中南米ではビットコイン法定通貨化を半数の国民が賛成
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- 2021.09.17.
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画像引用:coinjournal
2021年9月7日からビットコインが法定通貨となったエルサルバドルでは、公式ウォレットのアプリダウンロードサイトにアクセスできない状況が起きただけでなく、ビットコインを現金化する専用のATMが故障するなど波乱の船出となりました。
またエルサルバドルのブケレ大統領の政策や方針に反発する人々が、2021年9月15日にデモ行進をおこない、専用ATMに放火するなどの動きがありました。
エルサルバドルではこのような騒動が起きているものの、中南米ではビットコインの法定通貨化を賛成する人々が多く存在していることが世論調査で明らかになったとCOINJOURNALが2021年9月13日に報じています。
このニュースについて詳しくご説明しましょう。
中南米8ヵ国で世論調査を実施
中南米のブラジル、アルゼンチン、コスタリカ、チリ、コロンビア、エルサルバドル、ベネズエラ、メキシコの8ヵ国に居住する人々の全2,700人を対象にして、仮想通貨に関する世論調査が実施されました。
この世論調査を実施したのは、ブラジルのサンパウロに拠点を置く金融教育ウェブサイトであるValor Investeです。
画像引用:ValorInveste
世論調査の概要
この世論調査では、エルサルバドルにおけるビットコインの法定通貨化に対する意見や、自国に法定通貨化が必要だと感じるかなど、法定通貨化に対する考えを明らかにするだけでなく、仮想通貨そのものや仮想通貨取引全般に対する考えを知るために実施されています。
そのためビットコインに関する回答だけでなく、イーサリアムやライトコインなどに関する回答も得ています。
ValorInvesteの世論調査実施時期は明確にされていませんが、ValorInvesteのウェブサイトでは2021年9月10日にこの調査に関して発表されており、回答内容にもエルサルバドルでのビットコイン法定通貨化のことが述べられています。
このことから、エルサルバドルのビットコイン法定通貨化の直後にこの世論調査が実施されているものと考えられます。
なお、ValorInvesteの世論調査は2020年にも同様の内容で実施されていたことがニュース内容から判明しています。
ビットコインの法定通貨化に関する意見
中南米諸国の中でも最も多くの人口を抱えるブラジルでは、エルサルバドルでのビットコイン法定通貨化について、56%の人が支持しています。
さらにブラジルでもビットコインの法定通貨化を採用して欲しいという考えを持つ人が48%存在していることが分かりました。
そして賛成でなく、反対でもない人は30%。
さらにこの考えに同意しない人は12%で、9%の人は強く反対しており、反対している人の合計は21%であることが明らかになりました。
ビットコインへの投資について
この世論調査では、ビットコインへの投資についても質問しています。
ビットコインを含めた仮想通貨に対する投資の動機については、過半数である55%の人が投資の分散化を目的としていることが明らかになりました。
そして39%の人はインフレと金融ボラティリティからの防衛策と答えています。
また意外なところでは、テクノロジーのトレンドを追いかけるために投資していると回答した人が39%存在していました。
仮想通貨に投資はしたくないと回答した人は全調査対象者のうち、わずか12%にとどまりました。
投資しない理由としては、セキュリティに対する不安を挙げていた人が42%。
仮想通貨独特のボラティリティの大きさに不安を感じる人が37%。
そして投資に対する資金不足を理由に挙げていた人は33%となっていました。
なお、2020年にValorInvesteが実施した今回と同様の世論調査では、仮想通貨投資に否定的だった人の割合は全調査対象者のうち33%となっていました。
これはつまり、わずか1年の間で仮想通貨に投資しようと考える人が20%近く増えたということになります。
認知されている仮想通貨の種類
調査対象者の仮想通貨の種類に対する認知度も、この世論調査では実施しています。
その結果、最も知られている仮想通貨はやはりビットコイン(BTC)であり、92%の人々に知られていました。
次いで認知度が高かったのがイーサリアム(ETH)で、31%の人々に認知されていました。
そして30%の人々に認知されていたのがライトコイン(LTC)という結果になりました。
経済危機ゆえに仮想通貨投資がクローズアップ
COINJOURNALの記事によると、中南米諸国の人々はそれぞれの国の経済について危機感を持っており、それゆえに経済危機に備えて仮想通貨の投資に興味を持っている人や関心がある人は、全回答者の38%にも上る結果になっていると指摘しています。
また全回答者の37%は、経済危機が仮想通貨への関心を少しではあるものの高めたとも述べています。
そして15%の人々だけが、自国の経済危機と仮想通貨への関心に関係性はないと述べています。
この結果をみると、各国の経済危機が多くの人々に仮想通貨への関心をもたらしていることが分かります。
背景にあるブラジルの仮想通貨環境
中南米、特にブラジルでビットコインなどへの関心が高まっている背景には、経済危機だけがあるわけではありません。
ブラジルでは140万人を超えるユーザーが仮想通貨プラットフォームに登録しています。
さらに、これらの人々が利用できるATMが21台も設備されています。
加えて、2021年に入ってからブラジルではETF(上場投資ファンド)が承認されており、多くの投資家が仮想通貨市場に参入できる環境も整いつつあります。
これらの背景があったことに加え、経済危機が迫っていることが仮想通貨への関心を加速させているともいえるでしょう。
まとめ
中南米でビットコインへの関心が高まっており、法定通貨化を期待する人々も半数近くいることなどが明らかになった世論調査についてご説明しました。
エルサルバドルでビットコインが法定通貨化した後の混乱は、これまでになかった取り組みに加え、ブケレ大統領への反発も加わったために起こったと考えられます。
そして経済危機を抱える諸外国の国民は、今後ますます仮想通貨への期待を膨らましていくはずです。
それがビットコインをはじめとする仮想通貨全体の価値を高め、世の中にとって必要不可欠なものに押し上げていくでしょう。
そうなった時のビットコインは、今までの価格帯に留まることなく、きっと大きく高騰していくはずです。
仮想通貨FXで利益を上げるためには、諸外国の経済危機や国民の回避行動にも着目しておく必要がありそうです。