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議会反発とメンバー企業にも見直しされるリブラ

  • 仮想通貨関連
  • 2019.08.26.

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ホワイトペーパーが発表されてから議会や金融当局からの批判を受け続けているFacebookの仮想通貨リブラが、ここにきてまた難局を迎えているようです。

 

米下院金融サービス委員会の議長が今年秋の委員会における優先案件として、リブラに対する監視について触れ、強化していくことを挙げています。

同時にリブラのホワイトペーパーでリブラ協会のメンバーであると説明されていた企業数社が、参加を見直していると報道されています。

 

この2つのニュースについて詳しくご説明しましょう。

 

米下院金融委員会議長がリブラの監視強化を発表

米下院金融サービス委員会のMaxine Waters議長が2019年8月23日、今秋から開催される委員会について、優先すべき案件を発表しました。

優先すべき事項は幾つか挙げられており、自社株買いについてやローン商品の革新具合の分析、テロリスク保険プログラムなど多岐にわたっています。

U.S. HOUSE COMMITTEE ON FINANCIAL SERVICE

画像引用:U.S. HOUSE COMMITTEE ON FINANCIAL SERVICE

 

そしてそれら以外に、以下のような一文が書かれています。

Facebookが提案する暗号通貨とデジタルウォレットの継続的なレビューの実施。

そしてMnuchin財務長官、クラニンガーCFPB局長、カラブリアFHFA局長、Quarles連邦準備局副議長などの政府高官や規制当局から証言を受け、質問する。

引用:U.S. HOUSE COMMITTEE ON FINANCIAL SERVICE 内容をGoogle翻訳 

 

つまりFacebookが発表した仮想通貨リブラに対して、今後も監視・審査体制を崩すことはないと説明しているわけです。

また、政府の高官や金融規制当局の人々からリブラについて議会で証言してもらい、それに基づいてリブラ側に質問していくことが記されています。

 

Maxine Waters議長のリブラに対する姿勢

Maxine Waters氏は2018年11月に米下院金融サービス委員会の議長に就任しました。

同氏は2019年7月に開催された公聴会においても、フェイスブックが過去に何度も犯した個人情報流出事件を例に、顧客のデータやプライバシーが守られないと指摘しています。

 

また2019年6月20日に出演したCNBCでは、リブラを監視対象とする機関が存在しておらず、何のステップも経ずに銀行を開業するのと同じだと非難しています。

 

Mnuchin米財務長官のリブラに対する姿勢

米下院金融委員会議長の発表内容に名前が挙げられていた人々は、リブラに対してどのような考えを持っているのでしょうか。

例えばMnuchin米財務長官のリブラに対する過去の発言を見てみましょう。

 

彼はCNBCの「スクォーク・ボックス」において、G7先進国財務大臣・中央銀行総裁会議ではリブラに重大な懸念があるということを参加国が明らかに合意していたと述べ、それを許してしまう前に懸念を解消すると説明しています。

また数々のコメントから、マネーロンダリングやテロ支援資金に強い問題意識を持っていることが分かります。

 

Quarles連邦準備局副議長のリブラに対する姿勢

Quarles連邦準備局副議長は金融規制について精通していることで知られており、G20でも各国首脳に向けてリブラには厳重な審査が必要なだけでなく、厳しい規制の必要性を訴える書簡を送っています。

また現時点での仮想通貨であれば世界の金融安定にとって脅威にはならないものの、規制当局の権限外の対象となりえることや、世界的な基準が欠如するなどの危険性を懸念しているようです。

CNBC Twitter

画像引用:Squawk Box CNBC Twitter

 

リブラに対する議会の今後姿勢

米下院金融委員会が議会で証言してもらうと挙げている人物は、リブラに対して批判的な人物ばかりです。

もちろん全面的に批判するのではなく、厳重な審査とリブラに対応した規制が必要だと述べている人物もいますが、審査すべき点が多すぎることやどのように規制していくべきかを米国だけで決めかねる点もあるはずです。

 

