XRPが実店舗での少額決済できるアプリを発表
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- 2019.05.14.
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XRPを実店舗で決済できるアプリがリリースされました。
このアプリを使えば、店舗がXRP決済システムを無料で導入できるようになります。
それは私たちにとってどのようなメリットがあるのでしょうか。
リリースされたアプリについての詳細とXRPについて詳しくご説明しましょう。
店舗用のXRP決済アプリがリリース
店舗においてかんたんにXRP決済を行える、店舗用のアプリ「XRPayments」がリリースされました。
これは、XRPL LABS社のWietse Wind氏が4月18日にTwitter上で発表したものです。
XRPL LABS社は、リップル社の投資部門Xpringから出資を受けているスタートアップ企業で、リップルの技術を使った様々な製品の開発を行っています。
このアプリのリリースにより、XRP決済が世界中に広まる可能性があります。
店舗はiOSまたはAndroid端末を用意するだけで、XRPを受け取ることが可能になるからです。
アプリは、App StoreおよびGoogle Play Storeから無料でダウンロードできます。
アプリの使い方
「XRPayments」の利用対象者は、XRPを受け取る側、つまり店舗です。
店舗側は、あらかじめXRP Payments(https://setup.xrpay.com/)において、店舗名や支払い通貨、XRPを受け取る入金用アドレスなどを入力して「チャンネルID」を作成しておきます。
そして、アプリを対応端末にインストールし、登録した「チャンネルID」でログインするだけ。
現地通貨の支払金額を入力する画面が表示されますので、例えば「300円」と入力すると「9XRP」と300円相当額のXRP数量に換算して表示してくれます。
※スマホの画面キャプチャ
そして、XRPの数量の横には、あらかじめ登録したXRPの受け取り用アドレスがQRコードで表示されます。
あとは、支払いを行うお客様がスマホでXRP対応のウォレットから送金を行うだけです。
ウォレットについては、専用のものはリリースされていませんが、仮想通貨取引所のアプリ、もしくはXRP対応のモバイルウォレットで代用できるはずです。
現地通貨とのコンバーターを内蔵していますが、為替レートが変動することを考慮し、「10%割引~正確な為替レート~10%増分」まで1%ごとに細かく設定が可能です。
例えば、「為替リスクが怖いから、10%分上乗せした金額でXRPを受け取りたい」という設定も可能というわけです。
このように、XRPと法定通貨の為替変動に対応ができる点が非常に優れています。
店舗が「XRPayments」を導入するメリット
店舗が「XRPayments」を導入するメリットは、XRPを利用している人を集客できる点です。
XRPを支持する、「リップラー」と呼ばれる人々の関心を集めることができるでしょう。
また、導入費用はかかりませんし、必要な機材はスマホやタブレットだけなので、単発イベントの決済用システムとしても十分機能するはずです。
XRP投銭サービスの開発者が開発
このXRP決済サービスの開発者Wietse Wind氏は、Twitter上でXRPを投銭できる「XRP TIPBOT」の開発者でもあります。
この「XRP TIPBOT」は、2018年10月にリリースされました。
XRP TIPBOTにアカウントを登録しXRPを入金したら、ツイートに「@送り先のアカウント +数量 @xrptipbot」と書くだけで、ツイートのメンション先にXRPを投銭できます。
投銭できるチップの数量は0.000001~20XRPとなっており、気軽に投銭できる点が特徴です。
XRPとは
今回リリースされたアプリの決済通貨として使われるXRPとは、そもそもどういった通貨なのでしょうか?
XRPは、時価総額第3位をマークしている、米企業リップル社が開発している通貨です。
リップル社のミッション
リップル社のミッションについて説明しましょう。
リップル社は、高い手数料や長い送金日数を要する国際送金を効率化することをミッションとしています。
例えば自分が利用しているA銀行から、ブラジルのB銀行にお金を送金したいとしましょう。
国際送金するとき、国内銀行の振込のように、直接A銀行からB銀行へ送金できるわけではありません。
通貨を仲介する中継地点となるC銀行を間に挟み、A銀行→C銀行→B銀行というようにお金が流れてきます。
もし、通貨がマイナーなものだった場合、この中継する銀行が2つになる場合もあります。
そのため着金には数日間を要し、途中で送金処理が止まってしまうケースもあるようです。
中継銀行にもそれぞれ手数料が発生するため、中継銀行が増えるほど手数料も増え、1度の送金で数千円の手数料がかかってしまいます。
三井住友銀行の例を見てみると、1回の国際送金で少なくとも6,500円の手数料がかかることがわかります。
円普通預金から出金し、外貨建てで送金される場合
以下の2つの手数料が必要となります。
1.海外送金手数料 4,000円(当行の海外店・連携銀行あては 3,500円)
2.関係銀行手数料 2,500円
・受取人取引銀行または送金の経由銀行で発生する手数料を依頼人負担とした場合にかかります。
・受取人取引銀行または送金の経由銀行から後日4,000円を超える請求があった場合は差額を請求させていただきます。
引用:海外送金-三井住友銀行
このA銀行→C銀行→B銀行というバケツリレーのような国際送金の仕組みが、リップル社の「Ripple Net」という技術を使うと、A銀行→B銀行と直接やり取りできるようになります。
送金手数料はほとんどかからないばかりか、即時に受け取りが可能となります。
リップル社の公式サイトによれば、200を超える金融機関と提携しており、すでに国際送金プロバイダ企業にリップル社の技術が使われ始めています。
日本の銀行47行が参加する「内外為替一元コンソーシアム」では、このリップル社の技術が使われたソリューションを活用し、実用化に向けて動いています。
XRPのトークンとしての役割
XRPは、リップル社が開発したネットワーク「Ripple Net」内で流通するトークンです。
その主たる役割は、異なる法定通貨同士の両替を円滑化させるというものです。
例えば、日本円からブラジルレアルに両替するときに、間に入る「ブリッジ通貨」となります。
また、リップルネットワーク内で送金を行ったときに、手数料としてXRPが消費されます。
このように、XRPは国際金融機関が利用するリップル社のシステム内でのみ使われるものですが、他の通貨とは違う特徴を持つXRPのファンは多く、リップル社の技術が実用化されるニュースがあるたびにXRPが期待で買われ、価格が上昇しています。
今回の決済用通貨としてXRPを使うアプリのリリースは、リップル社が目指す「国際送金の効率化」とは目的が異なるものの、XRPを保有しているファンが多く、世界中に拡大する可能性は十分あります。
XRPは今後決済用通貨としての用途拡大につないでいくことを考えているのかもしれません。
まとめ
今回リリースされたXRPの実店舗での決済アプリは、iOSまたはAndroid端末を店舗側が用意すれば、無料で使える簡単なものです。
国際送金システムとして、既に実用化されているリップル社のXRPは、今後は決済用通貨として広がりを見せていくのかもしれません。
今後のXRP決済の広がりに注目していきましょう。