機関投資家によるビットコイン大量購入の動きと価格帯
- ビットコイン
- 2020.11.14.
- ニュース
- 機関投資家によるビットコイン大量購入の動きと価格帯
2020年10月中旬ごろから価格が上昇し始めたビットコインは、10月13日には一時170万円を超えるところまで達していました。
仮想通貨関連報道ではビットコインの価値が改めて注目を集めていることが報じられており、その報道を信じるならば価格はまだまだ上昇することが予想されます。
このようにビットコイン価格が上昇を続ける背景には、2020年10月24日のニュース記事「ビットコインの資産価値は2020年5月より高まったとの説」でご説明した、上場企業が資産としてビットコインを大量購入したことがあるはずです。
しかしビットコインの価格上昇には、機関投資家による大量投資も影響しているはずです。
機関投資家の動きはこれまであまり報じられることがありませんでしたが、機関投資家は一体どの価格帯でビットコインを購入していたのでしょう。
機関投資家のビットコイン購入タイミングなどを知ることができれば、仮想通貨FX取引の参考にできるかもしれません。
このような機関投資家の動きに関して詳しくご説明しましょう。
機関投資家のビットコイン大量購入動向が明らかに
ビットコイン価格に影響を及ぼす可能性の高い機関投資家のビットコイン大量購入は、どの価格帯でおこなわれていたのかを示すデータが、オンチェーン分析会社であるWhalemapによって明らかにされました。
Whalemapは分散型の取引、分析、ブロックチェーン資産のためのプラットフォームを構築しているオンチェーン分析会社ですが、仮想通貨の大口投資家の動きに関する分析について定評があります。
機関投資家がビットコインを大量購入していたデータは、Whalemap が2020年11月13日にツイートしたことで明らかになりました。
画像引用:Whalemap Twitter
Whalemapがツイートしたデータによると、機関投資家の大口購入のピークは12,000ドルから15,000ドルの間にあったこと、さらにピークからやや外れた直近の2020年11月にも大口購入が複数あったことが分かります。
以下の画像は機関投資家による大口購入のピークを示したものです。
緑色の円は大口と位置付けられる1万BTC以上が保有されているウォレットがビットコインを購入した価格帯とタイミングをあらわしています。
12,000ドルから15,000ドルの間に大口購入が集中していることが分かるでしょう。
画像引用:Whalemap Twitter
そしてツイートにあったもうひとつの画像は、ピークからやや外れたタイミングである2020年11月に入ってから購入された、大口取引の価格帯までもがはっきりと記載されているグラフです。
画像引用:Whalemap Twitter
このグラフをみると、大口取引がおこなわれたのは以下のタイミングとビットコイン価格でした。
- 11月4日 BTC価格14,914ドル
- 11月6日 BTC価格15,691ドル
- 11月6日 BTC価格15,355ドル
- 11月8日 BTC価格15,268ドル
- 11月12日 BTC価格16,411ドル
- 11月12日 BTC価格16,278ドル
Whalemapが指摘するFOMO
機関投資家による大口取引は、12,000ドルから15,000ドルの間にピークとなっていただけでなく、ピーク時から比べてさらに価格が上昇した直近の11月に入ってからもおこなわれていたことになります。
このピークからやや外れた直近に大口取引がおこなわれていることに対して、Whalemapは取り残されることに対する恐怖を意味するFOMO(Fear Of Missing Out)であると述べています。
つまりビットコイン価格が直近になって急騰していることから、投資家がトレンドから取り残されるのではないかと恐怖を感じて、慌てて購入しているということです。
Grayscaleのビットコイン投資信託GBTCも好調
機関投資家が積極的にビットコインに投資していることが分かるのが、米投資会社Grayscaleが発行しているビットコイン投資信託GBTCの好調さです。
2020年11月8日にGrayscaleの最高経営責任者であるMichael Sonnenshein氏がツイートしたところによると、ビットコイン投資信託GBTCに対する資金の流入速度が、同社が扱っているGOLDのEFTよりも早いということが明らかになりました。
画像引用:Michael Sonnenshein Twitter
Michael Sonnenshein氏のツイートにあるグラフにはBTCとGOLDの資金流入量が描かれています。
青いグラフがBTCをあらわし、黒いグラフはGOLDをあらわしています。
その違いは一目瞭然で、ビットコイン投資信託に対する資金流入量の方が明らかに大きいことが分かります。
Grayscaleのビットコイン投資信託における運用資産額は既に82億ドルを超えただけでなく、直近の30日間だけでもおよそ50,000BTCが追加されたとしています。
ビットコインの現物関連取引が価格に影響
これまでビットコイン価格に影響を与えていたのはデリバディブ市場が主であったとされています。
しかし機関投資家によるビットコインの大量購入だけでなく、さらにGrayscaleのビットコイン投資信託の好調さは、明らかにビットコインの現物関連取引がビットコイン価格に影響を与えていることが分かります。
特にGrayscaleのビットコイン投資信託は、投資家が自分で購入したビットコインをGrayscaleに預けるか、もしくは現金入金でGrayscaleにビットコインを買ってもらい運用するものです。
つまり、何らかの形でビットコイン現物が購入されるということです。
ここまでビットコインの現物関連取引が好調なのは一時的な価格の高騰ということではなく、ビットコインの資産としての位置付けが明確になり、高まってきているということに起因しているからであり、その結果として価格が上昇しているということがいえます。
まとめ
機関投資家によるビットコイン大口購入について、そのピークや購入価格帯に関してご紹介するとともに、ビットコイン現物関連取引が価格を主導していることもご説明しました。
これらをみると、ビットコイン価格はまだまだ上昇する余地があること、さらに機関投資家であっても慌てて購入するケースがあることも分かります。
注目すべき点は、ビットコイン価格が上昇し始めた早い段階、すなわち12,000ドルから15,000ドルのピーク時に購入した機関投資家と、ピークからやや外れてから「慌てて」購入した機関投資家の違いでしょう。
仮想通貨FXを取引する人の中にも、このような違いがあるはずです。
もちろん「慌てて」購入した場合でもそれが利益につながれば問題ないわけですが、もし損失になってしまった場合、「慌てて」購入した人は後悔の念が大きくなってしまいます。
一方、ピーク時に購入した人は自分の意思で購入したわけですから、仮に損失になってしまっても後悔することは少ないはずです。
自分の意思か、それとも周囲の動きに慌てて動くか、この違いは大きいでしょう。
どのような結果になってしまっても納得できる、そんな仮想通貨FX取引をしたいものです。