例えばMaxine Waters議長が挙げているフェイスブックが何度も流出させている個人情報をどうやって保護していくのは、企業としての姿勢が問われています。

またリブラそのものの仕組みについては、世界の国々の通貨の壁を取り払ってしまうものであり、国の根幹を成す通貨の概念を覆してしまいかねません。

米国だけでそれを許可することができるのでしょうか。

 

おそらくリブラが抱えている疑念を晴らすにはまだまだ時間がかかるでしょうし、仮想通貨リブラに対する議会からの反発は、今後も相当続くことが予想されます。

 

リブラ協会のメンバー企業数社も参加を見直し

Facebookのリブラに関するホワイトペーパーにはリブラ協会に関する記述があり、リブラ協会にはVisaやMastercard、vodafone、ebay、Uber、Spotifyなど世界に名だたる有名企業に加えて、フェイスブックの子会社であるCalibraも名前を連ねており、その総数は28社にもなります。

 

2019年8月23日のFinancial Timesが、そのうちの3社が非公式ながらも、リブラプロジェクトから距離を置くことを検討していると報じました。

Financial Times

画像引用:Financial Times

 

その3社がどこなのか、具体的には報じられていませんが、ホワイトペーパーに名前を連ねている企業も、このプロジェクトに対して正式な参加を表明したものではないといわれています。

 

参加見直しの理由とは

ではどうして参加を見直す動きが出てきたのでしょうか。

そこには議会や規制当局、各国からの批判の声が大きく影響しています。

 

すなわち「米下院金融サービス委員会議長がリブラの監視強化を発表」の項で記述したように、個人情報流出や規制問題などで厳しい批判を受けており、はたしてそれらが参加企業にとって重大な課題であるコンプライアンスに沿ったものになるのかという疑問が生じているからです。

 

リブラ協会のメンバーになるには、1,000万ドルを出資しなければならない規定が設けられていますが、コンプライアンスを犠牲にしてまで参加する意味があるのかどうかを見直しているということでしょう。

 

リブラプロジェクト関係者の憤慨

リブラ協会のメンバーとして参加するつもりでありながら、議会や規制当局などから批判されると参加の見直しを検討し始める企業に対し、リブラプロジェクト関係者はどう考えているのでしょうか。

 

報道によると、Facebook側はこのような企業に対して怒りを感じているとともに、リブラに疑問や異論を投げかける人に対してもうんざりしているとのことです。

 

リブラに関する今後の動き

リブラに対する米公聴会の席上、このプロジェクトのリーダーであるDavid Marcus氏は、全ての疑念に対処し終わるまで、リブラを立ち上げないことを約束しています。

David Marcus Twitter

画像引用:David Marcus Twitter

 

しかし米国だけでなく、EUやオーストラリア、カナダなどでもFacebookの個人情報保護姿勢とリブラに対する懸念が噴出しています。

また米下院金融サービス委員会議長Maxine Waters氏をはじめとする議員団が、リブラ協会のあるスイスを訪問して協議することも決まっているようです。

 

David Marcus氏の言葉通り、全ての疑念に対処し、疑念を晴らすことができるのでしょうか。

 

まとめ

Facebookの仮想通貨リブラに対する反発、そして協会参加企業からも参加を見直す声があることをご紹介しました。

まさにFacebookとリブラにとって、厳しい状況であるといえるでしょう。

この状態から抜け出し、リブラプロジェクトを軌道に乗せることができるのでしょうか。

 

非常に厳しい状態ではあるものの、リブラに対して期待する組織や助けになりえる存在も登場してきています。

日本の仮想通貨取引所、コインチェックの親会社であるマネックスグループのCEO松本大氏は、リブラ協会に参加することを視野に入れていると発言しています。

また日本の金融市場関係者に対するアンケートでも、6割以上の人がリブラを肯定的にとらえています。

そして大手仮想通貨取引所であるバイナンスは、リブラに似た独自仮想通貨Venusを発表しています。

否定的意見ばかりに取り囲まれているわけではないわけです。

 

しかし現状を見てみると、実際にプロジェクトを稼働させるためには越えなければならないハードルが幾つもあることに変わりありません。

このままリブラプロジェクトは頓挫してしまうのか、それとも画期的な仮想通貨として世の中に登場してくるのか、今後の動きに注目しましょう。

 

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