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米イラン情勢に敏感に反応し続けるビットコイン

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  • 2020.01.11.

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ビットコインが米イラン情勢に反応し、有事の際の安全資産として機能していたことは、2020年1月9日のニュース記事「米とイランの紛争がビットコイン価格を高騰に導く?」でご紹介しました。

 

その後の米イラン情勢は、旅客機墜落などが発生しており、それに対してもやはりビットコインは反応しているようです。

旅客機墜落の原因や経緯、そして現在の米イラン情勢はどうなっているのか、詳しくご説明しましょう。

 

イランからの攻撃とトランプ大統領の演説

米がイランのガセム・ソレイマニ司令官を無人機で殺害したことに対し、イランがイラクの駐留米軍基地にミサイルを撃ち込んだため、米とイランは一気に緊張状態になりました。

米のトランプ大統領がTwitterで、イランがもし司令官殺害に対して反撃するなら52のイランの施設を標的にすると書き込んでいたためです。

 

イランの攻撃は計16発の短距離弾道ミサイルで、イランの3か所から発射されたことが分かっています。

米の発表によると、16発のミサイルのうち11発がイラク西部にあるアサド空軍基地に着弾し、1発は北部アルビル基地に着弾したとのことです。

なお、残りの4発は着弾していないと発表しています。

 

米のトランプ大統領はこの攻撃に対して2020年1月8日、演説をおこなっています。

演説では、米兵に死傷者がいなかったことや被害が最小限であったことを説明し、イランが今後攻撃してくる可能性が低いであろう旨を述べています。

またこの演説では、過去にツイートしていた52カ所への攻撃について触れることはなく、米が平和を望んでいることも主張しています。

つまり、イランがこれ以上攻撃してこなければ、米も反撃するつもりはないことをアピールしたわけです。

 

またこの日、ペンス副大統領がテレビ出演し、イラン政府がつながりのある武装組織に米に攻撃しないよう呼び掛けている情報を得ていると話しました。

これはイランも、これ以上米に対して攻撃を仕掛けるつもりはないことが分かったということです。

 

トランプ大統領演説後のビットコイン価格

トランプ大統領が上記の演説をすると、ビットコイン価格は下がり始めました。

以下のチャートは、TradingviewBTCJPY5日間表示の2020年1月10日15時現在のものです。

 

トランプ大統領が演説の中でイランに対して攻撃する意思がないことを表明し、イランもこれ以上の攻撃はしないであろうことが分かった、つまり戦争に発展する危険性が回避されたことが分かると、ビットコイン価格が下がり始めています。

 

いかにビットコインが安全資産として活用されているのかがわかる現象です。

TradingviewBTCJPY5日間表示

画像引用:TradingviewBTCJPY5日間表示

 

イランのミサイル攻撃が旅客機撃墜

米とイランの緊張状態が緩み始めた2020年1月10日午前4時20分頃に、ウクライナ航空PS752便のボーイング737型機が墜落したとのニュースが飛び込んできました。

実際に墜落したのは、イランが駐留米軍基地にミサイルを撃ち込んだおよそ5時間後の2020年1月8日、日本時間の午前11時42分でしたが、報道されるまでに時間がかかっていたようです。

 

報道によると、PS752便はテヘランにあるイマーム・ホメイニ空港から、ウクライナの首都であるキエフに向かって出発した直後に墜落した模様で、搭乗していた176人の乗員乗客の全員が死亡しました。

なお死亡したのはイラン人とスウェーデン人、カナダ人で、アメリカ人は含まれていないようです。

 

このニュースをイラン側は機器の故障が原因とすぐさま発表しましたが、詳しい調査もおこなわれていない段階での早期の報道に、疑問の声が上がっていました。

 

その後、米諜報機関とカナダ大統領が、PS752便はイランからの間違ったミサイル攻撃によって撃墜された可能性が高いと発表しました。

またカナダのジャスティン・トルドー首相は会見を実施し、イランの地対空ミサイルが原因であると説明しており、イギリスのボリス・ジョンソン首相は具体的な情報の存在を示唆する発言をおこなっています。

