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バイナンスが独自のステーブルコインを発行

  • 取引所
  • 2019.06.21.

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2019年6月17日、世界最大手の仮想通貨取引所Binance(バイナンス)は、同社のブロックチェーンBinance Chainを活用した独自のステーブルコインを数種類発行することを発表しました。

「ステーブルコイン」とは「価格変動がないよう設計されたコイン」のことで、法定通貨や仮想通貨によってその価値を担保されており、従来の仮想通貨が抱える課題解決策として普及してきています。

 

この発表の前、6月6日にBloombergが「バイナンスが2ヶ月以内に独自のステーブルコイン発行を予定している」と報道しましたが、今回の発表がバイナンスによる公式発表となります。

 

バイナンスが発行を予定しているステーブルコインはどのようなものなのでしょうか。

またそもそもステーブルコインと従来の仮想通貨とでは何が違い、他にどんなステーブルコインがあるのでしょうか。

これらについてご説明しましょう。

 

Bloombergによるステーブルコイン発行の報道

 2019年6月6日、Bloombergは「バイナンスの最高責任者Wei Zhou氏が、数週間〜1、2ヶ月以内に、独自のステーブルコインを発行すると語った」と報道しました。

 

報道の骨子は以下のようなものでした。

  • イギリスのポンドと100%連動するステーブルコイン「BGBP」を今後2ヶ月以内に発行予定(現在はテスト段階)
  • ポンド以外と連動する他のステーブルコインも発行予定
  • 米ドルに連動したステーブルコインは予定していない

ステーブルコイン発行の目的についてZhou氏は、「テザー(USDT)が独占するステーブルコインの取引高を減らすこと」だと述べました。

現在バイナンスで取り扱っているステーブルコインの50%以上をテザーが占めており、この一部を新たに発行予定のステーブルコインに移行する狙いがあるということです。

 

報道でバイナンスコイン(BNB)が高騰

6月6日に報道されたニュースを受け、バイナンスが発行する独自トークン「バイナンスコイン(BNB)」の価格は前日比で10%近く上昇しました。

10%上昇したバイナンスコイン

画像引用:CoinMarketCap

 

ビットコインと連動したステーブルコイン「BTCB」も発行

バイナンス公式ブログ

画像引用:バイナンス公式ブログ

2019年6月17日、バイナンスは自社の公式ブログおよびTwitter上で、英ポンドと連動する「BGBP」とは別のステーブルコインである、ビットコインと100%連動した独自のステーブルコイン「BTCB」の発行を発表しました。

BTCBの取引開始時刻は6月18日午後5時で、現在(6月19日)までに9,000ドル付近を推移しています。

BTCBチャート

画像引用:CoinMarketCap

 

ステーブルコインとは?

ここでステーブルコインについて詳しくご説明しましょう。

ステーブルコインとは「価格変動のない(価格が一定の)コイン」のことで、英語のステーブル(Stable)には「安定」「変動のない」といった意味があります。

ステーブルコインは価格変動幅が大きくならないように作られたものですが、価値を担保するのにいくつかの方法があり、それぞれ特徴やメリットも異なります。

  1. 米ドルやユーロなどの「法定通貨担保型」
  2. ビットコインなど「仮想通貨担保型」
  3. 通貨供給量の調整によって価格変動を抑える「無担保型」

このそれぞれについて説明しましょう。

 

1.法定通貨担保型のステーブルコイン

今回バイナンスが発表したイギリスポンドの連動した「BGBP」がこれにあたります。

このタイプのステーブルコインは、法定通貨つまり米ドルや日本円、ポンドなど、国や政府が発行している通貨と値動きが連動するものを指します。

また連動している通貨とはいつでも交換できることが特徴です。

 

2. 仮想通貨担保型のステーブルコイン

バイナンスが発表したビットコインと連動する「BTCB」がこれに該当します。

仮想通貨と連動させることで、その仮想通貨といつでも交換することができますが、仮想通貨の特徴でもある価格の上下動の激しさが不安定要素として存在しています。

取扱高が大きいだけでなく、一般からの高い認知度と信頼を得ているイーサリアムなどの仮想通貨を担保とするステーブルコインも存在しています。

 

3. 無担保型のステーブルコイン

担保とする通貨を持たず、供給量の調整だけでその価値を担保しているのが無担保型のステーブルコインです。

法定通貨は、経済情勢などによって変化する市場の需要と供給のバランスを考慮しながら、市場に出回る通貨供給量を調整しますが、無担保型のステーブルコインもこれと同様に供給量を調整しています。

 

ステーブルコインの意味とは

そもそもステーブルコインにはどのような意味があるのでしょうか。

ステーブルコインには以下の三つの意味があるといわれています。

 

1.仮想通貨の価格を安定させる

法定通貨担保型のステーブルコインであれば、仮想通貨の大きな特徴であるボラティリティの大きさに左右されることが少なくなります。

それは法定通貨が一定の信頼を得ているためです。

それによって資産として預金ができたり、送金、決済もできるなど、通貨としての用途が充実してきます。

 

2.国境のない通貨として使用できる

法定通貨の場合は国ごとに通貨が異なりますが、ステーブルコインはどの国であっても両替せずに利用することができます。

もちろん決済にも利用することができ、異なる国の人に対する送金でも短時間で可能です。

 

