業績好調な仮想通貨関連業界の実例
- 仮想通貨関連
- 2020.05.10.
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仮想通貨バブルといわれた2017年頃は、多くの人がビットコインなどの仮想通貨取引や仮想通貨FXに取り組み、一般の報道でも仮想通貨に関連したニュースなどの露出量が大幅に増えていました。
その後、ハッキング被害やビットコイン価格の下落などもあり、ニュースなどで取り上げられることは少なくなりました。
しかしその一方で仮想通貨関連業界は進化し続けており、多くの関連業種が生まれてきているだけでなく、売り上げも拡大しつつあります。
また業績も好調であることが伝えられています。
どれほど好調なのか、その実例のいくつかをご紹介しましょう。
それを知ることで、仮想通貨がどれほど世の中に定着しつつあるのか、その現実を実感できるはずです。
決済関連企業のビットコイン売上が増大
サンフランシスコに本拠地がある決済関連事業を展開するSquare, Inc.が2020年5月6日に2020年第1四半期の決算報告を発表しました。
報告によると、ビットコイン販売に関連する売上高が、法定通貨に関連したサービスの売上高を抜いてしまったことが明らかになっています。
Square, Inc.の法定通貨関連サービス事業としての売上高は2億2200万ドル、日本円にしておよそ236億円となっています。
そしてビットコイン関連サービスの売上高は3億600万ドルで、日本円にするとおよそ325億円となっています。
つまり売上高だけでみると、法定通貨関連サービスをビットコイン販売が上回っていることになります。
Square, Inc.の主力事業は決済アプリである「Cash App」ですが、「Cash App」の総利益は前年比で115%となっており、法定通貨関連サービスの総利益は1億7800万ドル、ビットコイン販売の総利益は700万ドルでした。
総利益額だけをみると、ビットコイン販売は法定通貨関連サービスに追いついてはいないものの、2019年通期のビットコイン販売総利益は800万ドルであることから、急激な進捗を示していることが分かります。
以下のグラフはSquare, Inc.のビットコイン売上高を2018年から2020年まで、四半期別にまとめたものです。
画像引用:coindesk
このグラフをみると、2018年第1四半期から第2四半期以降は伸び悩みがあったものの、それ以降は順調に伸びてきていること、さらに2020年第1四半期に入ってから急激に伸びていることが分かります。
英ではブロックチェーン関連の職種が高給与
英においてはビッグデータを扱う仕事やクラウドコンピューティングなどの仕事よりも、ブロックチェーン関連の仕事の方が給与は高く、しかも最高の給与額であることがCapital On Top社の調査報告で明らかになりました。
画像引用:Capital On Top
報告によるとCapital On Top社はテクノロジー産業の中で近年注目されているバーチャルリアリティやビッグデータ、人工知能、クラウドコンピューティングなどの各職種の年収を調査しています。
これらの職種の中でもブロックチェーン関連の仕事における平均年収が最も高く、7万5000ポンド日本円にしておよそ990万円となっているとのことです。
なお、ブロックチェーン関連企業が最も多い国は米で、次いでインド、UK、ウクライナ、オーストリアの順となっていることもこの調査で明らかになっています。
他国のブロックチェーン関連職種の給与事情
英以外の国において、ブロックチェーン関連の職種がその国の職種別平均給与の中で最高額になっているのはカナダが挙げられます。
一方、ブロックチェーン技術を国として推進している中国では、ブロックチェーン関連職種の給与が大幅に減少していることが分かっています。
2020年3月に発表されたデータによると、2019年のブロックチェーン関連職種の平均給与額は、2018年と比較するとおよそ37%減少しているとのことでした。
仮想通貨業界へのサービスで銀行が業績向上
2020年4月26日、米のカリフォルニア州に本拠地を置くSilvergatebankが2020年第1四半期の決算報告をおこない、仮想通貨業界に向けたサービスによって業績が著しく向上していることが分かりました。
画像引用:Silvergatebank
Silvergatebankは1988年の創業以来、他の銀行との差別化を図るために比較的ニッチな業界や産業を対象にして融資をおこなってきました。
そしてビットコインが登場してしばらく経ち、価格も上昇し始めた2013年に仮想通貨業界に対するサービスを展開し始めました。
この頃は仮想通貨業界全体に信頼性が薄く、どの銀行もサービス提供を敬遠していましたが、商機があると判断したSilvergatebankが積極的な展開をおこなった結果、業績の向上につながっているというわけです。
業績向上の背景
Silvergatebankの業績が向上している一番の理由として、仮想通貨企業を対象にした独自の決済サービスであるSEN(Silvergate Exchange Networkの略)を挙げています。
このサービスは機関投資家の顧客が24時間、年中無休で資産移動を可能にしたもので、これによってどんなタイミングも見逃すことなく、投資効率を高めることにつながっているとしています。
またSilvergatebankの顧客には米の大手仮想通貨取引所であるCoinbaseやGemini、Krakenなどがあり、仮想通貨市場の活性化や拡大が業績の向上につながっていることも好調さの背景にあるようです。
第1四半期の業績向上例
Silvergatebankは決算報告の中で、業績が向上している内訳を紹介しています。
まず顧客数は、2019年の第4四半期に804社だったものが、2020年第1四半期には850社に増えています。
なお前年同期比でみると38%増加していることになります。
また今後、顧客数は200社増えることが見込まれるとのことです。
さらにSilvergatebankの独自決済サービスであるSENのトランザクションも大幅に増加していることを挙げています。
2019年の第4四半期には14,400件だったのが、2020年第1四半期は31,405件と2倍以上に増えています。
これは前年同期と比較すると4.4倍にも増えている計算になります。
そのSENが送金処理をおこなっている米ドルの額も大幅に増えており、2019年の第4四半期は96億ドルでしたが、2020年第1四半期には174億ドルと181%も処理額が増えています。
なお前年同期との比較では、4倍以上の送金処理額となります。
また仮想通貨に関する手数料収益に関しても記載されており、2019年の第4四半期が140万ドルだったものが、2020年第1四半期には170万ドルとなっています。
この仮想通貨関連手数料収益は前年同期に90万ドルであったことから、わずか1年で倍近い伸び率を示していることになります。
まとめ
仮想通貨関連の決済関連企業の好調さだけでなく、ブロックチェーン関連職種の高額な給与、さらに仮想通貨関連サービスを展開している銀行の好調さなどについてご説明しました。
これら以外にも、仮想通貨関連事業を展開している企業で高収益を上げている企業は多数あるはずです。
それは仮想通貨がそれだけ多くの人に認知され、資産として認められてきた証でもあるはずです。
ただ、好調さの背景には、新型コロナウイルスによって金融資産を見直す動きが高まったことに加え、量的緩和などによって今後のインフレを考えた場合の選択があったのかもしれません。
しかしどのようなきっかけであろうとも、仮想通貨に注目して投資する人が増え、仮想通貨に関連した新規事業が展開されていくことにつながっているのであれば、それは歓迎すべきことでしょう。
またこれだけ世の中に仮想通貨が定着してくると、価値が下がりにくくなるという現象が起きる可能性もあるはずです。
仮想通貨FXでは今後、これらの要素も加味して判断材料にすべき時なのかもしれません。