 

そしてトランプ大統領も、墜落の原因が機器の故障とするには疑問があるとして、PS752便がイランの緊張状態にある地域の周辺を飛行していたため、誰かのミスがあったのかもしれないと述べていることが報道されています。

CBC NEWS YouTube

画像引用:CBC NEWS YouTube

 

イラン側の反応と撃墜の可能性

イラン側はミサイル攻撃を否定していますが、PS752便が墜落したのはイランが駐留米軍基地を攻撃したわずか5時間後であったことから、イラン側が米軍の爆撃機だと誤認して攻撃した可能性が指摘されています。

 

またその説を信憑性の高いものにしているのが、墜落して短時間のうちにイラン側が機器の故障と報道している点です。

機器の故障が原因で墜落したのかは、調査しなければ判断できないにもかかわらず、すぐにこのような報道するのは、誤った攻撃をしたことを隠すためではないかと思われているわけです。

 

なお、今後の原因究明はボーイング社と米国連邦捜査官とでおこなわれることになるはずです。

 

旅客機墜落のビットコイン価格への影響

今回の航空機墜落の原因がイランの地対空ミサイルではないかとの説が流れたことにより、また米とイランとが緊張状態に陥るのかと感じた人が多かったのでしょうか、上記のTradingviewのチャート図にあるように、ビットコイン価格は一気に2万円近く上昇しました。

 

しかし乗員乗客にアメリカ人がいなかったこと、トランプ大統領が比較的冷静に対応していることなどから、当初のような緊張状態ではないことを理解したせいか、すぐにビットコイン価格は高騰前の価格に戻っていることが分かります。

 

今回のビットコインの値動きから読み取れること

一連の米イラン情勢の変化によってビットコイン価格が反応し続けていることは、ビットコインが明らかに安全資産として認識されていることが分かります。

 

ビットコイン価格の変動の原因は、もちろん今回のような世界的な危機の際だけではありませんが、多くの人がその危機についてどのようにとらえているのかを理解する手掛かりとして活用できることが分かりました。

本当に危機だと感じれば高騰し、それほどの危機ではないと考える人が増えれば価格が落ち着いてくるということです。

報道は何らかの意図によって捻じ曲げられるケースがありますが、ビットコイン価格は報道よりも正直に反応することから、世の中の反応を知る手段にもなるケースがあるのかもしれません。

 

ウクライナ航空PS752便の墜落原因は今後の調査によって明らかになるでしょうが、もしイランの地対空ミサイルが原因だったとすると、米だけでなくカナダもイランに対して強硬な姿勢を取る可能性もあります。

墜落原因によっては多国籍間で緊張状態になることも考えられるわけです。

 

まだまだ予断を許さない状況ではありますが、今回の価格高騰をビットコインの価格変動のモデルケースとして覚えておくべきでしょう。

 

まとめ

米イラン情勢が緊張状態にある中で起きたウクライナ航空の旅客機墜落について、ビットコイン価格がどのように反応したのかをご説明しました。

 

今回の件では、ビットコインが安全資産として機能することが確認できましたが、戦争は避けてもらいたいと考えるのは人類共通の願いでしょう。

できることなら、ビットコインの利用価値が高まることで価格が高騰していって欲しいものです。

 

海外の仮想通貨デリバディブ取引は、高水準のリスクを伴う投資であり、全ての投資家に適した投資ではありません。海外の高倍率のレバレッジは少額の資金で証拠金を上回る取引を行うことができますが、仮想通貨は急激な価格変動も多く、短期間に利益を出せる一方で、証拠金の大部分や全てを失ったり、取引額が証拠金を上回っていれば、証拠金額等を超える損失が発生するケースもございます。損失に耐えられない資金投資はするべきではなく、海外業者で仮想通貨FX取引を始めるにあたっては、投資目的やご自身の経験、リスクの許容範囲などを含めて慎重にご検討し、取引内容を十分にご理解いただいた上で、ご自身の責任と判断において取引を行ってください。

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