3.資産価値の暴落を防ぐことができる

政治的・経済的混乱や紛争などで、その国の法定通貨が暴落することは海外では頻繁に起こっています。

このような場合にその国の法定通貨を保有していても、資産価値は激減してしまいます。

ステーブルコインはこのようなケースでも資産の避難先として役立ちます。

また法定通貨の暴落だけでなく、仮想通貨が暴落することが予想される際の避難先としてもステーブルコインを活用することもできます。

 

バイナンスが発行したステーブルコイン「BTCB」

BTCBはバイナンスのブロックチェーン「Binance Chain」上に発行されたステーブルコインで、バイナンスおよび分散型取引所Binance DEXで取引することができます。

ちなみに「Binance Chain」とは、その名の通りバイナンス独自のブロックチェーンのことで、同社とそのコミュニティによって開発されました。

 

ビットコインと連動する狙い

今回新規発行されたBTCBは、ビットコインを100%担保にしていた仮想通貨担保型のステーブルコインです。

なぜ米ドルやユーロのような法定通貨と連動した法定通貨担保型ステーブルコインではなく、ビットコインに連動させたかというと、分散型取引所Binance DEXにて、今後より多くの取引ペアを扱えるようにする狙いがあるからです。

 

先述したように分散型取引所Binance DEXは、バイナンス独自のブロックチェーンBinance Chain上に構築されており、その他のブロックチェーンとの互換性がありません。

これはBinance Chainに限ったことではなく、ビットコインのブロックチェーンとイーサリアムのブロックチェーンも互換性はありません。

異なるブロックチェーン上にあるコインを交換することは簡単ではないため、ビットコインと同じ価値を持つコイン、つまり今回発行されたBTCBによって、ビットコインを保有するユーザーにBinance DEXを利用してもらおうという狙いがあるのです。

 

既に発行されているステーブルコイン

既に発行されているステーブルコインについて、その特徴などをご説明しましょう。

 

【先例①】テザー(USDT)

ステーブルコインとして有名なものに、法定通貨(米ドル)と連動したテザー(tether)があります。

アメリカのTether社によって2015年2月に発行されたテザーは、米ドルと連動しており、これまでほぼ1USDT=1米ドルの相場を維持してきています。

ちなみにテザーが発行される以前からも、米ドルと連動することをコンセプトとしたステーブルコインはいくつか出ていました。

2014年から発行されたCoinoUSD、NuBits、BitUSDなどです。

しかし、これらのステーブルコインはいずれも次第に流通量が減少し、普及するまでには至りませんでした。

ステーブルコインとしては後発として登場したテザーがなぜ現在まで流通できたかと言うと、

  1. コイン発行額と同額の米ドルをテザー社が準備金として蓄えており
  2. 必要があれば利用者の引き出しに応じられる

という体制を取っているからです。

そうすることで利用者に「同額のリアルマネーがちゃんと準備されている」という安心感や信頼感を与えることができます。

ただ、「本当にテザー社はリアルマネーを準備しているのか?」と疑問の声も長らくあり、これまでにも内部管理体制や不祥事などが話題となった経緯があります。

 

【先例②】トゥルーユーエスディー(TUSD)

2018年3月に発行された「トゥルーユーエスディー」も、テザーと同様に米ドルと価格が連動するよう設計されたステーブルコインです。

両者の違いは、準備金をどこが(何社が)保有しているか?という点です。

テザーの場合はテザー1社が担保となる準備金(リアルマネー)を準備しているのに対し、トゥルーユーエスディーの場合は複数の信託銀行が価格を保証する形になっています。

ですので、もし仮にどこかの信託銀行が潰れてしまったとしても、他の信託銀行によって補填できるという仕組みになっているのです。

 

【先例③】ジェミニドル(GUSD)

ジェミニドル(GUSD)は、ウィンクルボス兄弟が運営する仮想通貨取引所ジェミニ(GEMINI)によって2018年9月に発行された米ドル担保型のステーブルコインです。

テザー同様にジェミニ1社が担保(準備金)を持っているため、万一ジェミニが倒産したしたなどに取引できなくなるなどの可能性はあります。

ただ、公的機関の認可を得ていたり、毎月報告書を公開したりと透明性を担保するための仕組みを持っています。

 

まとめ

バイナンスが発行したステーブルコインの概要や、ステーブルコインが普及した背景・先例などについて見てきました。

仮想通貨投資と聞くと「価格変動幅が大きい」、そのため「ハイリスク・ハイリターン投資」というイメージが根強いですが、価格変動幅問題を解消しうるステーブルコインの種類も増えてきています。

100%価値が担保されるわけではありませんが、今後ステーブルコインはますます注目される存在になってくるのではないでしょうか。

今後ステーブルコインがどのような地位を確立していくかに注目していきたいと思います。

 

海外の仮想通貨デリバディブ取引は、高水準のリスクを伴う投資であり、全ての投資家に適した投資ではありません。海外の高倍率のレバレッジは少額の資金で証拠金を上回る取引を行うことができますが、仮想通貨は急激な価格変動も多く、短期間に利益を出せる一方で、証拠金の大部分や全てを失ったり、取引額が証拠金を上回っていれば、証拠金額等を超える損失が発生するケースもございます。損失に耐えられない資金投資はするべきではなく、海外業者で仮想通貨FX取引を始めるにあたっては、投資目的やご自身の経験、リスクの許容範囲などを含めて慎重にご検討し、取引内容を十分にご理解いただいた上で、ご自身の責任と判断において取引を行ってください。

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