9.6現在のビットコインに影響する世界の出来事
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- 2019.09.07.
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画像引用:tradingview 2019.9.6. BTCJPY
2019年8月29日に大きく値を下げたビットコインは、2019年9月6日18時過ぎには1,147,258円にまで値上がりしてきています。
今後ビットコイン価格はどう動くのでしょうか。
そこで9月6日現在でビットコイン価格に大きく影響しそうな出来事をまとめてみました。またその出来事がどう影響するのかも考察してみましょう。
英EUブレグジットに関する動き
9月4日、EU離脱期限を10月末に迎える予定だったイギリスにおいて、下院議会がEU離脱の期限を2020年1月末にまで延ばす法案を可決しました。
また9月6日にはこの法案が英上院を通過することが予想されています。
つまりボリス・ジョンソン首相が主張していた10月末の合意なきブレグジットから、少しではあるものの息がつけた状態になったということです。
この状態を、市場はリスクが多少なりとも少なくなり、合意なきブレグジットが回避されるかもしれないと受け取ったのかもしれません。
その証拠に9月4日以降、ポンド/円の為替相場が上昇しています。
画像引用:tradingview 2019.9.6. GBPJPY
ただしボリス・ジョンソン首相は10月末のブレグジットを延期するなら、溝でのたれ死んだほうがましだと発言しており、ブレグジットを強行する姿勢を崩していないようです。
実際に首相がどのような手段に訴えるのかは不明ですが、それ次第で市場の受け取り方も変化してくる可能性があります。
英のEUブレグジットが仮想通貨に与える影響
英のEUからのブレグジットは、ポンドの下落だけでなく経済的な混乱を招く恐れがあるため、リスク回避のために資産をビットコインなどの仮想通貨に移す可能性があります。
ブレグジット危機が高まるほど仮想通貨に投資する率が高まり、ブレグジット危機が遠ざかると仮想通貨に投資する可能性が低くなるのではないかと考えられています。
香港「逃亡犯条例改正案」に関する動き
逃亡犯条例改正案に反対する大規模デモが数か月間続いていた香港で、政府のトップである林鄭月娥行政長官が9月4日、逃亡犯条例改正案を正式に撤回することを表明しました。
画像引用:REUTERS
同長官は改正案について大規模デモが続いた際、「事実上の白紙になった」とのコメントを出していましたが正式な撤回はしておらず、そのことに対してデモが続いていました。
正式撤回表明に対し、雨傘運動のリーダーは同長官の背後にいる中国に懐疑的で、単にデモを終息させるための策略だと訴えており、10月1日の建国記念日までは抗議行動を続けると宣言しています。
デモ隊の訴えていることは逃亡犯条例改正案の撤回だけではなく、同長官の辞任、デモの参加者が警察によって暴力を受けたことを調査する独立委員会設立なども含まれていましたが、これらに関して同長官は拒否しています。
すなわち香港のデモは完全に鎮静化したわけではないものの、最も大きな問題であった逃亡犯条例改正案の撤回だけは成し遂げたように見受けられます。
ただし雨傘運動のリーダーが主張するように、改正案が確実に撤回が履行されるかどうかは現時点で定かではありません。
香港の大規模デモが仮想通貨に与える影響
香港の大規模デモでは空港の機能がマヒしたり、銀行から全ての預金を引き出すよう指示があったりと、香港の経済的機能が失われる事態に陥っていました。
香港の投資家はこれらのリスクを避けるため、ビットコインなどの仮想通貨に資産を避難させており、香港プレミアムと名付けられた価格高騰も見られました。
大規模デモがまだ続くようであれば、ビットコインなどに回避する動きは続くものと考えられますが、デモが小規模になったり鎮静化するようであれば、仮想通貨価格への回避は落ち着くことが予想されます。
テザー裁判の行方について
ステーブルコインであるテザー(USDT)が、本来は米ドルと1:1で交換できるとしながらも、準備金として常に用意しておくべき米ドルを不正に利用したのではないかという疑惑に対して訴えられていた裁判で、ニューヨーク司法当局がコメントを発表しました。
画像引用:Bitfinex
そのコメントは、テザーを発行しているテザー社が裏付け資金にアクセスできなくても、現在もテザーの価格が米ドルと1:1なのは、利用者がテザーの価値を信頼しているからというものです。
これはすなわち、テザーに準備金がなくても信頼があるから問題ないと発言しているようにも受け取れます。
なお、テザー社が裏付け資金にアクセスできなかったのは、裁判所がテザー社と仮想通貨取引所Bitfinex間での資金移動を一時的に禁止していたためです。
Bitfinexはその後トークンセールを実施しておよそ1,100億円を調達したとされており、テザー社に1億ドルを返済しています。
この裁判ではテザー社のグループ会社である仮想通貨取引所Bitfinexが、ニューヨークの管轄になるのかどうかが争点となっており、ニューヨーク裁判所はニューヨークが管轄となると判断していました。
この判断に対してテザー側は控訴の構えを示していました。
テザー裁判が仮想通貨に与える影響
テザーは米ドルにペッグするステーブルコインとして、仮想通貨市場に定着しています。
この背景には、いつでも米ドルに1:1の割合で交換してもらえるという安心感があったからです。
以前からテザーに対しては、米ドルをテザーの発行分だけ準備していないのではないか、ビットコインなどを購入する資金としているのではないかなど、良からぬ噂が流れていました。
特にテザーが大量に発行されるタイミングとビットコイン価格の高騰が同じタイミングで起こることが多く、ビットコインへの投資疑惑だけでなく、価格操作に対する疑惑も存在しています。
今回の裁判の中で、テザー側の弁護士が米ドルの準備金はテザー発行量の3/4しか用意されていないこと、そして残りの1/4はビットコインなどへの投資に活用していたことを既に明らかにしています。
この裁判が注目されているのは、準備金以外の疑惑が解明されるかどうかだけが理由ではありません。
仮想通貨市場の中で一定の地位を確保しているテザーという通貨が、もし詐欺に近いものだったとしたら、仮想通貨全体に対する信頼性が損なわれる可能性があるからです。
仮想通貨には法定通貨や国債、株などの投資商品と比べると色々な問題点があります。
価格操作やハッキングによる流出などは、多くの人が仮想通貨取引に手を出さない最たる理由でしょう。
その闇のひとつがこの裁判によってさらされると、仮想通貨業界そのものが大きな痛手を受けることになります。
すなわち裁判の行方次第で、価格が回復しつつあるビットコインも大きく値を下げてしまう可能性もあるわけです。
まとめ
価格を回復しつつあるビットコインに影響しそうな出来事について、まとめてご説明しました。
どれもがビットコイン価格に大きな影響を及ぼしかねない出来事です。
しかもその行方は全て全く分からず、現時点でどうなるかは全く読めない状況です。
もちろん、理論的にビットコイン価格は下がるはず、もしくは上がるはずと考えていたとしても、その通りの結果になるかどうかは分かりませんが、何らかの影響があることだけは確かでしょう。
仮想通貨FXを取引されるのであれば、しばらくの間、これら3つの話題は常にチェックしておく必要があるでしょう。