投資ファンドがビットコインは既に供給不足であることを指摘
- ビットコイン
- 2020.11.21.
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- 投資ファンドがビットコインは既に供給不足であることを指摘
2020年10月中旬から上昇し始めたビットコイン価格は、2020年11月21日現在も上昇し続けており、190万円台にまで達しています。
ビットコインの価格高騰は需要の高まりと同義ですが、米投資ファンドが発表したところによると、ビットコインの供給量は特定の販売サービスだけで既に供給量を上回っているという説を発表しました。
もしこの説が正しければ、ビットコイン価格は2017年のビットコインバブル期以上に高騰していくことが考えられますが、同社はこの価格高騰はバブル的なものではないということも主張しています。
この米投資ファンドの主張する説について、詳しくご説明しましょう。
米投資ファンドが投資家向けにビットコイン供給不足を発表
米の投資ファンドであるPantera Capitalが11月の投資家向けレターの中で、最近になってビットコイン販売サービスを展開し始めたCash AppやPayPalでのビットコイン販売量だけで、既にビットコインのマイニングボリュームを上回っているのではないかという説を発表しました。
画像引用:Pantera Capital
ビットコインを購入する場合、これまでは仮想通貨取引所を経由するしかありませんでしたが、一般の人々でも気軽にビットコインが購入できるサービスを展開しているのがSquare社のCash Appです。
さらに2020年11月には米決済会社大手のPayPalでもビットコイン販売が開始されました。
Cash Appだけでも新規発行量の40%を販売
Pantera Capitalは先月の投資家向けレターの中で、Square社のCash Appで販売されているビットコインだけでも新規発行されたビットコインのおよそ40%が購入されているのではないかと指摘していました。
PayPalの販売量を加えると新規発行量の100%以上に
Cash Appでのビットコイン販売量に、11月からビットコイン販売サービスが開始されたPayPalの推定販売量を加えると、ビットコインが新たに発行されるボリュームを上回ってしまうと考えられるとPantera Capitalは主張しています。
なおPantera Capital がPayPalの販売量を推定しているのは、PayPalの仮想通貨プロバイダーであるPaxosの取引量です。
Paxosは仮想通貨取引所itBitを運営しており、もともとかなりの量のビットコイン取引量がありましたが、PayPalでビットコインが販売されるようになってからは取引量が爆発的に増えています。
下のグラフの白い線がitBitのビットコイン取引量をあらわしていますが、このグラフをみるとPayPalでのビットコイン販売が稼働してわずか4週間以内で、PayPalだけでビットコインの新規発行量の70%を購入していることになると、Pantera Capitalは説明しています。
画像引用:Pantera Capital
ビットコインは供給不足状態にある
Pantera CapitalはCash Appが40%、そしてPayPalが70%の新規発行されるビットコインを購入していることでビットコインが供給不足状態にあると説明しています。
このような状態にあるビットコインを、さらに機関投資家などが積極的に購入する動きがあることを考慮すると、ビットコインはますます不足してくることになります。
このことについてPantera Capitalは、需要と供給のバランスをとることができる唯一の方法はビットコインがより高い価格になることだと指摘しています。
これは言い換えると、今後ビットコインの価格はますます高騰することを予想しているともいえるわけです。
現在のビットコイン価格は決して高くない
Pantera Capitalは、現在のビットコイン価格は10年の対数トレンドからみたあるべき価格をはるかに下回るもので、決して高い価格とはいえないと主張しています。
画像引用:Pantera Capital
ビットコイン価格が18,000ドルであったとしても、10年の対数トレンドから考えると本来は37,000ドルであるべき長期回帰価格を52%下回っていることになります。
つまり現在のビットコイン価格は、本来あるべき価格に比べて過少評価されているわけです。
GoogleトレンドでのBitcoinキーワード
Pantera Capitalが主張する現在のビットコイン価格は決して高くないという考えを裏付けるものとして、ビットコインバブルの時期にみられたような「Bitcoin」キーワードがGoogleトレンドで上昇していないことを挙げています。
以下のグラフはGoogleトレンドでの「Bitcoin」検索ボリュームとビットコイン価格との相関関係を示したものです。
画像引用:Pantera Capital
つまりPantera Capitalは、2017年の年末にビットコイン価格が上昇した際にはGoogleトレンドで「Bitcoin」検索ボリュームが増えていたことから、この時はビットコインバブルであったと考えているわけです。
そして現在ビットコイン価格は上昇していてもGoogleトレンドが上昇していないことから、ビットコインバブルではない状態、すなわちまだまだ価格は低い状態であると主張しています。
Googleトレンドのデータに関しては異なる見解も存在
Pantera Capitalの発表では、2020年11月現在の「Bitcoin」キーワード検索はGoogleトレンドで上位にないとしていますが、これとは異なる見解を示している仮想通貨業界関係者も存在しています。
仮想通貨取引所eToroのマーケティングマネージャーBrad Michelson(ブラッド・マイケルソン)氏は、SEOデータプロバイダーであるSEMrushの「Bitcoin」検索ボリュームとGoogleトレンドでは異なる結果になっていることを指摘しています。
GoogleトレンドではPantera Capitalの発表通り、現在の「Bitcoin」検索ボリュームは2017年12月の5分の1程度です。
しかしSEMrushのデータによると、2017年12月の「Bitcoin」検索ボリュームは250万でしたが、2020年11月には890万と356%増加しているとのことです。
この違いについてBrad Michelson氏は、Googleトレンドでは「Bitcoin」を検索した場合、関連したキーワードや用語などを除外した「Bitcoin」に関してのみの結果がカウントされることが原因であり、SEMrushでは除外しないために高い数値になっているとしています。
これは現在では「Bitcoin」について検索する時、「Bitcoin」の何かについて調べる、つまり関連するキーワードなどを含めて検索するがことがほとんどであり、「Bitcoin」そのものを調べることは少ないために起きている現象でしょう。
すなわち、検索ボリュームについてはSEMrushのデータの方が信憑性が高いといえるのかもしれません。
まとめ
米投資ファンドPantera Capitalが発表したビットコインは既に供給不足状態であること、さらに現在のビットコイン価格は決して高額ではないことについてもご説明しました。
Pantera Capitalの主張の裏付けともいえるGoogleトレンドのデータには異論も存在していますが、供給不足状態であることが価格の高騰につながっていることはまず間違いないでしょう。
そしてこの状態は、今後も価格が上昇を続ける可能性が高いということでもあります。
どこまでビットコイン価格が上昇し続けるかは不明ですが、供給不足の状態が続く間は上昇していくことが考えられます。
ビットコインの需要と供給のバランスを常にチェックすることも、今後仮想通貨FXで利益を生むためには必要だということでしょう。