今年初めにビットコイン購入の投資家は4万ドルでも売却せず
- ビットコイン
- 2021.06.17.
- ニュース
- 今年初めにビットコイン購入の投資家は4万ドルでも売却せず
画像引用:Glassnode「The Week On-chain」
2021年に入ってからのビットコインは、年明け時点では3万ドルほどだった価格が、4月に入ると6万4000ドル近くにまで上昇しました。
しかし5月に入ると状況は一転し、一気に下落。
6月17日時点ではおよそ3万9000ドル付近を推移しています。
年明け時点と現在の価格を比較すると、4月時点ほどではないとはいえ、それでも1万ドル近く上昇していることになるわけです。
ビットコインに投資する人々にとって、この価格上昇は大きな利益といえるはずです。
しかし今年初めにビットコインを購入した投資家は、現在の価格4万ドルでも売却するつもりはなく、保持し続けていることが仮想通貨データ分析企業Glassnode(グラスノード)のニュースレターによって分かりました。
これは該当する投資家たちが、ビットコイン価格はまだ上昇すると考えていることの現れとも言い換えられます。
このニュースについて詳しくご説明しましょう。
Glassnodeがビットコインに対する投資家の動きを分析
仮想通貨データ分析企業であるグラスノードが定期的に発行しているニュースレター「The Week On-chain」2021年24週版を2021年6月14日に発表しました。
この中で、2021年の年初にビットコインを購入した投資家は、4万ドルになった現在でもビットコインを現金化、つまり売却していない実情について説明しました。
ビットコインを売却する投資家がほとんどいない
グラスノードはこのレポートの中で、ホドル・ウェーブという指標を示しています。
ホドル・ウェーブとは、どのぐらいのビットコインが売却や購入によって、最後にアドレスを移動したのかが分かるデータのことを指します。
画像引用:Glassnode「The Week On-chain」
ホドル・ウェーブのグラフから、グラスノードは直近の1ヶ月以内に移動したビットコイン(グラスノードはこのビットコインを若いコインと表現しています)量が減少していること。
さらに3ヶ月から、この1年の間にかけ、保有されているビットコインの比率が高まっており、このビットコインは2020年~2021年1月の間に購入され、保管され続けているものであることも指摘しています。
このグラスノードの指摘をビットコインチャートで示すと、以下のようになります。
画像引用:tradingview/BTCUSD
つまり、上のチャートの赤枠期間にビットコインを購入した投資家が多く、彼らは現在もそのビットコインを保有し続けているということになります。
現在のビットコイン価格から考えると、今の時点で売却しても十分利益がでるはずですが、まだ売却せずに保有し続けているわけです。
グラスノードはこのことについて、一部のビットコイン長期保有者は現時点でも利益を得ているが、今後もその利益を増やしていくだろうと述べています。
1BTC未満を保有するウォレットが増え続けている
グラスノードは上記のニュースレター内ではないものの、1BTC未満を保有するビットコインウォレットが増え続けていることも2021年6月16日にツイートしています。
画像引用:Glassnode Twitter
グラスノードは以前から1BTC未満を保有するビットコインウォレットが増えていることを指摘していましたが、その状態が継続していることを以下のように説明しています。
資産としてのBitcoinの進化に対する「ザ・リトルガイ」の反応は、供給分布に見ることができます。
引用:Glassnode Twitter Google翻訳
グラスノードはツイートの中で1BTC未満を保有するビットコインウォレットのことを「ザ・リトルガイ」と表現していますが、この「ザ・リトルガイ」が上のグラフにあるように、数が増え続けており、そのペースも右肩上がりになっていることが分かります。
グラスノードのデータから分かることとは
仮想通貨データ分析企業グラスノードのニュースレターおよびツイートの内容を紹介しましたが、これらのことから多くの投資家がビットコインの今後についてどう考えているのかを推測することができます。
ニュースレターにあった、2021年のはじめにビットコインを購入した投資家の多くがビットコインを売却せずに保有し続けているのは、今後ビットコインはまだまだ値上がりすると想定しているからこその行動だと考えられます。
またグラスノードがツイートした1BTC未満のビットコインウォレットが増え続けていることに関しては、ビットコインが大きな資産を動かす投資家だけでなく、幅広い層の人々にその価値が認められつつあることを示していると考えられます。
この背景には機関投資家の市場への参入、大手企業がビットコインを大量に購入していること、さらにビットコインを法定通貨として認める国が出てきていることなども影響しているはずです。
これらのことを考え合わせると、現時点でのビットコイン価格は大きな値動きが無いものの、「長期的視点」でみた時には値上がりしていくはずだと考えている人が大多数であるということが分かります。
ただし値上がりしていくといっても、それはあくまでも「長期的視点」ということであり、価格が大きく上がるまでには下落する場面もあると受け止められている可能性があります。
グラスノードのデータやツイートをみても、今後右肩上がりに価格が回復していくとは言い切れないことを留意しておく必要があるでしょう。
まとめ
仮想通貨データの分析において信頼性の高いグラスノードが発信しているニュースレターやツイートで、2021年の初めにビットコインを購入した投資家は、ビットコインが4万ドルの価格になっても保有したままであり、1BTC未満を保有するウォレットも増えつつあることをご説明しました。
これらのデータがそのまま仮想通貨FXの取引に活用できるわけではありませんが、ビットコインに投資している多くの人々が今後のビットコインをどう考えているのかは明らかになったはずです。
そしてその考えを持つ人が多いほど、ビットコインの値動きは考え通りのものになっていくはずです。
ビットコイン価格の動きが明解でない今のタイミングこそ、仮想通貨FXで利益を産み出すチャンスなのかもしれません。
関連するコンテンツ
- トランプ氏の大統領選勝利による仮想通貨への波及効果
- 米大統領選の勝利者によってビットコイン価格が変化する?
- ビットコインが65,000ドルのレジスタンスを突破し10月末には最高値更新か?
- トランプ氏とハリス氏、2人の米大統領候補の仮想通貨をめぐる報道
- 今のビットコインは安値だが強気相場はあと1年続く可能性
- トランプ候補がビットコインの戦略的準備金計画を発表するとどうなる?
- ビットコイン価格はしばらくは下落してもその後に上昇?
- 2027年までに日本の機関投資家の半数以上が仮想通貨投資の意向
- FRB利下げが今年は1回でもビットコイン価格は大幅上昇との説
- 今後ビットコイン現物ETFがよりBTC価格に影響を及ぼす可能性