大麻やコーヒー豆ともリンクし始めた仮想通貨
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- 2019.08.01.
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- 大麻やコーヒー豆ともリンクし始めた仮想通貨
仮想通貨はその特徴を活かせば、色々なモノやコトをつないでビジネスに応用することができます。
多くの企業や人が仮想通貨を使った新たな取り組みを始めており、実際に数多くみられるようになってきました。
一見すると仮想通貨とは関係なさそうな大麻やコーヒー豆にまで仮想通貨の波が押し寄せています。
実際にどんな取り組みがされているのかをご紹介しましょう。
大麻価格に連動した仮想通貨を発行
世界的に嗜好品としてだけでなく、医療用として解禁が進んでいる大麻価格の中央値と連動する仮想通貨SWX Coinの発行が発表されました。
このプロジェクトを立ち上げたのはギリシャの大富豪であるAlki David氏で、この通貨を運営するためにSwissx Bank of Cannabisを立ち上げています。
このニュースを取り上げているCaribbean News Nowの画像が以下のものです。
画像引用:Caribbean News Now
Alki David氏について
Alki David氏は製造業や瓶詰め工場、海運会社などを相続しているギリシャの億万長者です。
これら以外に自身でインターネットテレビのプロバイダーであるFilmOnやホームショッピングのウェブサイト9021go.com、そしてストリーミングビデオサイトであるBattleCam.com、モデル事務所Independent Modelsを経営しています。
また自身も映画やテレビなどに出演する俳優として活躍しています。
諸外国で活用されつつある大麻
日本では大麻に対する取り締まりは厳しく、所有や使用は厳罰に処せられます。
しかし諸外国では大麻を合法化して活用する動きが近年顕著になりつつあります。
2018年にカナダで解禁されたことは、大きなニュースとして報道されました。
最近は特に大麻を医療用として用いることがクローズアップされています。
大麻にはTHCと呼ばれる成分があり、多幸感やリラックス効果を感じることができるために、不安障害の改善やうつの症状を改善させる効果があることが分かっています。
また大麻にはTHC以外にもCBDと呼ばれる化学物質が含まれています。
これは精神面に影響することがなく、てんかん発作の抑制や慢性的な痛みに対する効果もあります。
食欲増進作用や緑内障の改善、HIVや多発性硬化症に対する効果も報告されています。
今後も大麻の医療活用に対する研究は進められていくはずですが、CBD成分についてのビジネス市場はアメリカだけでも240億ドルに達するのではないかといわれるほど大きな市場です。
このプロジェクトの意味するもの
仮想通貨SWX Coinはビットコインのブロックチェーンをベースに開発されており、高級大麻における世界規模価格に連動されています。
またSWX Coinを取り扱うSwissx Bank of Cannabisはスイスのグスタードに設立し、カリブ海を望む地域に本部を設けるようです。
SWX CoinとSwissx Bank of Cannabisの登場は、業界にとって仮想通貨と大麻の取引を安全なものにしていくことが予想されます。
SWX Coinは大麻を栽培する農家にFarmer’s Walletから支払われ、いつでも現金に換金することができるため、栽培農家にとっても非常に有意義なものになっています。
しかもカリブ海全域で拡大しつつある大麻栽培農家が加盟する国際協同組合は、今回のプロジェクトのために設立されており、大麻だけでなく全ての作物の購入を保証する形を取っています。
つまりこのプロジェクトは、単に仮想通貨を発行するためだけのプロジェクトではなく、カリブ海全域の大麻栽培農家を支援するためのものになっているわけです。
コーヒー豆生産団体が仮想通貨を発行
大麻だけでなく、多くの人が愛飲するコーヒー豆についてもリンクする仮想通貨が発行されます。
これまでは直接消費者に接するスターバックスなどが仮想通貨を導入することがありましたが、今回仮想通貨を発行するのはコーヒー豆生産者の共同組合です。
コーヒー豆の有名な生産地であるブラジルでは2番目に位置し、多くのコーヒーファンに愛飲されているアラビカ豆の生産地において世界最大規模である生産者組合「Minasul(ミナスル)」が、仮想通貨コーヒーコインを発行します。
このことはMinasulの代表であるJose Marcos Magalhaes氏が発表しました。
Jose Marcos Magalhaes氏はグローバルコーヒーフォーラムでのインタビューで、組合員はコーヒーコインを使って、車や食料、肥料、機械、その他の農作物以外の製品を買うことができるようになると話しています。
このプロジェクトの意味するもの
仮想通貨コーヒーコインは、生産者組合Minasulに加盟している組合員が生産したコーヒー豆によって支え支えられており、栽培時の経費や耕作に必要な機械の購入などに充てられます。
また現在のコーヒー豆は生産者から出荷される際、間に公証人事務所を介する必要がありますが、コーヒーコインを使えばこれらが必要なくなるためにコストを削減することができ、削減されたコストは生産者に還元することができます。
将来的には、生産農家がスマートフォンだけでコーヒー豆を直販できるようになることが可能になっていきます。
仮想通貨CoffeeCoinとの違い
コーヒー豆に連動した仮想通貨には、すでに「CoffeeCoin」が存在しています。
画像引用:COFFEECOIN
CoffeeCoinにはWavesプラットフォームが使われており、コーヒー豆の生産農家や焙煎業者、小売店、消費者を世界規模でつないでいるため、瞬時に支払いができるようになっています。
そのため、これまでのように違う国の業者や店舗などに対する厄介な支払いに困ることなく、素早くしかも安く支払うことが可能になりました。
これによって生産農家は少しでも高く販売できるだけでなく、消費者は安い価格で気に入ったコーヒー豆を世界中から購入できるようになっています。
このCoffeeCoinは2017年にすでにローンチされていますが、Minasulが発行するコーヒーコインはこれとどう異なるのか、詳しいことはまだ明らかにされていません。
今後詳細は明らかになってくるでしょう。
今後も多方面で活用される仮想通貨
大麻とコーヒー豆における仮想通貨の新たな展開についてご紹介しました。
仮想通貨はその特徴から資産として投資する面だけに目がいきがちですが、実はこのような使われ方もあるのです。
仮想通貨には世界のあらゆるものを変えていく可能性が秘められています。
もちろんマネーロンダリングやテロ支援資金など、マイナス面も考慮しなくてはいけませんが、それ以上に大きな可能性もあるのです。
今後、仮想通貨やブロックチェーン技術はどのように活用され、それによって世の中はどう変わっていくのでしょう。
仮想通貨とブロックチェーンの貢献に期待しましょう。