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米が仮想通貨やデジタル通貨がドルに与える影響を警戒

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  • 2020.02.18.

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  • 米が仮想通貨やデジタル通貨がドルに与える影響を警戒

フェイスブックが仮想通貨リブラ構想を発表し、中国がCBDCであるデジタル人民元を開発しつつあることなどが影響を及ぼし、ヨーロッパなどではCBDCの開発も進んできています。

おそらく数年後には、仮想通貨やデジタル通貨が世界の金融市場を席捲することはほぼ間違いないでしょう。

海外への送金が短時間で、しかも手数料も不要でできるようになるのですから、これほど便利なものはありません。

 

しかしこの進化に危機感を抱いている国があります。

それが現在の世界の基軸通貨であり、準備通貨であるドルを発行している米国です。

 

仮想通貨やデジタル通貨が当たり前のように流通してしまうと、米ドルの地位は足元から揺らぎ、米の世界的な地位さえも崩れ落ちていきます。

そのことに気付いた米は、今になって仮想通貨やデジタル通貨の影響と真剣に対峙し始めたようであり、それに関するニュースが報道されています。

 

その報道内容について、詳しくご説明しましょう。

 

米ドルが準備通貨の地位を失う影響を調査

ODNI(米国国家情報長官室)が米ドルの現在の地位である準備通貨の位置付けを失うとどうなるのか、調査研究しようとしていることが研究員募集によって判明しました。

研究員の募集は、政府機関や民間組織などが資金提供したインターンシップや学術フェローシップ、奨学金リストなどを掲載しているwebsite「Zintellect」でおこなわれています。

zintellect

画像引用:zintellect

 

「米ドルが世界準備通貨としての地位を失うことの影響を評価する」と題された募集内容を見てみると、国家情報局長官室での仕事として募集されているようで、応募資格は米国市民で博士号を持っている人となっています。

そして研究期間は2020年10月から2年間となっています。

 

研究の説明としては、以下のような内容が記述されています。

 

グローバルな暗号通貨または国のデジタル通貨のいずれかが米ドルを弱体化させる可能性があると予測しています。

(中略)

米国は、世界の準備通貨としての米ドルを弱体化させる恐れのあるシナリオを準備し、それらのシナリオを克服し、世界経済の地位を保護する方法を決定する必要があります。

(中略)

米ドルが世界準備通貨としての地位を失う方法について最も可能性の高いシナリオを決定する必要があります。

そのシナリオがどのような時間枠で展開する可能性があります。

また、米国、その経済、および国家安全保障に対するその地位の損失の影響を詳述する必要があります。

引用:zintellect Google翻訳

 

米の研究の目的とは

ODNI はこの研究の目的を、米ドルの準備通貨としての地位に影響する「ブラックスワン」対策だとし、Zintellect内で以下のように記述しています。

 

米国は、まだ理解されていない方法で戦略的サプライズを提示して金融の分野に革命をもたらす可能性のある潜在的な「ブラックスワン」イベントを特定し、特定のグローバルイベントまたは技術イベントに特に敏感な根本原因と推進要因を理解する準備をする必要があります。

引用:zintellect Google翻訳

 

ブラックスワンとは

ブラックスワンとはどういう意味なのでしょうか。

これは、ハクチョウは白いものと信じされていたにもかかわらず、オーストラリアで見つかった黒いハクチョウの存在がこれまでの常識を覆したことに由来しています。

つまりこれまで信じられていた知識や確率論ではとても予測できなかった、これまでにない事柄が発生したことによって、非常に大きな影響を及ぼすことをブラックスワンと呼びます。

 

実際にこれまで起きた出来事でブラックスワンと称されているのは、1987年に起きたブラックマンデーや2008年のリーマンショック、比較的新しいところではトランプ大統領の当選がこれにあたるといわれています。

 

米がブラックスワンと考える対象

ODNIが考えているブラックスワンは、中国やインドなどの発展著しい国々の台頭だけではありません。

仮想通貨市場やCBDCに対しても、どんな影響が出るか予測できないため、ブラックスワンといえるのではないかとの仮説を示しています。

ODNI

画像引用:ODNI

 

米ドルの準備通貨としてのメリット

米ドルが準備通貨であることのメリットとはどのようなものがあるのでしょうか。

 

準備通貨とはそもそも各国の金融当局が対外決済準備のために保有している外貨のことであり、その外貨の中でも相当量を占めているものを指します。

つまり現在の国際取引においては、ほとんどの場合米ドルでの取引が基本になっているということです。

これはほとんどの国の国際取引を、米政府やFRB(連邦準備制度理事会)が監視できるという意味でもあります。

 

また貿易で米ドルを得た国は、米にその資金を投入することによって米にはその資金が還流されることになります。

さらに米政府はそれを見込むことができるために、国債を発行すれば資金調達も楽におこなうことができるわけです。

 

これだけの権力を持った米ドルは、特定の国に対して経済制裁を加える手段としても活用することができます。

その国が準備金を用意することができないよう、その国の通貨と米ドルとの両替を制限すれば貿易ができなくなり、制裁できてしまうことになります。

 

つまり米ドルが各国の準備通貨になっていることは、世界における米の地位と経済、政治力などの源になっているともいえます。

 

本当に米のCBDCは5年間必要ないのか

中国がデジタル人民元を推進し、ヨーロッパでもCBDCが着々と進められている中、米だけが今頃になって仮想通貨やCBDCの影響を懸念し始めているのは、準備通貨というポジションゆえの動きの鈍さでしょうか。

 

2019年12月7日のニュース記事「米と欧州とのデジタル通貨に対する取り組み姿勢の落差」内でもご説明したように、米財務長官であるムニューシン氏は2019年12月の米下院金融サービス委員会において、今後5年間はCBDCを発行しないと明言しています。

しかもこの発言はFRBのパウエル議長と協議した結果だとも発言しています。

 

もし5年間CBDCを発行しないならば、その間に中国やヨーロッパ各国のCBDCは運用を開始されるでしょう。

その時になって米だけが米ドルに固執し、世界における現在の地位や政治力、経済力を失ってしまうことに気が付くのかもしれません。

 

そして新たなCBDCの準備通貨発行国になるのは、いったいどの国なのでしょう。

 

まとめ

米が仮想通貨やCBDCに対して警戒感を抱いていることに関するニュースについてご説明しました。

 

このニュースは、世界のCBDCに関する動きを知っていると、いまさら感が非常に強い内容です。

そもそも中国は米ドルに対抗するためにCBDCを構想したともいわれており、米が米ドルという権力の座に胡坐をかいていると、今の地位から転落しかねないのではないでしょうか。

 

今回の報道で、米も遅ればせながら危機感を抱いていることが伝わってきました。

今後のCBDC開発のスピードアップに期待したいところです。

 

海外の仮想通貨デリバディブ取引は、高水準のリスクを伴う投資であり、全ての投資家に適した投資ではありません。海外の高倍率のレバレッジは少額の資金で証拠金を上回る取引を行うことができますが、仮想通貨は急激な価格変動も多く、短期間に利益を出せる一方で、証拠金の大部分や全てを失ったり、取引額が証拠金を上回っていれば、証拠金額等を超える損失が発生するケースもございます。損失に耐えられない資金投資はするべきではなく、海外業者で仮想通貨FX取引を始めるにあたっては、投資目的やご自身の経験、リスクの許容範囲などを含めて慎重にご検討し、取引内容を十分にご理解いただいた上で、ご自身の責任と判断において取引を行ってください。

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