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11年間動かなかったビットコインの移動が大騒動に

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  • 2020.05.23.

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  • 11年間動かなかったビットコインの移動が大騒動に

仮想通貨の代名詞でもあるビットコインは、2008年10月31日に誕生したとされています。

ビットコインはサトシ・ナカモトがネット上で発表した論文をベースに開発され、最近では1BTCが100万円を超えるほどの価値のあるものに成長しました。

つまり誕生してからおよそ12年間でこれだけ価値のあるものに成長したということです。

 

そしてビットコインが誕生して間もない2009年、つまり今から11年ほど前に発掘されたビットコイン50BTCが、2020年5月20日になって初めて送金されたことが分かりました。

この事実が仮想通貨業界に大きな波紋を広げています。

 

いったいどのような騒動になっているのでしょうか。

詳しくご説明しましょう。

 

2009年発掘のビットコインが移動

2009年2月9日頃に発掘されたビットコイン50BTC、現在の日本円価格でおよそ5,000万円分が、2020年5月20日12時54分に2つのアドレスに向けて送金されたことが分かりました。

このビットコインは、初めてビットコインのブロックが作られた1ケ月後に発行されたもので、11年間使用されることがなかったウォレットに保管され続けていました。

 

送金は2カ所に向けておこなわれており、1カ所には40BTCが送金され、残りはもう1ヵ所に送金した後に幾つかのアドレスに分散されています。

blockchair.com

画像引用:blockchair.com

 

なお今回11年ぶりに動かされたビットコイン50BTCは、ビットコインのブロック「3654」番目に発掘されたものとのことですが、実はこの前後にあたる「3653」番目と「3655」番目のブロックは、ビットコインの父と呼ばれるサトシ・ナカモトによって発掘されていることが明らかになっています。

 

それゆえに、今回のブロック「3654」番目のBTCが11年ぶりに送金されたことが思わぬ騒動を巻き起こしており、色々な憶測が飛び交っているわけです。

 

誰が所有しており動かしたのか

11年間動くことがなかったビットコインが初めて動かされたことによって、このビットコインは誰が所有しており、誰の手によって動かされたのかが多くの人の関心を呼ぶことになりました。

 

前述したように「3654」番目に発掘されたブロックであることから、ビットコインの創設期に何らかの関りがある人物によって移動されたのではないかという説が流れました。

 

これはサトシ・ナカモト本人が所有しており、自ら送金した。

サトシ・ナカモトの関係者ではないか。

ビットコインの開発に関わっていた故Hal Finey(ハル・フィニー)氏に何らかのつながりがある人物ではないかなど様々な説が流れていますが、未だ誰が所有しており、誰が送金したのはなどについてはっきりとしたことはわかっていません。

 

ビットコイン市場は売り圧力を警戒

11年ぶりのビットコイン送金騒動はビットコイン市場にも一気に伝わることとなりました。

それは開発者もしくはその関係者であればビットコインを相当量保有している可能性があり、開発当初から関わっていることを考えるとビットコインは相当な値上がりをしているために近々売却するのではないかと危惧したからです。

 

もちろんそれには何の根拠もありませんが、大量のビットコインを売却する、すなわちクジラのような行動に出られてしまうことでビットコイン価格が暴落してしまう可能性を警戒したようです。

 

そして、今後も同じウォレットからの送金が続くようであれば、回復傾向にあったビットコイン価格は下落傾向になるのではないかと考えられているようです。

 

以下は2020年5月23日午前1時40分頃のtradingviewBTCJPYのチャートです。

チャートの赤丸内から価格が下落し始めているのがみて取れますが、この下落傾向は今回の11年ぶりのビットコイン送金騒動が報道されたタイミングから始まっています。

 

それだけビットコイン市場が警戒していることのあらわれといえるでしょう。

tradingviewBTCJPY

画像引用:tradingviewBTCJPY

 

自称サトシ・ナカモトのCraig Wrightも否定

今回のビットコイン送金騒動は思わぬところにも飛び火し、違う騒動を巻き起こしています。

それが故デイブ・クレイマン氏とともにビットコインの開発に関わっていたCraig Wright(クレイグ・ライト)氏の裁判です。

 

クレイグ・ライト氏は故デイブ・クレイマン氏と共同でビットコイン開発やマイニングをおこなっていましたが、本来であれば2人で分け合わなければならないマイニング報酬を独り占めしたと、故デイブ・クレイマン氏の遺族から訴えられており、その裁判は継続している最中です。

 

裁判所は遺族側の申し立てを認め、クレイグ・ライト氏にマイニング報酬の半分を引き渡すように申し渡しましたが、クレイグ・ライト氏はマイニング報酬が保管されているウォレットの秘密鍵を持っておらず、弁護士が所有者であるために引き渡しには応じられないと述べていました。

 

ところが5月20日に11年ぶりのビットコイン移動が確認されたアドレスは、クレイグ・ライト氏が裁判所に提出していたマイニング報酬が保管されているとするアドレスでした。

 

つまり、クレイグ・ライト氏が秘密鍵を持っていないのなら、誰が秘密鍵を使って送金したのか。

またそのアドレスはクレイグ・ライト氏の所有しているものなのかどうかにも疑問符が付きます。

そして、もしクレイグ・ライト氏が自分で送金したのであれば、秘密鍵を持っていないと主張したことが嘘になります。

 

この件に関して、クレイグ・ライト氏に直接連絡を取り、確認したとツイートしている人物がいます。

ビットコイン関連ニュースやブロックチェーン情報を提供しているCoinGeek社の創始者であるCalvin Ayre(カルヴィン・エアー)氏です。

Calvin Ayre氏は、ビットコインSVこそ本当のビットコインであると主張している人物で、ビットコインSVの開発に携わったnChain社の技術責任者であるクレイグ・ライト氏とは懇意なのでしょう。

Calvin Ayre Twitter

画像引用:Calvin Ayre Twitter

 

Calvin Ayre氏のツイートによると、クレイグ・ライト氏は送金を否定している旨が書かれています。

しかし送金を否定しているだけでは、本当は秘密鍵を持っているけれども送金していないのか、それとも秘密鍵を本当に持っていないのか、そしてそのアドレスがクレイグ・ライト氏所有のものなのかは分かりません。

 

またビットコインSVこそ本当のビットコインであると主張しているCalvin Ayre氏が、そのビットコインSVの技術責任者を務めるクレイグ・ライト氏に不利なことをツイートするでしょうか。

この点にも疑問が湧いてきます。

 

今後の裁判の進展を待たなければ、はっきりとしたことは分からないでしょう。

 

まとめ

ビットコイン創設期にマイニングされたビットコインが、11年ぶりに送金されたことによって起こった騒動についてご説明しました。

 

今回の騒動は単に11年ぶりに動かされたことで起こったものではなく、送金されたビットコインが50BTCだったことにも起因しています。

果たしていったい誰がこのビットコインを送金したのでしょうか。

また、今後このアドレスからの送金は続くのでしょうか。

 

このアドレスには、もっと多くのビットコインが保管されていることが十分考えられます。

つまりクジラと呼べる存在であるということです。

そのクジラが今後どのような動きをするのかによって、ビットコイン価格は大きく動くはずです。

単なる騒動としてこのニュースをみるのではなく、クジラの動きとして観察しておくべきなのでしょう。

 

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