

7月：2.50％

8月：2.50％

9月：3.25％

10月：3.25％

11月：4.00％

12月：4.50％

2023年1月：4.50％

政策金利が2022年5月、6月、7月、9月、11月、12月と段階的に引き上げられていることが分かります。

仮想通貨ファンドで流入増加もショートファンドが大多数

前述したように、アーク・インベストメント のCathie Wood（キャシー・ウッド）CEOは2023年前半にFRBが政策金利を上げることをやめ、仮想通貨市場への投資が増えるのではないかと予想していましたが、その真逆の動きともいえるデータが明らかになりました。

それは仮想通貨ファンドへの流入量です。

画像引用：CoinShares report: 23

デジタル資産管理会社であるCoinShares（コインシェアーズ）が2023年1月23日付けで発表したレポートによると、先週は暗号資産（仮想通貨）ファンドに対して3700万ドルの純流入があったものの、流入の半分以上がショートファンドであったことが明らかになりました。

3700万ドルのうちショートファンド、つまりビットコイン価格が下落することで利益を得るファンドは2550万ドルで、ビットコイン価格上昇することで利益を得ることができるファンドであるロングファンドは、わずか570万ドルだったということです。

ショートファンドに2550万ドルが流入したのは、2022年7月に5100万ドルが流入して以来の高水準ですが、この背景には2023年に入ってからビットコイン価格がおよそ40％も上昇し、22,000ドル台に突入したことが挙げられます。

2022年7月のショートファンドへの大量流入も、前月に1万8200ドルから2万4000ドル台にまで上昇したタイミングでした。

つまり仮想通貨ファンドに対する流入額をみると、圧倒的にショートファンドが多く、ほとんどの人がビットコイン価格は今後下落するだろうと考えていることが読み取れ、前述したアーク・インベストメント のCathie Wood（キャシー・ウッド）CEOの予想とは真逆の予想をしていることになります。

 ビットコイン価格の上昇の鍵はFRB次第か？

Cathie Wood（キャシー・ウッド）CEOがビットコインを含めた仮想通貨市場の好転を予想していたとしても、その前提にあるのがFRBの政策金利上昇を止めるという点です。

FRBが政策金利引き上げをやめなければ、仮想通貨市場は好転しないのかもしれません。

FRBは2022年11月に政策金利を0.75％引き上げ、同年12月は0.75％ではなく、やや縮小させた0.5％の引き上げにとどめました。

この引き上げ幅縮小の背景に、インフレ率が低下してきていることが関係しているかどうかは明らかではありません。

ただし、米国の経済指標でインフレ率に関係するものが発表されるタイミングだけでなく、連邦公開市場委員会（ＦＯＭＣ）が開催され、FRBの政策金利が発表されるタイミングにはビットコインをはじめとする仮想通貨価格の変動が大きくなる可能性はあるでしょう。

まとめ

ビットコインをはじめとする仮想通貨市場が好転するという説があるものの、多くの投資家はビットコイン価格の下落を予想している現実があることもご説明しました。

どちらが正しいのかは現時点で不明ですが、経済指標発表時やFRB政策金利発表時には価格変動が大きくなる可能性があることにはくれぐれも注意してください。

そして願わくば、ビットコインをはじめとする仮想通貨市場が今の低迷状態から一刻も早く抜け出して欲しいものです。