ビットコイン法定通貨化のエルサルバドルが420BTC買い増し
- ビットコイン
- 2021.10.28.
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- ビットコイン法定通貨化のエルサルバドルが420BTC買い増し
2021年9月7日に、世界で初めてビットコインを政府が購入したことが発表されました。
購入したのは中央アメリカのエルサルバドルです。
このことは2021年9月9日のニュース記事「ビットコインがエルサルバドルで法定通貨化の日に下落」内でもご説明させていただきました。
ビットコインを法定通貨にすることに対しては賛否両論ありますが、仮想通貨の存在が世の中に認められたことのひとつの証であり、ビットコインの価値をさらに高めていく追い風にもなっているはずです。
そしてこのエルサルバドルが2021年10月28日、ビットコイン420BTCを追加購入したことが明らかになりました。
エルサルバドルはこれまでどれほどのビットコインを購入したのでしょうか。
また購入したビットコインはどのように活用されていくのでしょう。
このニュースについて詳しくご説明しましょう。
エルサルバドルがビットコインを買い増し
2021年9月7日に世界で初めて、政府としてビットコインを購入した南米のエルサルバドル政府が、10月28日にビットコインを420BTC買い増ししたことを、Nayib Bukele(ナジブ・ブケレ)大統領が自身のTwitterで公表しました。
画像引用:Nayib Bukele Twitter
長い間待ちましたが、それだけの価値がありました。
ディップを購入しました!
420の新しい#Bitcoin
引用:Nayib Bukele Twitter Google翻訳
420BTCのビットコインは、価格に換算するとおよそ2400万ドル(日本円にして約27億円)にも上ります。
エルサルバドル政府のビットコイン全購入履歴
エルサルバドル政府は、今回の420BTC以外にもビットコインを何度も購入しています。
いつ、どれだけのビットコインを購入したのかを説明しましょう。
一度目のビットコイン購入は、エルサルバドルでビットコイン法が施行されたと同時におこなわれています。
9月7日 :200BTC(ビットコイン信託設立のために購入)
9月7日 :200BTC
9月8日 :150BTC
9月20日:150BTC
合計700BTC
エルサルバドル政府は、これまでに700BTC分を購入していました。
そして今回の420BTCと合わせると、1120BTCを保有していることになります。
購入したビットコインによる利益
さらにナジブ・ブケレ大統領は、購入したばかりのビットコインで利益を上げていることに加え、利益を上げているエルサルバドルにおけるビットコイン信託の仕組みについてもツイートしています。
画像引用:Nayib Bukele Twitter
ははは、購入したばかりの#bitcoinですでに利益を上げています。
1#BTC = 1 #BTCの場合、どうすれば利益を上げることができますか?
米ドルで会計された信託基金がありますが、信託は米ドルとBTCの両方によって資金提供されています。
BTC部分が会計通貨(USD)と比較して再評価される場合、一部のUSDを引き出して、同じ合計で信託を残すことができます。
引用:Nayib Bukele Twitter Google翻訳
ナジブ・ブケレ大統領がツイートしている、ビットコイン信託について分かりやすく説明しましょう。
エルサルバドルのビットコイン信託は会計上では米ドルで計算されていますが、実際には米ドルとビットコインの両方で運用されているわけです。
そしてビットコイン価格が値上がりし、ビットコイン信託の会計上の金額を上回ったときには、その分の金額を信託から引き出して、ビットコインと米ドルの価値が同じになるよう調整しているということになります。
なおエルサルバドルの保有するビットコイン1120BTCは、金額に換算するとおよそ8740万ドルになるといわれています。
そしてあくまでも推測ではありますが、購入時の金額は5万3300ドルを少し超える程度ではないかともいわれています。
2021年10月28日の本記事執筆時のビットコイン価格は、Tradingviewによると6万780ドルとなっています。
単純に計算すると利益額は以下のようになります。
6万780ドル – 5万3300ドル=7480ドル
7480ドル×1120BTC=837万7600ドル
単純計算でこれだけの金額が利益となるので、その額をビットコイン信託から引き出すことができるということになります。
エルサルバドル政府は10月上旬時点で、この方法で得た利益およそ4.5億円を使って動物病院を設立することを表明しています。
ナジブ・ブケレ大統領がツイートで「ははは」と上機嫌なのは、このような背景があるからです。
420BTCの購入に飛び交う憶測
上で説明したように、エルサルバドル政府はこれまで200BTCもしくは150BTCの単位でしかビットコインを購入していませんでした。
しかし今回420BTCもの大量のビットコインを購入したことで、様々な憶測が飛び交っています。
例えば420という表現は、マリファナを意味する隠語です。
エルサルバドルは麻薬の国際貿易の経由地になっており、ナジブ・ブケレ大統領が就任する以前はギャングも台頭していました。
ナジブ・ブケレ大統領就任後は殺人率も著しく低下していますが、それでも麻薬貿易の経由地であることに変わりはないという状況です。
そのため、マリファナ文化を引用して歓迎するようなSNS投稿が多く見られます。
ビットコイン購入は投機でないとの主張
このようなエルサルバドル政府のビットコイン購入の動きだけでなく、ナジブ・ブケレ大統領のツイートをみていると、エルサルバドルは国を挙げてビットコインの価格上昇に伴う利益を得るためだけにビットコインを法定通貨に定めたのではないかとの疑念が沸き起こってきます。
この疑念に答えるように、エルサルバドル中央銀行のDoublas Rodriguez(ダグラス・ロドリゲス)氏が10月上旬、ブルームバーグのインタビューに応じている様子が報道されました。
画像引用:Bloomberg
ブルームバーグの記事によると、同氏はビットコインが合法的な決済システムになると考えているために投資し続けており、投機的な意味合いはないことを強調し、この投資にリスクはないと考えていることを明らかにしました。
また将来的にビットコインは決済システムとなり、金融包摂するためのシステムにもなると考えていると述べています。
まとめ
エルサルバドル政府がビットコインを大量に買い増ししたことに関して、過去の購入履歴やナジブ・ブケレ大統領のツイートなどについてご説明しました。
ナジブ・ブケレ大統領のツイートにあったように、ビットコインが順調に値上がりしているうちは利益が出るでしょう。
また将来的にビットコインは価格が上昇することはおそらく間違いないはずです。
さらに決済システムとしてもビットコインなどの仮想通貨は有効な手段であり、銀行口座を持てない貧困層や被差別層にとっても非常に有益です。
ただ一時的にでも価格が下落することもある点が気がかりではありますが、値上がりしている間の利益をプールしておくことで対応できるのでしょうか。
とはいうものの、法定通貨化はビットコインの信頼度を高め、価格上昇の更なる追い風にもなっていくはずです。
今後のエルサルバドルのビットコインに対する動きにも注目しておく必要があるでしょう。