とりあえず売り圧力が落ち着いたビットコイン
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- 2020.03.20.
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- とりあえず売り圧力が落ち着いたビットコイン
画像引用:tradingview BTCJPY 1ヶ月チャート
新型コロナウイルスの影響で、2020年2月24日以降ずっと下落基調だったビットコイン価格は、220年3月19日になってやっと少し下げ止まり感がでてきただけでなく、3月19日からは上昇傾向に転じています。
冒頭のTradingview BTCJPYチャートは3月20日8時30分頃のものですが、これをみる限りは上昇基調になっていますが、果たして本当に下げ止まったのでしょうか。
これだけ新型コロナウイルスの影響が拡大しており、世界中の金融資産が下落し続けてきた経緯から、仮想通貨FXに取り組む人はきっと本当に下げ止まりなのか、疑心暗鬼に思ってしまうでしょう。
そんな不安感を吹き飛ばすようなニュースが報道されました。
ビットコインの売り圧力が落ち着いてきたというものです。
このニュースに信ぴょう性があるなら、非常に喜ばしいことです。
このニュースについて、詳しくご説明しましょう。
売り圧力が落ち着いてきたとのデータ
新型コロナウイルスの感染拡大によって2020年2月下旬から売り圧力が強く、下落基調だったビットコインにおいて、今は売り圧力が落ち着いてきたことをブロックチェーン分析会社であるChainalysis社が2020年3月18日付けのブログで報告しました。
画像引用:chainalysis blog
ビットコイン売りのための流入増加
Chainalysis社のデータによると、2020年3月9日以降は仮想通貨取引所にビットコインの流量量が増え、3月9日から8日間の流入量は計110万BTCとなっていました。
その中でも特に流入量が多かったのが、ビットコイン価格が大きく下落した3月13日で、流入量は319,000BTCとなっていました。
3月9日以前の1日平均流入量は52,000BTCでしたが、3月12日、13日には平均流入量よりも47万5,000BTC多く流入していました。
この期間にどれだけ多くのビットコインが売却のために仮想通貨取引所に流入してきたかが分かるでしょう。
流入量の3分の2が売却された
仮想通貨取引所にはこれだけ多くのビットコインが流入しましたが、そのうちの3分の2は既に仮想通貨取引所から移動させられているとのことです。
これはすなわち、3分の2のビットコインが売られたと考えられるということです。
また今現在の仮想通貨取引所への1日あたりの流入量は、平均流入量の2倍となっており、ビットコイン価格が安定してきている様子が伺えます。
プロトレーダーと投資家が相場を動かした
Chainalysis社のデータはさらに興味深い事実を示しています。
それは、仮想通貨取引所に流入するビットコインの単位が占める割合に関することです。
ビットコインが比較的小さな単位(0.1〜10BTC)で流入していたのは、2020年3月9日以降、2倍に膨れ上がっていました。
一方、10〜100BTCや100〜1,000BTCの単位で流入していたのは、流入量の70%にも及ぶことが分かっています。
以下のグラフは、2020年1月1日から3月8日のタームと3月9日から3月16日のタームにおけるビットコインの流入単位別の1日平均流入量を比較したものです。
画像引用:chainalysis blog
このグラフを見ると、0.1BTC~1BTCの単位や1BTC~10BTCの単位でも流入量は増えていますが、10BTC~100BTCや100BTC~1,000BTC、1,000BTC以上の単位では流入量が大きく増加していることが見て取れます。
これらのデータから以下のようなことが分かると、Chainalysis社は説明しています。
これらの傾向は、より深いポケットのプロのトレーダーと投資家が市場を動かしていたことを示唆していますが、売りと買いの両方で、多くの小売保有者が加わりました。
引用:chainalysis blog Google翻訳
つまりビットコイン価格を大きく下落させたのはプロトレーダーと投資家ということであり、一般の人々は価格の変動に応じて売りと買いに加わったという現実が見て取れるわけです。
別の分析企業も短期保有者の売りを指摘
上記のように、ビットコイン価格の大幅下落の原因がどのような人々によって起こされたのか分析しているのは、Chainalysis社だけではありません。
仮想通貨市場やブロックチェーンのデータを専門に分析しているCoin Metrics社は、Chainalysis社とは異なる視点からデータを分析し、発表しています。
Coin Metrics社の発表によると、分析手法はビットコイン価格が大きく下落した際、売られたビットコインはどのぐらいの期間保管されていたものかを調べるというものです。
分析の結果、2020年3月11日時点では、「少なくとも1年間保管」されていたビットコインは4,131BTCが売られました。
しかしこれよりも短い期間である「少なくとも30日間保管」されていたビットコインは、28万1,000BTCが売られていました。
以下のグラフは保管されていた期間別のビットコイン売却ボリュームを示しています。
黒い線はビットコイン価格をあらわしています。
画像引用:Coin Metrics
このグラフを見ると、30日保管されていたビットコインが最も大量に売られていることが分かります。
次いで90日保管、180日保管が売られています。
Coin Metrics社は、これらのデータからビットコインの売りは短期保管のトレーダーが引き起こしたものであり、長い期間保有している人ほど強気姿勢を保っていると説明しています。
つまり短期間しか保管されていないビットコインが大量に売られたことによって、ビットコイン価格が大きく下落したといえるわけです。
価格の下落させたのはプロトレーダーと投資家
Chainalysis社とCoin Metrics社のデータを考え合わせると、プロトレーダーと投資家はビットコインを大量に保有しているものの、短期的にしか保管していないこと。
そして彼らが一斉にビットコインを売りに出したことが、ビットコイン価格の大幅下落を招いていることが分かります。
すなわちプロトレーダーや投資家からみると、ビットコインは単なる投資対象でしかなく、価格が大幅に下落すると早々と離脱しているということです。
今がビットコイン買いタイミングか?
Coin Metrics社は独自開発した指標である「実現時価総額」を活用し、市場時価総額の割合(MVRV)の下落幅を分析しています。
実現時価総額とは、ビットコインを最後にオンチェーンで動かした際の価格によって計算するもので、その時の金額×BTC数によって求められるため、現在の価格が幾らなのかは関係ありません。
そしてMVRVと呼ばれる、ビットコインの実現時価総額に対する市場時価総額の割合から試算すると、最も大きくビットコイン価格が下落した2020年3月13日は下落幅が最大になっているとのことでした。
Coin Metrics社の試算によると、ビットコインの市場時価総額は46%下落しているものの、実現時価総額の下落はわずか3%であり、MVRVの過去データによる傾向からは、ビットコインを割安で買える絶好の機会であると指摘していました。
まとめ
大きく下落していたビットコイン価格が上昇傾向にあるのは、プロトレーダーや投資家が所有していたビットコインの売りに回ったことが原因だったようです。
おそらく、彼らが所有していたほとんどのビットコインは売られてしまったのでしょう。
現在ビットコイン価格は上昇に転じていますが、それは売りがひと段落したからでしょうが、今後どこまで上昇するかはまだ予想できません。
外国為替市場では米ドルが上昇しており、これまでになかった高値をつけています。
これも非常に不気味な動きであり、これまでになかった動きだといえます。
つまり、予想できないことばかりの状況だということです。
ただビットコイン価格が大きく値下がりしても動じることなく、保有し続けたビットコインの将来を信じる人々の存在が、今後のビットコインの行くべき道を指し示しているのかもしれません。