ビットコイン価格下落を示していた3つのサイン
- ビットコイン
- 2019.10.05.
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- ビットコイン価格下落を示していた3つのサイン
ビットコイン価格は2019年の6月に140万円近くにまで上昇しましたが、その後は下がり続け、2019年10月5日8:00過ぎの時点で874,186円にまで落ち込んでいます。
株や通貨FXなどと異なり、価格変動の明確な根拠が見つけにくい仮想通貨価格ですが、実は9月末にビットコイン価格が下がることを示すサインを見つけたという報道が3つありました。
この3つのサインとはどのようなものなのでしょうか。
また今後これらのサインは、仮想通貨FXなどで参考にすることができるのでしょうか。
詳しくご説明しましょう。
ビットコイン価格の落ち込み
下のチャート図は2019年10月5日8:00過ぎのtradingview BTCJPYの直近6ヶ月の価格をあらわしたものです。
画像引用:tradingview BTCJPY
2019年6月末に140万円付近まで高騰していたものの、変動はありましたがその後は下がり続け、9月25日には大きく値下がりし、9月30日にも大きく下落しています。
加えて10月5日現在も上昇の気配が感じられない状態が続いています。
価格下落の3つのサイン
このような価格下落に対するサインがあったのを指摘している報道が3つありました。
その内の1つがビットコイン投資家の心理を指摘しているケースです。
そして2つ目は米シカゴ先物市場の決済日の影響を指摘していたものでした。
3つ目に、中国の雨季が終わるタイミングの影響も報道されていました。
これらの3つのサインについてそれぞれご説明しましょう。
ビットコイン投資家の心理
2019年9月27日、アラビア語と英語でニュースを報道するためにカタール政府が設立したメディアAljazeeraが、投資会社Miller Value PartnersのポートフォリオマネージャーであるJohn Spallanzani氏の説を紹介しています。
画像引用:aljazeera
ビットコインは夏に到達した14,000ドル近くの高値を取り戻すことができなかった、と彼は言い、「市場は疲れ果て、量は枯渇した」と付け加えた。
引用:aljazeera Google翻訳
つまり、ビットコイン価格が一度14,000ドルの高値にまでなったにもかかわらず、以後は低迷しており、再び価格上昇の気配もないことからトレーダーが疲れてしまい、取引量そのものも減ってしまったと述べています。
また有名な仮想通貨アナリストであり、コメンテーターとしても活躍しているAlessio Rastani氏は、仮想通貨トレーダーの心理に観点から分析し、その結果を動画として2019年9月27日YouTubeに「Will Bitcoin Drop to 3K?」のタイトルでアップしています。
Alessio Rastani氏の分析によると、2019年6月末の高値の際、トレーダーの心理は「陶酔」の時期であったが、そこから価格が下がるのではないかという「不安」を持ち始めるものの、価格が下がるなんてことはないはずだという「否定」に変化していったと説明しています。
しかしその後ビットコイン価格が一度下落してしまうと、トレーダーの心理は「恐怖」や「憂鬱」、そして「パニック」になっていったとしています。
画像引用:Will Bitcoin Drop to 3K? YouTube
米シカゴ先物市場の決済日の影響
Arcane Researchがビットコインの価格は米シカゴ先物市場(CME)の決済日に影響されるという内容のレポートを発表したことについて、ノルウェーのメディアであるKryptografen(クリプトグラーフェン)が報じています。
画像引用:Kryptografen
この報道によると米シカゴ先物市場において、ビットコインの先物契約が決済期日になる前には、ビットコイン価格が平均で2%下落するとのことです。
このレポートを発表したArcane Researchはこのタイミングのビットコイン価格に注目しており、過去20回のうち15回のタイミングでビットコイン価格が下落していたと述べています。
上の図のグラフは2018年1月から2019年8月までの20カ月の調査結果をまとめたものです。
棒グラフの縦軸はビットコイン価格の変動率を示し、赤い棒グラフは価格の下落率を、水色は価格が上昇した場合の上昇率を示しています。
これを見ると、過去20カ月の間の15回でビットコイン価格が下落していることが分かります。
Arcane Researchはこの不可思議な現象について、痕跡を確認できていないものの、ビットコイン価格を機関投資家が操作することは可能であるとしています。
その方法の例として紹介されていたのが、以下のようなものです。
ウォール街のトレーダーにとって可能な戦略の1つは、スポット市場でビットコイン現物を購入(ロング)し、ビットコイン先物契約を売却(ショート)することです。 このようにして、彼らは価格変動に対してポジションを確保します。 ビットコインの価格が上がると、トレーダーはショートポジションで負けますが、これはロングポジションの価値の上昇によって相殺されます。
引用:Kryptografen Google翻訳
この説が真実なのかどうかは不明ですが、ビットコイン価格は機関投資家が大きな資産を投じれば操作することが可能ということになります。
中国の雨季が終わるタイミング
2019年9月23日、ニューヨークの投資会社であるiterative.capitalが、四川省で雨季が終わることに伴ってビットコイン価格が下落するのではないかと、その可能性に言及しました。
画像引用:iterative.capital
中国の雨季が終わることとビットコイン価格の下落は、一見つながらないように思われますが、内容を読んでみると可能性は高いのではないかと思わざるを得ません。
その根拠は、中国の四川省にはマイニング業者が多いことに由来しています。
中国の四川省では4月から10月が雨季となりますが、この地方の発電は水力発電に依存しており、雨季になると電気代が安くなるとのことです。
そのため雨季は利益率が高く、マイニング業者にとって稼ぎ時となるわけです。
しかし10月以降、つまり雨季が終わると水力発電だけに頼れなくなり火力発電などから電力を供給せねばならず、電気代も高くなります。
旧型より性能の良いマイニングマシンを導入するタイミングはこの時であり、新型のマイニングマシンが10月以降に大量設置されます。
新型の高性能マイニングマシンが大量に導入されることで、ビットコインの生産コストが安くなるだけでなく、大量に生産できるようになります。
その結果、ビットコイン価格を下げることにつながっていくわけです。
iterative.capitalはこれらのことについて、以下のように説明しています。
洪水シーズンが終了する頃の2018年10月に、BTCの価格は6000ドルから3000ドルに低下し、高電力コストで動作する多くの前世代のマシンは時代遅れになりました。 多くの古い機械は、引退したり、海外に移されたり、より機知に富んだ鉱山労働者に安い価格で売られたりしました。
まとめ
ビットコイン価格が下落することを示していた3つのサインについて説明しました。
実際にこれらのサイン通り、ビットコイン価格は9月30日に大きく値下がりしました。
その後は多少持ち直したものの、10月5日現在も徐々に値下がりしつつあります。
これらのサインは仮想通貨FXに取り組む際に非常に有効な指針となるはずですが、ビットコイン価格が下落するのはこれだけが原因とは断言できません。
多くの要素が複雑に影響し合い、その結果、価格の下落という形になってあらわれてくるのでしょう。
これらのサインをあくまでも参考としてとらえ、今後仮想通貨FXに取り組む際の指針のひとつに加えてみることを検討されればいかがでしょうか。
役に立つタイミングがあるかもしれません。